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大沢の池はかなりの水量があります
大沢の池は、野幌森林公園の北東にある二番目に大きな池です。
かなり前に作られた農業用の人工の池(貯水池)です。
この池は、四季(冬はさすがに凍ります)を通じて水がたっぷりあり、春から秋にかけて四季美コースからたくさんのカモが泳いでいるところ見ることができます。
また、過去にはウミウやバンなども来たことがあります。
その大沢の池に起きた出来事をご紹介します。
それは、2018年5月に起きました。
大沢の池に水が貯まるとどうなる?
(いつもは、水がたっぷりの池です)
四季美コースを歩くと遊歩道のすぐそばにあるので、大沢の池にどんな野鳥がいるのか見ることができます。
四季美コースからは、大沢の池の奥の方のそばを歩くことになります。
四季美コースは奥の左側を歩きます。
(マガモが多いですね)
大雨で大沢の池に水が貯まってくると、池に向かって左側の「洪水吐(こうずいばき)」から溢れた水が流れだします。
ある程度の高さまでは、水を貯めておくようになっているのが、貯水池なのです。
そのため、いつもタップンタップンとした大沢の池には、マガモ、キンクロハジロ、コガモなどが泳いでいるのです。
洪水吐き
あれっ!大沢の池の水が無い?
(いつもの大沢の池と雰囲気が違う?)
いつも水がたっぷりある大沢の池の水が無い!
私もこの大沢の池は○○年前からも見ており、水が少ない時はありますが、今回はほとんどの水が無い!どうした大沢の池!何が起きた?
野幌森林公園散策の常連の方もびっくりして、数年前の自分のブログに書いていました。
下の写真を見比べてください。
池が枯れているでしょう。
水がたっぷりの大沢の池
水が無くなった大沢の池
近くに寄っても水は無い。
何か見慣れない物があるぞ!何だろう?
(水はどこかへ流れている?)
池の堤防の真ん中当たりに見慣れないものがあるのに気づきました。
実は元々あったのですが、夏は草に隠れているし、冬は雪が積もっているので、はっきり意識していなかったのですね。
見えていても、記憶に残っていなかったということです。
それは、直径20㎝から30㎝位の塩化ビニールパイプにポコポコ穴が開いていました。
この物体の正体は何でしょうか?
(この穴は一体何?)
答えは、古いタイプの貯水池に見られる「耕作地へ水を送る取水施設」なのです。
それぞれの穴に蓋をしていますが、池の水を流すときに上の方から蓋を外します。
するとその高さまで水は流れていきます。
水面が下がってくると、また下の穴の蓋を外します。
これを繰り返して、堤防下の管から畑に必要な水量を調整しながら流すというわけです。
堤防の下に管が貫通して外に出ているので、管の一番下にある「底樋(そこひ)」の栓を外すと水が管を通って流れます。
底樋から水が堤防の下を流れます
堤防に斜めに設置している管を「立樋(たてひ)」と呼びますが、立樋には複数の高さに栓があり、水位の低下を調整しながら流せる構造になっています。
台風や大雨などで増水して堤防が破壊されるのを防ぐために、取水施設の他に洪水吐が作られているのでした。
結局、大沢の池の水を畑に流したということなので、疑問が解決しました。
社会科の勉強にもなりましたね。
取水施設の底樋と縦樋
大沢の池の底。木の切り株が結構あります。