障害者の方が公共の交通機関、特に電車を利用するときには、車椅子での乗車が一般的であると考えられます。
毎日、あるいは頻繁に車椅子を使用して電車に乗車している方々は、乗車の手順や料金計算のシステムをしっかりと理解していることでしょう。
しかし、車椅子での電車乗車や、介護者と一緒に電車に乗ることが初めての方々にとっては、電車に乗るためのスロープの設置方法や、料金の計算方法など、どのように電車に乗車すれば良いのか、という問題に頭を悩ませてしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、全国規模で運用されている「JR」を例に、車椅子で電車に乗る際の具体的な料金の計算方法や乗降の手順、駅員へのスロープ設置の要望方法などについて詳しく解説します。
この情報が、車椅子で電車に乗る際の参考情報として、あなたの旅を少しでもスムーズに、そして安全に進めるための一助となれば幸いです。
車椅子で料金が割引になるの?その条件は?
(車椅子を使用して電車に乗れる方は?)
一般的には、健常者の方が車椅子を使用して電車に乗ることは許可されていません。
しかし、特定の条件を満たしている方々は車椅子を使用して電車に乗車することが可能です。
具体的に車椅子で電車に乗れる方は以下のようなケースが考えられます。
①障害者手帳を持っている方。
・・・障害者手帳を所有している方は、車椅子を使用して電車に乗車することが可能です。
②怪我をしている方・・・車椅子を使用するほどの怪我。
・・・怪我をしていて、それが車椅子を必要とするほど重度である場合も、電車に乗車することが許可されています。
③高齢者で車椅子を使用している方。
・・・高齢者で移動が困難な方は、車椅子を使用して電車に乗車することができます。
④体が不自由な方。
・・・体の不自由な方も、車椅子を使用して電車に乗車することが可能です。
⑤何らかの理由で、車椅子を使用しないと移動できない方。
・・・何らかの理由により、車椅子を使用しないと移動が困難な方も、電車に乗車することができます。
このように歩行が困難な方は、一般的な車椅子(長さ・高さ1.2m、幅0.7m程度)で電車を利用することができます。
(電車料金の割引を受ける条件は?)
また、電車を利用する際には、料金の割引を受けることが可能な方もいます。
車椅子で電車を利用する方で、以下の割引条件に該当する方は、料金が割引になります。
(割引条件)
①自治体が発行する「身体障害者手帳」「療育手帳」(旅客運賃減額欄に第1種・第2種の記載がある)を持っている方
・・・車椅子を利用するだけでは、割引になりません。
基本的に手帳の呈示を求められます。
②手帳を持っているのが乳幼児
・・・・本人は無料で、同伴者(介護者)は割引乗車券を購入できます。
④手帳が第2種の場合
・・・本人は割引になりますが、同伴者は割引になりません。
⑤割引乗車券を使用するとき
・・・必ず手帳を持っていなければなりません。
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車椅子で割引料金が適用される場合の割引率は?
車椅子での料金割引条件を満たしたときの割引率は、次のとおりです。手帳を持参して、駅の窓口で購入できます。
(普通乗車券)
①本人1名(第1種・第2種)
・・・本人が1名だけの場合は、片道100kmを超えると割引率50%、100km以下は割引率0%です。
②本人1名(第1種)+介護者1名
・・・片道100km以下でも、本人と介護者は割引率50%です。
③本人1名(第2種)+介護者1名
・・・片道100kmを超えると、本人割引率50%、介護者割引率0%です。
(定期乗車券)
①本人1名(第1種・12歳未満で第2種)+介護者1名
・・・本人と介護者1人分まで割引率50%です。
小児は割引なしですが、介護者は割引率50%です。
②本人が小学生~高校生+介護者1名
・・・大学生用定期の割引率50%です。
介護者は通勤定期乗車券の割引率50%です。
(普通回数乗車券・普通急行券)
①本人1名(第1種)+介護者1名
・・・本人と介護者は割引率50%です。
・特急券(指定席・自由席)、グリーン券、寝台券に割引はありません。
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電車の乗降で、駅員にスロープを頼むには?
現在ではほとんどの駅はバリアフリーになりましたが、一部の駅では構造的に段差が生じてしまうことがあります。
その場合、一人で乗り越えるが難しいとか、介護人が付いていても慣れていない場合、電車の乗降に手間取ってしまうことがあります。
①事前に窓口でスロープが必要だと依頼
そのような時は、窓口で駅員に依頼してください。
そうすると、駅員がホームまでの案内やスロープを用意してサポートしてくれます。
ただし、混雑時の時間帯や駅員がいない駅、駅員が少ない駅などの場合、乗車時間ギリギリの場合には、対応できないこともあります。
そのため、
②時間に余裕がある1~2本前の乗車時間に行くか
②事前に乗車する駅にサポートができるか確認することが必要です。
また、降車する駅でサポートが必要な場合は、乗車する駅で降車駅へ連絡してもらうと、サポート体制をスムーズに取ってもらえます。
この場合も、ギリギリで依頼するのではなく、時間的な余裕を持って依頼しましょう。