乾電池式の電気器具がスイッチを入れても動かないとき、蓋を開けると電池が液漏れを起こしてボロボロになっていることがあります。
このような状況に遭遇した場合、多くの人は電池を取り換えて、ボロボロになった部分を布切れなどで拭いて、そのまま使い続けることがあります。
しかし、この行動には多くの危険性が伴っていることをご存知でしょうか。
今回は乾電池の液漏れ、特にアルカリ電池の危険性、また液漏れした電池は復活可能かについて解説します。
乾電池の液漏れの危険性!触るとどうなるの?
(電池が液漏れする原因は?)
乾電池は、長期間使用しないままだと、次の状態になることがあります。
①乾電池の劣化や錆び。
・・・長期間使用しないでおくと、内部で錆びたり劣化することがあります。
②ショート。
③化学反応が起きる。
・・・温度変化などの影響で化学反応が起こることもあります。
これらの要因が重なると、乾電池内部に大量のガスが異常発生することがあります。
その状態で圧力が増え続けると破裂することや、発火する恐れがあるので、一定以上の圧力を超えると安全のため、乾電池内のガスが抜ける仕組みになっているのです。
そしてガスが抜けるときには、電池内部の電解質まで漏れてしまいます。
これが、液漏れと言われるものです。
(液漏れは有毒性あり)
液漏れには、液体状になっているものや、粉末状になっているものがあります。
乾電池の種類によって電解質の種類が異なりますが、どの種類でも有毒性があるため、素手で触ったり、目に入ったりすると、皮膚や目が傷つく恐れがあります。
あくまでも危険なので、触らないことが一番ですが、回収するときや捨てるときは、手袋をしてあとで手を洗うようにしましょう。
また、乾電池をしっかりと保管し、長期間使用しない場合は取り外しておくなど、予防策を講じることも大切です。
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マンガン電池よりもアルカリ電池の方に危険性があるの?
(マンガンとアリ狩りを比較すると)
液漏れに関しては、マンガン電池よりもアルカリ電池の方に危険性があります。
・・・塩化亜鉛水溶液。弱酸性で触れると皮膚が傷つくことや、目に入ると損傷する可能性があります。
肌に触れたときは、大量の水で洗い流します。
目に入ったときは、擦らないようにして大量の水で洗い流し、医師の診断を受けるようにします。
②アルカリ電池の電解質
・・・水酸化カリウム。非常に強いアルカリ性で、皮膚に触れると化学やけどや目に入ると失明する可能性があります。
手や皮膚に触れた時は、大量の水で洗い流してください。
目に入ったときは擦らないようして、すぐ大量の水で洗い流し、出来るだけ早く医師の診断を受けるようにします。
(アルカリ電池の方が危険性がある)
このようにマンガン電池もアルカリ電池も人体に有害ですが、アルカリ電池の方がより有害で、危険性が高いのです。
また、アルカリ電池の方が液漏れしやすいと言われています。
一般家庭では、マンガン電池よりもアルカリ電池の方が多く使われているので、素手で液漏れに触らないように注意してください。
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乾電池の液漏れは復活できるのか?
(乾電池の再使用はNG!)
結果から言うと、液漏れを起こした乾電池は再使用してはいけません。
すでに乾電池としての機能は無く危険なので、ティッシュなどに包んで、液や粉が周りに飛び散らないようにして処理してください。
(復活できるのは乾電池ではない)
復活できるのは、液漏れした「電気器具の方」の再使用のことだと思ってください。
ただし、電気器具もひどく錆びているとか、腐食しているような物は、再使用をあきらめましょう。
あくまで、乾電池のちょっとした液漏れ程度の状態です。
(電気器具の復活方法)
ある程度の液漏れの場合は、主に次の方法で復活できます。
①電池を外す
・・・液漏れが飛び散らないように注意して、ゴム手袋などを付けて電池を外します。
②端子を清掃する
・・・端子が外れる場合は外して、水洗いしてやすりをかけます。
外せない場合は、水に濡らした綿棒や布、歯ブラシなどで清掃し、こびり付いたさびは、ドライバーや小さいやすりで丁寧に落とします。
③清掃後、接点復活スプレーを使う
・・・接点部分にシューとスプレーします。
④電池をセットします
・・・清掃が完了したら、新しい電池を入れて復活を確認してください。
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まとめ
電池に白い粉が付いているときは、いきなり息を吹きかけてはいけません。
粉が飛んで目に入る危険性があります。
電池に異常がある場合は、害がないように丁重に取り扱いましょう。