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車椅子は、足の不自由な方だけが利用するものではありません。
一人では動けない方、脊髄損傷、脳性麻痺、リウマチ、下肢などの切断、脳血管障害、強度の腰痛などの方も利用する移動用具です。
周りや本人が利用したことのない場合は、あまり関心が無いかもしれませんが、利用する方から見ると、車椅子は福祉、介護を代表する大事な用具なのです。
その車椅子の役割、移乗の目的は何か?車椅子介護にクッションは必要なのかについてお答えします。
車椅子の役割とは何ですか?
(車椅子のある場所)
自分用の車椅子を持っている方以外にも、病院、公共機関、商業施設などでも、車椅子が入り口付近に常時置かれていることや、利用しているところを見ることがあります。
車椅子の役割とは、様々な理由により体を移動することが困難な方が、他の場所へ移動する、座る、転倒を防ぐ、活動範囲を拡げるなどがあります。
(4つの役割)
①移動する
・・・自分で車椅子を動かし移動する、他の人に介助してもらうことで移動することができます。
②座る
・・・何らかの理由で通常の座り方ができない方でも、車椅子には背もたれ、ひじ掛け、座席シート、レッグサポートなどがあるので、座る体勢を保てる場合があります。
③転倒を防ぐ
・・・ある程度歩けるが転倒するリスクが高い方は、車椅子に乗ることで安全に移動できます。
④活動範囲が拡がる
・・・トイレや食事、洗面所、雑用など、自分の行きたい場所へ安全に行くことができます。
車椅子で移乗する目的は何ですか?
(移乗とは?目的は?)
①車椅子の移乗とは
・・・介護される方が他の場所へ移動するときに、車椅子に乗り降りする動作のことを言います。
②移乗の目的は
・・・安全に無理なく目的の場所へ移動することです。
例えば、ベッドから起きてトイレに行こうとする場合、足の不自由な方であれば、ベッドから降りるときに転倒する恐れがあります。
その時に、ベッドへ車椅子を横付けして、一度車椅子に乗りトイレに向かえば、転倒するリスクが大きく減ることになります。
このように、介護される方が他の場所へ移動するときや、介護を受ける方が一時的にベッドから離れてもらうときなど、車椅子に乗ってもらうことで、転倒などの事故を無くし安全を確保することができます。
車椅子にはクッションが必要なの?
(クッションは必要!)
結果を先に言うと「車椅子にクッションは必要」です。
ただし、車椅子の席に乗せると、型崩れや滑り落ちる可能性のある普通の座布団のようなクッションは避けた方がよいです。
クッションの素材には、スポンジ、ポリウレタンホーム、エアークッション、ジェルタイプ、網状構造タイプ、低反発タイプなどがあるので、それぞれお気に入りのクッションを敷いているのがほとんどです。
これらの素材であれば、滑り落ちるリスクは少ないでしょう。
(クッションを敷く目的は?)
車椅子にクッションを敷く目的は、次のものがあります。
①長時間座っても疲れない
・・・長時間車椅子に座り、同じ姿勢でお尻が痛くなるのを防ぎます。
②座り心地が良い
・・・座り心地を改善し、座った時のお尻にかかる力を分散させます。
③床ずれ防止
・・・同じ姿勢が続くことによる床ずれを未然に防ぎます。
④姿勢を安定させる
・・・座った時の姿勢の傾きなどを調整し、安定させます。
まとめ
車椅子の移乗は介護の場面でも、安全のため重要なことです。
また長時間車椅子を使用する人は、自分好みのクッションで、乗りやすくすると良いですよ。