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パラリンピックの競技種目は陸上競技をはじめ、水泳、テニス、サッカー、バスケットなど、オリンピックで行われる競技もありましたが、パラリンピックならではの競技もありました。
例えば、車いすバスケットボールや車いすラグビーなど、車いすを使った競技や、視覚障がい者向けの陸上競技や水泳など、障がいの種類に合わせた競技もありました。
そして、そんな中でも特に注目された競技が「ボッチャ」です。
可愛いネーミングで簡単そうですが、カーリングのように奥深く、戦略性の高いスポーツでもあります。
今回は、そのボッチャの試合の方法、ルールや参加人数など、わかりやすく解説いたします。
ボッチャとはどんなスポーツ?カーリングと似ている?
(ボッチャは地上のカーリング?)
ボッチャとは、元々重度脳性麻痺者や四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツで、目標の白いボールに、選手が投げたボール(赤・青)をいかに近づけるかを競います。
目標とした場所に持ち球を近づけるには、相手のボールをはじくなど動かすこともあり、投球の正確さや戦略及び運が勝敗を決めます。
①目標球に自球を近づける
・・・このボッチャの、目的の場所へ自分のボールを近づけることを争うという試合形式が氷上で行うカーリングと似ているので、「地上のカーリング」と呼ばれている由縁です。
②目標球も動かせる
・・・ただし、カーリングと違い、ボッチャは目標球も動かせるという違いがあります。
また、ボッチャは、障害のあるなしに関わらず、子供から高齢者まで楽しめる競技となりました。
この競技は、障害のある人々にとっては、自己実現の機会を提供し、社会においてより多くの人々と交流することができる機会となっています。
近年では、ボッチャが障害者のスポーツという枠を超え、より多くの人々に愛されるスポーツとなりつつあります。
ボッチャのクラス分けとルール、人数は?
(クラス分け)
パラリンピックなどの国際大会では、障害の程度によってクラス分けがあります。
①BC1
・・・車椅子操作不可、四肢・体幹に重度の麻痺がある脳原性疾患のみ。
②BC2
・・・上半身での車椅子操作がある程度できる脳原性疾患のみ。
③BC3
・・・最も障害が重いクラス。自己投球ができず、アシスタントのサポートによりランプを使用して投球をします。
④BC4
・・・BC1・BC2と同等の重度四肢機能障害のあるクラス。
(ルール)
競技用の公式コート
・・・長さ12.5m×幅6m。
選手は長さ2.5mのスローイングボックス内でボールを投げます。
投げる球数
・・・目標球に対して、赤が先行、青が後攻で、各6球ずつ投げます。
投げる順番
①始めに先行の赤の選手が、目標球を投げ入れることができるエリアに入れ、続けて赤のボールを投げ入れます。
②そのあとに後攻の青が青ボールを投げ入れます。
③1回目の投げ入れで赤ボールと青ボールの位置を確認し、青が赤より目標球に近ければ、赤に交代します。青が遠い場合は、赤よりも目標球に近くなるまで、青が続けて投げなければなりません。相手よりも目標球に近づけることができないと交代できません。
④両チームが持ち球を全部投げ終わったときに、目標球に近い球のチームに勝利ポイントが入ります。ポイントは、負けたチームの目標球に一番近い球より、勝ったチームの球が近い球1個について1点とカウントします。
勝敗
・・・①~④を1エンドと言い、公式戦では4~6エンド行い、最終的に合計点数が多いチームが勝ちとなります。
(対戦する人数)
・1対1の個人戦、2対2のペア戦、3対3のチーム戦があります。
ボッチャのルール上の球の投げ方は?
(ボールの投げ方の種類)
①手で投げる
②転がす
③足で蹴飛ばす
④上から投げる
⑤下から投げる
⑥横手で投げる
これらの投げ方が可能です。
障害によりボールを選手が直接投げることができない場合、ランプ・ヘッドポイントなどの補助具を使用できます。
(クラス分けで投げ方が違う)
ただし、クラス分けによって投げ方が異なりますので、ご紹介します。
①BC1
・・・自分で投げても足で蹴っても良い。アシスタントサポート可。勾配具不可。
②BC2
・・・自分で投げる。アシスタントサポート不可。勾配具不可。
③BC3
・・・自己投球ができないので、アシスタントのサポートで勾配具を使用して投げ(転がす)ます。
④BC4
・・・自分で投げる。アシスタントサポート不可。勾配具不可。
⑤ランプ
・・・樋状の勾配具で、ボールを上から下へ転がして目標球に近づけます。
⑥ヘッドポインタ
・・・ランプに乗せたボールを抑える棒が付いたヘッドバンド。頭に被って使用します。
まとめ
ボッチャはルールが簡単で手軽にプレーできます。
身体的に障がいの有る人、無い人に関わらず一緒に競い合えるので、ぜひ体験しましょう。