毎年お正月の時期になると、餅を喉に詰まらせて、救急車で運ばれたとか残念なことに亡くなったという報道を見ることがよくあります。
どのような人が餅を喉に詰まらせるかというと、90%以上は65歳以上の高齢者なのです。
でも、日本ではおめでたい時や年末年始、お正月などで餅を食べる習慣があり、高齢者の方も餅を食べたいと思うのは当たり前ですよね。
今回は、その高齢者でも餅を安心して食べられるように、ちょっと工夫した餅の食べ方をご紹介します。
高齢者の餅の食べ方で、喉を詰まらせない工夫とは?
(餅は以外と噛み切れない)
餅は柔らかそうに見えますが、実際にはかなりの力を必要とする食べ物です。
そして、特に高齢者の方々はかむ力が弱くなっていたり、使う歯自体が抜け落ちているなどの理由から、餅を噛み切ることができない場合があります。
実際、この問題により、高齢者の方々は餅を避けることが多くなっているようです。
しかし、餅を食べることは日本の文化的な風習でもあり、高齢者の方々にとっても食べやすくするための工夫が必要です。
(餅を喉に詰まらせない工夫)
以下に、餅を食べる際に役立つ方法を挙げてみました。
①餅を小さく切る
・・・あらかじめ一口サイズにしておくことで、食べるときにかみ切れなくなくても喉に詰まらないようにします。
また、一口サイズに切ることで、餅がより一層美味しく感じられるかもしれません。
②ゆっくり噛んで唾液を出す
・・・慌てて食べてはいけません。
ゆっくり噛みながら唾液を出すことで、餅をより細かく噛み砕き、喉に詰まらせることの防止につながります。
また、よく噛むことで、より一層消化力も高まります。
③なるべく1人で食べない
・・・高齢者が誰もいないところで餅を食べるのは危険です。
常に誰かと一緒にいる時に食べるようにしてください。
また、食事中におしゃべりをするのも控えた方がよいでしょう。
④食べる時は飲み物を飲む
・・・餅を食べるときは、常にお茶やドリンクなどを飲み、喉の通りを良くします。
ただし、飲み物を飲み過ぎないように気をつけましょう。
⑤野菜と一緒に食べる
・・・雑煮を食べる際には、野菜や汁物と一緒に食べることをおすすめします。
これにより、喉の通りが良くなります。
また、野菜には食物繊維が含まれており、腸内環境を整える効果もあります。
⑥食べる時は集中する
・・・話しながら食べるとか、食べることを急がせてはいけません。
食べるのに集中して、話しかけるときも食べ終わってからにしましょう。
⑦背筋を伸ばして食べる
・・・姿勢をきちんとして、猫背にならないようにします。
なるべく、餅が喉を通りやすい姿勢で食べましょう。
食事中にスマートフォンやタブレットなどの画面を見ることは控えましょう。
これらの方法を実践することで、高齢者の方々も安心して餅を食べることができます。
高齢者用に市販されているお餅は?
(介護にも使えるお餅)
通販や市販されている餅の中には、高齢者でも安心して食べることができるものがあります。
①やわらか福もち
・・・高齢者の介護用に開発された餅です。餅と言うよりだんごに近い食感です。かみ切りやすく、粘り気が少ないので喉を通りやすいです。
歯にくっつきにくく、喉ごしが良いように、粘度を低くした餅です
紅白やわらか福もち 紅白125g×各4本 【高齢者向け介護食】
②スプーンで食べるおもち
・・・スプーンですくえるソフトな感覚の餅です。色々な種類があります。
和光堂 バランス献立 スプーンで食べるおもち×6【かまなくてよい】 ブランド: 和光堂
③オススメお雑煮セット
・・・ お好きな調味料で味付けしてお召し上がりいただける、素材タイプのやわらか雑煮です。
高齢者に餅を食べさせる場合の工夫は?
(工夫して安全に食べよう)
餅が、喉にべったり張り付くのを防ぐ工夫が必要です。
①食べる時は柔らかくする
・・・お湯で茹でて、柔らかい餅を一口サイズにします。
またはレンジや網で餅を焼いてお汁粉などに入れて、とろとろにして食べさせます。
餅の量を小さくするのがポイントですね。
②餅は汁物と一緒に食べる
・・・餅だけではなく、汁物と一緒に喉の通りを良くして食べさせます。
高齢者が餅を食べるには、雑煮が適しています。
③餅を団子に代替えする
・・・餅に似た白玉団子を食べさせ、餅を食べている気分になってもらいます。
白玉団子は、粘り気が少ないので安全に食べることができます。
④餅風米団子で食べる
・・・普通のお米1合、山芋100g、水2合で炊きます。炊きあがったら塩をサッと振りかけ、すりこぎで団子状にこねます。こねた団子を餅の食べ方で食べさせます。
餅に近い食感なので、美味しくいただけると思います。
まとめ
お餅を食べたい気持ちはわかっていても、そのまま食べさせるのは高齢者によってリスクがあるので我慢してもらいましょう。
ちょっとした工夫で、リスクを減らすようにしてくださいね。