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京都へ行くと数多くの寺院がありますが、その中でも禅寺と呼ばれる寺院があり、特に天龍寺、南禅寺、東福寺、建仁寺などは有名で、観光でも人気のある禅寺です。
禅寺と言えば座禅を組んで瞑想している修行シーンが浮かびますが、見回りのお坊さんが肩をバシッと木の板で叩いているのは痛そうですよね。
実際は京都だけではなく、全国にわたって禅寺はあります。
今回は禅寺とはどんなお寺なのか、また禅宗にはどんな宗派があるのかについて、簡単に説明します。
禅寺とは?他の寺院と違うの?
(禅寺は禅宗の寺院)
①禅寺とは?
・・・座禅により悟りを得る修行をする禅宗の寺院です。
禅宗以外の宗派で、座禅を行わない寺院のことを禅寺とは言いません。
ここが他の寺院と大きく違うところです。
②禅寺と呼ばれるのは?
・・・日本の寺院では、「臨済宗、曹洞宗、黄檗宗」の寺院が禅寺と呼ばれています。
禅寺では、一般の方の座禅修行や法話会、宿泊しての座禅の仕方や作法を学び規則正しい生活を行うという活動をしている寺院もあります。
興味のある方は、体験することをおすすめします。
参考として、曹洞宗の「座禅のできるお寺検索」公式サイトをご紹介します。
アドレス:https://www.sotozen-net.or.jp/searchsystem_zazen
禅宗とはどんな宗派なの?
(禅宗という宗派は無い)
①禅宗は3つの宗派がある
・・・禅宗という言葉自体は、仏教の話題の中では良く出てくる言葉なので、禅宗と言う仏教の一派と思われがちですが、厳密にいうと禅宗という宗派は存在しません。
禅宗とは、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗の3つの宗派の総称として使われる言葉なのです。
例えば、リンゴやオレンジなどの果実のことを「果物」と呼びます。
でも、「果物」と言う名前の果物は、実際にはありません。
それと同じように、曹洞宗などをまとめて禅宗と呼ぶことはあっても、宗派としての禅宗は無いのです。
ちょっとややこしいですよね。
禅宗と言われる3つの宗派を簡単に説明すると?
禅宗は達磨大師がインドから中国に伝えたものが基点となりますが、座禅をすることで悟りを得るというものです。
その座禅をする宗派として日本では3つの宗派がありますが、簡単に説明いたします。
①曹洞宗(そうとうしゅう)
・・・鎌倉時代に中国に渡った「道元」により伝えられ永平寺を開山し、「瑩山」が総持寺を開山し世の中へ広めました。
そのため一つの宗派ですが「永平寺と総持寺の二つの大本山があります。
曹洞宗で行う座禅は「修証一如、只管打坐」と言い、「悟りを目指して座禅をするのではなく、座禅の姿そのものが悟りの姿」と教えます。
曹洞宗の座禅は壁の方へ向いて行います。
曹洞宗は地方豪族や一般大衆の支持を集めていました。
②臨済宗(りんざいしゅう)
お祖師様方の言葉や行状を収録した「公案」と取り組んで座禅の修業を行い、悟りを目指します。
臨済宗の座禅は、通路の方へ向いて行います。
③黄檗宗(おうばくしゅう)
・・・曹洞宗や臨済宗のように鎌倉時代ではなく、江戸時代に来日した「隠元隆琦」を開祖とした黄檗山萬福寺が本山です。
お経を唱えるときに木魚を叩くのは黄檗宗が伝えたと言われています。
(まとめ)
よく座禅のシーンをテレビなどで見ることがありますが、全ての寺院で座禅をするわけではなかったのですね。
実は、禅宗だけが座禅を行なっていたのでした。