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神道では、神棚がある家で身内が亡くなった場合には、神棚封じをしなければなりません。
これは、神棚にいる神様に死という穢れを近づけないようにするためです。
この神様封じは、毎年あるというものではなく、不幸があったとき以外には行わないことなので、どのようなものか知らない人も多いです。
今回は、神棚封じをする必要のある身内の範囲はどこまでか、白い紙を貼る理由はなにか、封じる期間はいつまでなのかという疑問にお答えします。
また忌中の期間中に、神棚封じをするのを忘れていたと気づいた場合に、残りの期間をどうするかについても併せて解説します。
神棚封じを行うのは、どの関係まで?
(身内の範囲と神棚封じ)
神棚封じを行うには、基本的に次を参考としてください。
①身内の範囲は同居か2親等
・・・同居の家族のほか、同居でなくても2親等(両親・子供・兄弟・姉妹・祖父母・孫)が一般的です。
②配偶者の2親等も身内
・・・配偶者の2親等(自分からみて義理)も身内です。
忌中の範囲は、配偶者も直系として考えるのが自然と言われています。
3同居ではない身内
・・・同居ではなかったとしても、その家で故人を葬儀に出すときは、その家が神棚封じの対象となります。
例えば長い間病院に入院していた義理の親とか、実家の親の葬儀を実家ではなく自宅でする場合は自宅の神棚が対象です。
④神棚がある場合のみ神棚封じを行う
・・・当たり前ですが神棚封じをするのは、神棚がある場合です。
⑤身内以外に親密度で行う
・・・2親等内でなくても、親密度によって行っても問題はありません。
例えば、故人に大変お世話になって家族同様の付き合いがあった人や、特に仲の良い友人、兄弟同様に育った親戚などがあります。
(行わない場合)
・2親等内でも行わない場合
・・・逆に2親等内であっても日頃交流が全くない、葬儀に関して誰からも連絡がないなど、付き合いがとても薄い関係などの場合、神棚封じを行わないこともあります。
神棚封じはいつまで?神棚を白い紙で隠す理由は?
(基本的な流れ)
基本的な流れとしては、次を参考にしてください。
①報告
・・・神様に身内の誰が亡くなったかを報告します。
②付属物を下げる
・・・神棚から米や酒などのお供えものなど付属物を全て下げます。
③白紙を神棚に貼る
・・・扉を閉めて、白い半紙をテープなどで神棚に貼ります。
画びょうや針など尖っているもので貼らないようにします。
④貼る場所
・・・正面から神棚を隠すような場所を選んで、白紙を張るようにしてください。
⑤封じる期間
・・・故人が亡くなってから50日間(神道における忌中)。
仏教の49日とはまったく関係ないので、間違わないようにしてください。
また、仏教である仏壇は神様封じ的なことは行わないので、線香やろうそくを立て普段通りお参りして構いません。
⑥何もしない
・・・50日間は、神棚に対して何もしない決まりなので、お参りもお供えもしなくて良いです。
⑦神棚封じは他人がする
・・・基本的に神棚を封じるのは、故人との関係(穢れが深さ)が浅い葬儀屋さんや他人に行ってもらうのが良いのです。
しかし近年では、塩で穢れを落として、他人に頼まないでいち早く家族が行うのも多くなっています。
(白紙を貼る)
①神様から穢れを遠ざける
・・・神棚に白い紙を貼るのは、神様に穢れを見せないためです。
白という色は、神道では穢れの無い色と言われていますで、白い紙であれば半紙やコピー用紙でも良いです。
白紙については、深く考えなくてもよろしいです。
神棚封じをするのを忘れたらどうする?
(残りの日はどうする)
封じ期間は身内が亡くなってから50日間(地方によって祖父母は30日間)とされているので、その間は穢れから神様を遠ざけます。
神棚を設置している家では、本来は身内が亡くなったらすぐに神棚封じをしなければなりませんが、ついうっかり忘れていたということは、結構あることです。
でも、もう忌中に入ってから何日も経ったので、もういいのではと勝手に思ってはだめですよ。
①50日間を過ぎていない場合
50日間が過ぎていないなら、残りの期間だけでもしっかり封じましょう。
そのまま放置していると、神様がどんどん穢れていくだけで、そのため災いが起こらないとも限りません。
忘れていた場合は、神様に「失礼したしましたお許しください」と一言謝ってから、残りの期間の神棚封じを始めてください。
②神棚封じを忘れた場合
・・・つい忘れて50日を過ぎていた場合は、その後に神棚封じを行う必要はありません。
神様に忘れていたことを謝り、神棚をきれいに掃除してお参りしてください。
まとめ
神棚封じは神棚のあるお家で行うものなので、近しい身内が亡くなっても神棚が無い家では行う必要もないし、新たに神棚を購入する必要はありません。
でも、神棚のあるお家では、しっかり神棚封じを行うようにしてくださいね。