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車検は、車両の安全性や環境保全の観点から定期的に行われる点検です。
普段から車の整備をしっかり行っている人は、車検にはあまり心配がないかもしれません。
しかし、車を少し改造したり、お気に入りのパーツを取り付けたりすると、車検に通らないこともあるので、注意が必要です。
ディーラー車検では、事前に車検に通らない部分を指摘されるため、改造やカスタマイズのある車でも問題なく車検を受けることができます。
しかし、ユーザー車検の場合は、車検の全項目を自分でチェックする必要があります。
つまり、車検に合格するには、その前に自分で問題を発見して対処する必要があります。
車検に通らない原因の一つに、車種ごとに異なる全長、車幅、車高の基準が設けられていることが挙げられます。
改造や付属品によってサイズが変わると、車検に通らなくなる場合があるので、車の全長、車幅、車高の基準について正確に把握することが重要です。
今回は、車の全長・車幅・車高の基準と、車検に通る長さのチェックについて解説します。
車の全長の測り方は?車種別による車検に通る適正な数値は?
(車検を確認)
車検証には、その車の全長・車幅・車高の数値が記載されています。
しかし、車検においては、実際に車の全長を測定することはほとんどありません。
①車の全長は測らない
・・・一般的なディーラー車検やユーザー車検で、検査場で車の全長を測ることはほとんどありません。
この理由としては、検査員が毎日車検を行なっているため、経験豊富であり、感覚的に車の全長が基準どおりかどうかわかるからでです。
②検査官は視認している
・・・車検場の検査では、検査員が車を視認し、全長が基準どおりかどうかを確認します。
もし違和感や異常が見られた場合には、専門の測定機によって全長を測定することがあります。
このように、車検においては、車の全長を測定することはほとんどありませんが、検査員の経験や専門の機器によって、車の安全性や基準適合性を確認しています。
(通常の車検に通る適正な数値)
①全長
・・・軽・小型車±3㎝、普通・大型±3㎝
②全幅
・・・軽・小型車±2㎝、普通・大型±2㎝
③高さ
・・・軽・小型車±4㎝、普通・大型±4㎝
④車高
・・・軽・小型車・普通9㎝以上、アンダーカバー装着車5㎝以上
⑤重量
・・・軽・小型車±50キロ、普通・大型±100キロ
これらの数値をクリアできなければ、車検は通りません。
車検をクリアするには、基準に合わない場所を基準内の数値に戻す必要があります。
⑥基準を超える車は構造変更申請
・・・基準を超える車を車検に通すには、事前に陸運局へ「構造変更申請」を行わないといけません。
構造変更の審査は厳しく、審査結果も10日前後かかると言われていますが、審査に合格した後でないと車検は通りません。
⑦構造変更は車検が新規になる
・・・構造変更を伴う車検を受けた場合、一般的な継続車検ではなく、新規の車検となります。
つまり、車検の残存期間があっても有効期限は新しくなります。
そのため、次回車検までの有効期限は実質短くなり、注意が必要です。
構造変更申請によって、車検の手続きがより複雑になることがあるため、事前に必要な手続きを行うことが重要です。
また、構造変更によって、車両の性能が変化する可能性があるため、安全に配慮した変更を行うことが求められます。
車の車幅の測り方は?全幅にはドアミラーは含まない?
(車の全幅の基準)
車には全幅という表現がありますが、部品の全てを含んだものと思いがちですが、車体の一番広い場所のことであり、ドアミラーやアンテナは含みません。
①軽自動車
・・・1.48m以下
②小型車(5または7ナンバー)
・・・1.7m以下
③普通車
・・・四輪以上の小型自動車より大きいもの。1.7m~2.0m程度。
車の車高の測り方は?パーツはどうなるの?
(最低地上高とは)
車の天井部に当たる高さの標準値は、4㎝まで許容範囲なので、車高に余裕があることが多いです。
最低地上高とは、タイヤの接地する水平面から車の一番低い場所までの高さのことで、一般的な車は9㎝以上が目安とされています。
(最低地上高 測定方法)
最低地上高は、次の条件で測ります。
①空車状態
・・・人が乗っていないことや、荷物を積まない状態です。
②タイヤの空気圧が規定値
・・・付けているタイヤの規定値を確認します。
③水平面で測る
・・・舗装された平面で測ります。
④1㎝未満は切り捨て
・・・1㎝未満は全て切り捨てて、単位を「㎝」とし、残りの数字のみでチェックします。
一番低い固定された部分が9㎝あれば良いので、マフラーの消音機(タイコ)、デフケース、オイルパンなどまでの高さが9㎝あるのを確認できればオーケイです。
(構造変更に該当しない?)
また次のパーツについては、車の全長・全幅・高さなどの車検基準を満たしていれば、構造変更申請をする必要のないものがあります。
①外装
・・・エア・スポイラー、デフレクター、エアロパーツなど。
②内装
・・・オーディオ、カーナビ、無線機など。
③操作装置
・・・ハンドル、変速レバーなど。
④走行装置
・・・タイヤ、ホイールなど。
⑤排気装置
・・・マフラー、排気管など。
まとめ
車検を通すには寸法の基準内であることが必要ですが、車体の構造変更をしないかぎり車検に不合格になることはありません。
安心して車検を受けてください。