子供が小学校へ入学するときのイメージと言えば、背中にランドセルを背負っている姿を思い浮かべる人は多いと思います。
そして入学の時期になると、各デパートやショップなどで、可愛く華やかなものや、ちょっと恰好良いランドセルが色々並んでいるのを見かけます。
しかし世間の中には、小学生にランドセルを義務化するのはおかしい、また高額なので廃止した方がよいという意見もあります。
でもそのように、小学校でランドセルを使うことは義務化されているのでしょうか。
またランドセルを買う必要性があるのかについて解説します。
小学校でのランドセル使用は義務化されていない?
結論をいうと、小学校でのランドセル使用は、規則や教育委員会で決めているわけではなく、義務化されてはいません。
ただし、私立の小学校などでは、制服やランドセルなどを学校のオリジナルで統一している小学校もあります。
それはそれで、その制服やランドセルに憧れる子供もいるようです。
また、学校が選んだランドセルやリュックなどを、推奨していることはあります。
でも、基本的にほとんどの小学校で通学に使うバッグは自由となっているので、強制的にランドセルを使うように指導してはいないのです。
公立の学校であれば、ランドセルを強制しているのかどうか、その地域の教育委員会や小学校に訪ねてみることをおすすめします。
小学生がランドセルを選ぶのは多い?
カバンは自由にも関わらず、ランドセルを選ぶのはなぜなのでしょうか。
その理由は、小学校で使用するカバンは次の条件で選ぶことが多いことと言われています。
①両手が自由なもの・・・前に転んだ時に、すぐに両手で自分をかばうことができる。
②体の負担が偏らないもの・・・手提げカバンだと片方に負担がかかるので、体の姿勢が悪くなり背骨なども歪む恐れがあります。また、重い教科書を運ぶときに、リュックよりも肩ベルトの食い込みや動いているときの揺れが少なく安定しています。
③後ろへの安全性・・・クッション性があるので後ろへ転んでも、直接後頭部をぶつかるのを防ぐことができます。
④教科書を保護する・・・教科書などがつぶれない強度があり、汚れることもなく雨が降っても濡れません。
⑤水に浮く素材・・・何かの原因で水に落ちることがあっても沈まず、水に浮いていると拾いやすいです。
これらの条件を果たすことができれば、ランドセルでなくてもリュックやカバンで問題はありませんが、ランドセルが一番これらの条件にマッチしているようです。
また、現在でも小学生はランドセルというイメージが強いですね。
そのため、小学校へ入学するときには約9割の家庭ではランドセルを購入しています。
ランドセルを買う必要性はあるの?
ランドセル否定派と肯定派の意見を比べてみましょう。
(否定派の意見)
①ランドセルは高価なものが多い。
②容量が小さくてちょっと大きな物は入らない。
③重たい。
④長く使うことができない。
(肯定派の意見)
①長く使えるし丈夫なので高価なのは当たり前。でも現在は価格が安いのもある。
②容量が大きいサイズもある。
③重たいものばかりではなく、軽量タイプの商品もある。
④周りが皆ランドセルを使用しているので、仲間外れにならないようにランドセルを使っている。
このように耐久性や重量、価格など比較している面は同じでも意見がまったく異なる場合があり、まさに見解の相違ですね。
ランドセルを買う必要があるのかというと、買う必要はありません。
しかし、リュックを使いたいからランドセルを買うのはおかしい、間違っているという意見は自分勝手な意見です。
あくまで、ランドセルを買うかどうかは、使う子供本人と家族が話し合って決めるべきだと考えます。
ランドセルは重たい?リュックだと軽くて良い?
ランドセルの重さは一般的な商品で1.2kg~1.4kg、軽量タイプでは1.1kgの商品もあります。
小学生の持ち運ぶ教科書の重さは、小学一年生で約3.6kg~小学六年生で約5.5kgなので、合計重量は約5kg~約7kgとなってしまい、この重さは子供の身体には結構な負担になります。
本来子供の身体を考慮して、首や肩、腰の負担を考えると子供の体重の10~20%以内にすべきと言われています。
そうすると教科書を入れたランドセルを5kgとすると、小学一年生(体重21kg)で約24%になってしまいます。
そして、ランドセルより軽いリュック(600g)にしても、教科書を入れると4.2kgであり約20%になりリュックにしても、子供の身体には大きな負担です。
結果的には、持ち運ぶ教科書が重くなったので、ランドセルでもリュックでも制限値をオーバーしてしまうのです。
ランドセルが重い、リュックが軽いなどという論争よりも、子供の教科書を毎日持ち運ぶ、現在の小学校の姿について、学校側も保護者側も考えなくてはならないのではないでしょうか。
何とか良い方法を実践してほしいところです。