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「点字」とは視覚障がい者が、指先の触覚で読み取る文字・数字のことを言い、英語、アラビア語、日本語、中国語、ハングル、ギリシャ語など多くの国が使用しています。
その点字については、国によって使われている言葉に合わせて改良し、使いやすくしているものもあります。
小学生の人気検索サイト「ヤフーキッズ」では、人物検索ランキングで点字に関係する「ルイ・ブライユ」という人物が2015年~2019年まで連続5年間1位になっています。
小学生が興味を持っているルイ・ブライユという人物は、何者なのでしょうか。
また点字を考えた人、作った人は一体誰なのでしょうか。
これらの疑問についてお答えします。
点字の歴史を学ぶのは小学生から?
(ルイ・ブライユを検索する理由は?)
世界的に有名とか人気のある人なら聞いたことがありますが、「ルイ・ブライユ」という人物を知っている大人は、かなり少ないと思います。
①ヤフーきっずで検索1位
・・・それほど知名度が高いというわけではないのに、「ヤフーきっず」で5年連続して人物検索1位になるとは、これは気になりますよね。
②国語の勉強のため
・・・小学生がルイ・ブライユを検索して調べている理由は、国語の勉強のためなのです。
③小学校で点字との関わりを学ぶ
・・・小学校4年になると教科書の中で「手と心で読む」という教材がでてきます。
その中で点字を知り、身近なところにある点字を気づかせ、点字による視覚障がい者との関わりを学びます。
点字の本を触ることや、体験活動として街中の施設で使用されている点字を調べることも、学習計画の一環です。
点字について学習したことを感想文として提出することもあるようですね。
そしてその勉強の中で、点字を考え出したルイ・ブライユという人物について、どのような人か詳しく知りたくて、検索して調べているということです。
点字の歴史とは?点字を考えた人は誰?
(点字はイタリアから始まった)
点字についての主な歴史は次のとおりです。
1670年:点と線でアルファベットを表す文字を考案
・・・イタリアの「フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィ」が点と線を組み合わせて、アルファベットを表す文字を考案した。
3つ以内の点と3本以内の線で組み合わせたものです。
1819年:アルファベットを12点で表す文字「夜の文字」を考案
・・・「シャルル・バルビエ・ド・ラ・セール」がアルファベットを12の点で表す「夜の文字」を考案してフランス学士院、パリ大学、パリ盲学校に提出した。
1821年:「夜の文字」がパリ盲学校で採用
・・・夜の文字がパリ盲学校で採用になりました。この文字を基本に視覚障がい者の文字として利用できるか研究が続きます。
1825年:6点式点字を考案
1854年:パリ盲学校で6点式文字を採用
・・・パリ盲学校でブライユの6点式点字が正式に採用されます。
(点字を考えた人は?)
点字を考案したのは、フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィ、シャルル・バルビエ・ド・ラ・セール、ルイ・ブライユと3人います。
①6点式点字を考案した「ルイ・ブライユ」
・・・現在多くの国で普及している点字は、ブライユの6点式点字が基本なので、点字の考案者としては「ルイ・ブライユ」ということになっています。
点字を作った人は?
(シャルル・バルビエ)
バルビエはフランス軍の砲兵士官で、夜間でも命令を伝達できる暗号として12点式点字「夜の文字」を考案しました。
しかし、アルファベットを表すのに12点では複雑で読み取りにくいものでした。
指で触っても12点だと、きちんと判読できないこともありました。
軍隊でも採用されず、始めは使いにくいので受け入れてもらえませんでしたが、ほかに有効な点字が無かったので、フランス盲学校では採用されました。
(ルイ・ブライユ)
フランス生まれで3歳のときに事故で左目を負傷し、5歳で右目も交感性眼炎になり両目を失明しました。
フランス盲学校に入学したときに、バルビエの12点式点字と出会いましたが、当時の12点式点字には欠点がありました。
ブライユはその12点式文字を元に欠点を改良して、1825年に6点式点字を考案しました。
当時15歳で考案したというのですから、優秀だったのですね。
この6点式点字は現在世界で使用されていますが、ブライユが考案してからフランス盲学校で採用されるまで、実に29年もかかっています。
(石川倉次)
日本の教育者で、訓盲学校(現在:東京盲学校)の教師のときにブライユの6点式点字を元に日本語に対応できるように改良しました。
その後点字選定会で採用決定になり、全国各地の盲学校へ配布され日本点字になりました。
まとめ
バルビエの12点式点字からブライユの6点式点字になり、その6点式点字を元に石川が日本語対応に改良しました。
現在では公共施設や病院、商業施設などに多くの点字が使われています。
缶ビールの蓋など、思わぬ場所にも使われているので、探すと楽しいですよ。