お盆の時期になると、棚経のお礼として「お布施」をお寺さんに渡しますが、地域によってはお布施ではなく「お盆礼」と書かれたのし袋をお渡しすることがあります。
でも、自分が住んでいる場所や実家では、お盆礼の風習がないので、何のことかわからないという方も多いと思います。
人によってはお中元のようなものと言う人もいますが、棚経とお中元の関係がイマイチ理解できませんよね。
そこで今回はお盆礼とはなにか、お盆礼とお中元との違い、のし袋の色、お寺さんにいつ渡すのかなどの疑問についてお答えします。
お盆礼とお中元の違いは?
(お盆礼には二つの意味がある)
お盆礼については、主に次の二つの意味があります。
①お布施+お中元
・・・お盆の時期の棚経に対するお布施のことを言います。
棚経とは、お盆に仏壇や盆棚、精霊棚などの前で、お経を読んでいただくことを言います。
お盆の時期にお寺さんに渡すお布施ですが、日頃のご先祖さまや故人のご供養を感謝するため、この時期のお布施にはお中元の意味も加え、「お盆礼」と呼ぶ地域があります。お中元というよりお布施の意味が強いです。
通常のお布施より、少し金額が多いのが一般的です。
②お中元
・・・お盆やお盆前に、日頃お世話になっている親戚や知人の家に訪問や贈答をすることです。
お盆の時期なのでお中元とは言わず、「盆礼」「盆供」と呼ぶ地域もあります。
同じように贈るもので時期が異なりますが、歳末の時期に贈るものはお歳暮と呼ばれています。
(お盆礼とお中元との違いは?)
棚経にたいするお盆礼には「お布施+お中元」という意味もありますが、一般のお盆礼・お中元にはお布施の意味はないというのがお盆礼とお中元の違いです。
また一般のお中元は、関東では7月上旬~7月15日頃、関西では7月上旬から8月15日頃までに贈るものですが、7月中のお中元をお盆礼と呼ぶことはないようです。
お盆礼は、お盆の時期の棚経に対するお布施、またはお盆の時期のお中元と理解すると良いと思います。
お寺へのお盆礼ののし袋の色は
(お盆礼に使う袋は?)
棚経を務めてくれたお寺さんに渡すお盆礼は、基本的にお布施ですから、のし袋は市販されているお布施袋か、無地の白い封筒で良いです。
封筒の場合は、郵便番号が印刷されていないもの、中が二重になっていない封筒を用意してください。(二重だと、不幸が重なるという意味につながります)
(水引は付ける、付けない?)
水引には次の意味があります。
・未開封であることを示す
・魔よけ
・ひもを引いて結ぶことから、人と人を結び付ける
また水引には、ひもの付いているもの、印刷されているものがありますが、地域によって水引の色が黒白、黄白、紅白などがあり、使いかたも地域によって異なることがあります。
水引は地域の風習に従うのが基本ですが、周りに聞いてもよくわからない場合は、無地の白い封筒を使用することをおすすめします。
白封筒を使用することは、地域に限定されることがなく、日本中どこでも使えるのでおすすめです。
お盆礼の書き方とお盆礼を渡すのはいつ?
お盆礼として渡すときは、次のことを参考にしてくださいね。
(お盆礼の書き方)
①お盆礼の封筒を用意
・・・お布施用の袋または白無地の封筒を用意します。
②封筒の表の上段中央に「御盆礼」と書きます
・・・「御盆礼」でなく、「お布施」と書いても問題はなく、ほとんどのお寺さんは気にしません。
③下段に自分の氏名を書く
・・・住所を書くときは、裏面に書くようにしてください。
(お盆礼を渡すタイミングは?)
①読経の後が一般的
・・・基本は読経のあと、切手盆(黒塗りの小さいお盆)に乗せて、お寺さんへ渡します。
また、読経のあとに一休みするときでも良いですが、お盆の時期はお寺さんも檀家周りが忙しい時期で、一休みできない場合もあるので、素早く渡しましょう。
②直接手渡しはマナー違反
・・・・直接手渡しするのは、マナー的によくないので、基本は切手盆です。
お盆礼以外に菓子折りなどを渡す場合は、切手盆を使わないで菓子折りの上に載せて渡す方法もあります。
まとめ
お盆礼という言葉や意味は、全国的に統一されて使われているわけではないので、地域によってはまったく使われていないところもあります。
周りにお盆礼のことがわかる人がいなければ、一般のお布施の扱いをしていれば、問題ないかと思います。