車いすラグビーは、身体障害者の人々がチームで楽しめるスポーツの一つです。
健常者が行うラグビーと似ていますが、いくつかの異なるルールや装備を使用し、車いすを使ってプレーします。
このスポーツは、車いすを使用する人々にとって、体力、筋力、バランス感覚、そして協調性を養う上で非常に役立つものです。
また、チームの中で自分の役割を果たすことで、自己実現感を得ることができます。
今回は、車いすラグビーで使用するボールや、ルールの違い、反則行為などについて解説します。
車いすラグビーのボールの違いとプレーの特徴は?
(一般のラグビーボールとの違いは?)
①形状の違い
・・・一般のラグビーボールは楕円球ですが、車いすラグビーボールは少し小さくて球形です。
これは、バレーボールの5号球を基に作られているからです。
そのため、見た目はバレーボールの球です。
②使い方の違い
・・・一般のラグビーボールは楕円球なのでドリブル向きではありません。
車いすラグビーの場合は、ドリブルや一般のラグビーでは反則である前方へのパスもOKです。
(プレーの特徴は?)
車いすラグビーは、車いすを使用してプレーされる競技であり、パラリンピック競技としても知られています。
車いすラグビーのプレーには、主に次のような特徴があります。
①タックル
・・・プレーヤー同士が激しくぶつかり合いながら、相手の進行を止めるために、車いすでのタックルが認められています。
車いす同士が激しくぶつかりあうシーンは、迫力があります。
②プレーヤーと車いす
・・・プレーヤーは専用の車いすに乗り、ゲームをプレーします。
競技用の車いすは耐久性があり、衝撃を吸収するように設計されています。
③フィールドとチーム
・・・車いすラグビーはバスケットボールコートと同じサイズの屋内コートでプレーされます。
各チームは4人で構成され、それぞれのプレーヤーには役割があります。
チームは攻撃と守備の役割を切り替えながら、ボールを相手のゴールラインに運びます。
④ポイントシステム
・・・ポイントは、ゴールを決めることで獲得されます。
チームが相手のゴールラインを越えると、1ポイントが加算されます。
最終的に、ポイントの合計が多いチームが勝利します。
⑤フィジカルな競技
・・・車いすラグビーは非常にフィジカルな競技です。
プレーヤーは相手の進行を妨害するためにボディコンタクトを行い、ボールを奪い合います。
競技の中で接触が許可されており、適切なヒットやタックル技術が重要です。
⑥持ち点とルール
・・・車いすラグビーには、プレーヤーの機能レベルに応じて持ち点があります。
各チームのプレーヤーの合計ポイントが一定の制限内に収まるように構成されます。
車いすラグビーの主なルールは?
(主なルール)
①コートの大きさ
・・・縦28m、横15mで、バスケットコートと同じ大きさです。
一般のラグビーは、縦100m以内、横70m以内なので、かなり大きさは違います。
②チームは4人で持ち点制
・・・車椅子バスケなどと同じく、障がいの程度に応じて0.5(重度)~3.5(軽度)の持ち点が競技者の持ち点として決められます・
コート内でプレーするのは1チーム4人なので、4人の合計持ち点が8点移管でなければなりません。
チームに女子が入る場合は、合計点数は0.5点追加され、8.5点以下になります。
②試合時間
・試合は1ピリオド8分で、4ピリオド行います。
・第1、第3ピリオド終了時は2分間のインターバル。
・第2ピリオド終了時は4分間のインターバルをとります。
・4ピリオドが終了しても勝敗が決まらない場合は、3分間インターバルを取った後、3分間の延長を行います。
勝敗が決まるまでは、2分間のインターバルと3分間の延長を繰り返します。
③ボール運び
・ボールを持っている選手は、前方へのバスができます。
・何回も車いすを漕ぐことができます。
・膝の上に載せて運ぶことができます。
・ドリブルができます。
・ただし、10秒以内にバスやもう一度ドリブルを行わなければなりません。
・一度センターラインを超えると、センターライン内の自陣(バックコート)に戻すことはできません。
④時間制限
・・・ボールを持ってから、12秒以内にセンターラインを越えなければなりません。
また40秒以内にトライをしなければなりません。
⑤ゴール
・・・ボールを持っている選手が、車いすの前後4輪のうち2輪がゴールライン(2個のトライポスト間の8mライン)を超えるとゴール(得点)となります。
車いすラグビーの反則行為とは?
(反則行為とペナルティ)
車いすラグビーの反則行為に対しては、
①オフェンス・ファール
・・・ボールを持っているチームが反則すると、ボールの所有権は相手チームに移ります。
②ディフェンス・ファール
・・・ボールを所有していないチームの反則は、ファールを犯した選手に60秒のペナルティ(コート外のペナルティボックスで待機)などが科されます。
③ペナルティトライのペナルティ
・・・オフェンスチームがボールを所有してトライをしようとしている時に、ディフェンスチームが反則したときは、60秒ペナルティではなくペナルティトライがオフェンスチームに与えられます。
(主な反則行為は?)
反則行為は様々なものがありますが、その中からいくつかをご紹介します。
①チャージング
・・・積極的にプレーに参加していない選手や、コート上で動いていない選手へ、危険のある強烈な衝突をすること。
②フォー・イン・ザ・キー
・・・相手チームがボールを持っているとき、そのチームのキーエリアには、ディフェンス選手は3人までしか入れません。
③ホールディング
・・・対戦相手が自由に動くことを邪魔するために、手や体の他の部分を掴んだり抑えたりしてはいけません。
また、対戦相手を不利にするために、必要以上にもたれかかってはいけません。
④スピニング
・・・対戦相手の車いすの後輪軸よりも後方に、タックルしてはいけません。
⑤1メーター
・・・インバウンダー以外の全選手は、スローインが行われるサイドラインやエンドラインの地点から半径1m以内のスペースに入ることはできません。
まとめ
車いすラグビーは、ユニークなルールと特別なボールを使用します。
また、プレーヤーたちは協力しながら戦略を駆使し、熱い戦いを繰り広げます。
車いすラグビーの魅力に触れながら、その活気と情熱を障害の有無に関係なく、誰でも楽しめるスポーツです。
スピード感と激しさに満ちた車いすラグビーを、ぜひ一度観戦してみてください。
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