目上の人や知り合いとの日頃の会話の中で、「〇〇なので帰ります」と言う言葉を使うことがありますよね。
しかし、「なので」を敬語だと思って、目上の人などに使っていませんか?
実はその「なので」は敬語ではないので、目上の人などに使う言葉ではないのです。
このような表現は、日常的な会話での使用に限られるもので、正式な場面では適切ではありません。
今回は、「なので」を書き言葉や話し言葉で使うには、どんなときなのかについて解説します。
「なので」では敬語ではない?どんな時に使うの?
(「なので」の意味を知る)
「なので」は、断定を指す助動詞「だ」の連体形の「な」と、理由などを表す接続助詞「ので」が結合した言葉です。
例えば、「5時なので帰ります」というように、他の単語と結びつけて用いることができます。
「5時だ(なので)」と「帰ります」が結びついているわけですね。
つまり、「5時になった」という理由から「帰る」という結果が生じたという意味になります。
そのため「5時なので」という言葉は断定する言い方で、敬意を示す表現はないので敬語にはなりません。
「5時なので帰ります」⇒「5時になった」+「帰る」
一般的に口語やカジュアルな会話で使われることが多い表現です。
そのため、「5時なので」という言葉は、例えば上司や目上の人、ビジネスシーンなどで用いる場合にはふさわしくない言葉となります。
(「なので」は誰に使う言葉?)
一方で、「なので」は敬語ではないため、同僚や後輩など目下の人に対して用いる言葉となります。
同様な意味を持つ断定を表す言葉には、「だから」「ついては」「したがって」などがあります。
もし「なので」を敬語として使うには、断定した助動詞「だ」=連体形「な」を敬語として使うことば「です」に換えて「ですので」にすると良いです。
例としては、「5時ですので帰ります」とすると、敬語として有効です。
・話し言葉では「5時なので帰ります」
・丁寧語にすると「5時ですので帰ります」
以上のように、「なので」は、用いる相手や場面によって使い分けが必要な言葉であるため、適切な場面で適切な使い方をするように心がけましょう。
(「なので」の使う場合の例)
・今日は雨なので、外出を辞めます⇒意味「今日は雨だ」+「外出を辞める」
・忙しいので、後で連絡します⇒意味「忙しい」+「後で連絡する」
・体調が悪いようなので、欠席します⇒意味「体調が悪い」+「欠席する」
このように断定する言い方と結果になるので、敬語を使う場面や目上の人に対しては、より適切な表現に置き換えることをおすすめします。
わかりやすく伝える 言葉が武器になる時代の「伝える技術」 単行本
「なので」のように接続詞を書き言葉として使うには?
(「なので」を敬語に言い換える)
接続詞は文章をつなげる大切な役割を持っています。
その中でも、「なので」は、原因や理由を表す言葉としてよく使われます。
文章を書く際に「なので」を使いたい場合は、以下のように書くと良いでしょう。
①「なので」
・・・「会議中なので会えません」敬語に言い換えると「会議中ですので会うことができません」になります。
②「ついては」
・・・「その案件については、検討中です」を敬語に言い換えると、「その案件につきましては、検討中でございます」となります。
④「したがって」
・・・「立ち入り禁止です。したがって中へ入れません」敬語では「立ち入り禁止です。したがいまして中へ入ることはできません」となります。
「なので」を話し言葉から書き言葉にするには?
(「なので」を敬語に言い換える)
「なので」は、話し言葉ではよく使われる言葉ですが、書き言葉にする場合は敬語に直す必要があります。
以下の文例を参考に、「なので」を使った文章を書く際は敬語に直してみてください。
①雪が降りそうなので、帰ります
・・・「雪が降りそうですので、帰ります。」と書くと、より丁寧な文章になります。
②風邪ぎみなので、今日は行けません
・・・「風邪気味ですので、今日は行くことができません。」と書くと、相手に失礼のない文章になります。
③もう少しで着きそうなので、待ってください
・・・「もう少しで着きそうですので、お待ちください。」と書くと、相手に安心感を与えることができます。
④お時間なので、休憩します
・・・「お時間ですので、休憩に入りたいと思います。」と書くと、相手に敬意を示すことができます。
⑤出発時間なので、急いでください
・・・「出発時間ですので、お急ぎください。」と書くと、相手に緊急性を伝えることができます。
「言葉」が人生を変えるしくみ その最終結論。 (スピリチュアルの教科書シリーズ) 単行本
まとめ
文章を書く際には、相手に合わせた丁寧な表現を心がけましょう。
ビジネスシーンでは、言葉の使い方によって印象が良くなることもあれば、悪くなることもあるので、正しい言葉の使い方を身につけることが大切です。