ホームヘルパーとは、要介護者を自宅で見守る介護職員のことで、正式名称は「訪問介護員」です。
ホームヘルパーが自宅で行える介助には、身体介護、生活面での手伝い、通院支援などがありますが、医療行為は行えません。
しかし、介助か医療行為に該当するかはっきりしない場合もあり、現場で困ることもあります。
例えば、巻き爪の爪切りは医療行為にあたるのかなどです。
今回は巻き爪の爪切りは医療行為にあたるのか、またつめきりには一般的なものではなく、ニッパー型を使ってよいのかについて説明します。
ヘルパーはどんな仕事をするの?
(ヘルパーの主なサービス)
ヘルパーは主に3つのサービスを行います。
①身体介護
・・・食事、排泄、着替え介助、おむつ交換、入浴、トイレへの移動、床ずれ予防の体位変換介助、服薬介助など。
②生活介護
・・・要介護者が一人暮らしの場合、掃除、洗濯、調理、買い物、薬の受け取りの援助、身体に直接触れない範囲の身の回りの世話。
要介護者以外の用事や日常的な家事でないことは、生活介護には該当しません。
③通院介助
・・・要介護者が医療機関に通院する際の送迎です。
あくまで通院のケアなので、待合室や診察室への付き添いは行いません。
医療機関内は、看護師や医療機関のスタッフが対応することになります。
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ヘルパーは医療行為をすることはできない
(ヘルパーは医療行為ができない)
医師、歯科医師、看護師等の免許を有しないものは、医療行為に該当する行為は関係法令により禁止されています。
そのため、ヘルパーは医療行為に該当する行為はできません。
介護現場で行う行為の中には、医療行為に該当するものもあり、また該当するのか疑義が生じているものもあるので、医療法の中で医療行為でないものを列記されていますので、参考にしてください。
参考:
(医療行為に該当しないもの)
爪切り関係についてピックアップしたものです。
原則的には医療行為に該当しませんが、要介護者の健康状態によっては行わないようにしましょう。
①爪そのものに異常がない
・・・健全な爪を切る行為です。
②爪の周囲の皮膚に化膿や炎症がない
・・・爪の周囲に化膿や炎症がある場合は、悪化させる恐れが大きいので、爪切りしてはいけません。
③糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない
・・・糖尿病の場合、爪に栄養が行きわたらないので、正常に伸びず巻き爪になることがあります。
上記条件を満たした場合は、爪切りや、爪ヤスリで削ることができます。
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ヘルパーが巻き爪を切るのは医療行為になる?
(巻き爪は変形した爪)
巻き爪とは、爪の端が内側に巻き込まれた変形した爪のことです。
爪の異常である巻き爪を切る場合は、医療行為として扱われる場合と、そうでない場合があります。
(医療行為に該当する場合)
①極端に変形している
・・・極端に変形していると爪自体を切るのが難しいので、爪周りを傷つける恐れがあります。
②爪周りが炎症または化膿している
・・・無理して爪を切ることで、症状を悪化させる恐れが強いです。
また既に爪囲炎(そういえん)を起こしていることが多いので、爪を切る前に病院で治療を受けることをおすすめします。
(医療行為に該当しない場合)
①軽い巻き爪で回りが炎症していない
・・・巻き爪の症状がみられるが、周りに炎症や化膿が見られない場合。
②医者や看護師から医療行為に該当しないと判断されている
・・・一般の爪切りと同様に爪を切ることができますが、基本的にスクエアカットで爪切りをしましょう。
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ヘルパーは、爪を切るときニッパーを使用できる?
(爪切りの主な種類)
①グリップ型
・・・一般的な爪切りで、軽い力で爪を切ることができます。
②ニッパー型
・・・爪をそぎ落とすようにカットするタイプです。
爪に負担がかかりにくいので、変形した爪、割れた爪、薄い爪などを切ることができます。
③はさみ型
・・・赤ちゃんや幼児などの柔らかい爪を切るのに適しています。
④電動型
・・・爪切りというよりも、爪を削るといったほうが正しい表現だと思います。
電動型は赤ちゃんからお年寄りまでの爪を切ることができます。
ただし、少しずつ削るので他のタイプより時間はかかります。
(ニッパーは医療行為に該当しない)
医療行為に該当するのは爪の状態などであり、使用する爪切りが該当するものではありません。
そのため、ヘルパーが爪を切る際にニッパーを使用するのは問題ありません。
(介護現場ではニッパーが多い)
介護現場で爪を切るには、少しずつ安全に切る必要があるため、刃の可動域が広く、爪先が良く見える、硬い爪や厚い爪にも対応できるニッパー型が多く使われています。
まとめ
ヘルパーは一般的な爪切りをすることができますが、医療行為に該当する爪切りはできません。
そのため、巻き爪の爪切りは基本的に行えませんが、医師や看護師などの指導を受けた行為であれば医療行為補助として認められているものもあります。