希釈とは「何かの液体(濃縮液)」に「何かの液体(一般的には水)」を加えて薄めることを言います。
よく見かけるのは、濃縮液や原液を使用するときは「水で○倍に希釈して使用してください」と説明文書に表示されているものです。
例えば、人気飲料水のカルピスのような濃縮された原液に水を加えることも、牛乳や炭酸を加えることも希釈になります。
他にも「めんつゆ」を作るときに、そのままではショッパイので、水を加えて薄めて使うのも希釈です。
料理のレシピなどでは、一般的には水を加えますが、化学などの用途では水以外のものを加えることもあります。
今回はその希釈について、2倍や3倍、または5倍などと表示されているときに、どの程度の水の量が必要なのか、簡単に計算する方法についてわかりやすく解説しますので、参考にしてくださいね。
希釈するときに間違えやすいことは?
(間違えやすい水の量)
希釈する上で、よく間違えやすいのは、加える水の量です。
①2倍の希釈・・・原液100ccだとすると、水を2倍の200cc加える。
②3倍の希釈・・・原液150ccだとすると、水を3倍の450cc加える。
これらのように原液に対して、単純に希釈倍数の水の量を単純に加えてしまうことです。
(正しい水の量はこちら)
①2倍の希釈・・・原液100ccに水を100cc加える
②3倍の希釈・・・原液150ccに水を300cc加える
このように希釈の解釈を間違うと、まったく違う濃さになるので注意してくださいね。
原液を希釈する目的は何?
(濃縮された原液を濃縮前に戻すこと)
食品レシピなどで、加工されて濃縮された原液を3倍、4倍などに希釈するということは、濃縮する前の元々の液に戻すという意味でもあります。
そのため希釈して出来上がった希釈液は、希釈倍数が違っても基本的に濃縮する前の同じものができ上ると考えてもよいでしょう。
(濃縮濃度が違っても希釈すると同じになる)
3倍に濃縮された原液も、4倍に濃縮された原液も、それぞれ3倍、4倍に希釈することで同じ程度の濃さに戻ります。
ちなみに3倍よりは4倍に濃縮された原液のほうが、薄める水の量が多くなります。
(農薬などは濃度を薄めるため)
農薬や肥料系栄養剤のなかには、1000倍とか1500倍に希釈して使用すると説明されているものもあります。
農薬などは食べ物などと違い、原液をそのまま使用すると植物や人体に危険なので、極端に薄めて使用するものです。
食べ物関係の希釈倍数とは桁違いですね。
希釈の簡単な計算方法は?
(○○倍の希釈の計算式は?)
①希釈倍数○○の溶液量を作る場合
原液量×希釈倍数=完成する溶液量
加える水の量=完成する溶液量-原液量
(○○倍の希釈の場合は?)
原液を200ccとして、原液200ccの○○倍の希釈液をつくるには、次の水量が必要となります。
①希釈倍数2倍・・・原液200cc 水200cc
200cc×2=400cc
水の量=400cc-200cc=200cc
②希釈倍数3倍・・・原液200cc 水400cc
200cc×3=600cc
水の量=600cc-200cc=400cc
③希釈倍数4倍・・・原液200cc 水600cc
200cc×4=800cc
水の量=800cc-200cc=600cc
④希釈倍数5倍・・・原液200cc 水800cc
200cc×5=1000cc
水の量=1000cc-200cc=800cc
⑤希釈倍数10倍・・・原液200cc 水1800cc
200cc×10=2000cc
水の量=2000cc-200cc=1800cc
(1000ccの希釈液を作る場合)
1000ccの希釈液を作る場合に、原液と水の量は次になります。
①希釈倍数2倍・・・原液500cc 水500cc
1000cc÷2=500cc
1000cc-500cc=500cc
②希釈倍数3倍・・・原液333cc 水667cc
1000cc÷3=333cc
1000cc-333cc=667cc
③希釈倍数4倍・・・原液250cc 水750cc
1000cc÷4=250cc
1000cc-250cc=750cc
④希釈倍数5倍・・・原液200cc 水800cc
1000cc÷5=200cc
1000cc-200cc=800cc
「めんつゆ」を希釈する場合は?
濃縮された「めんつゆ」が80ccあり、3倍に希釈すると希釈液と水の量は次のようになります。
①希釈倍数3倍・・・原液80cc 水160cc
80cc×3=240cc
240-80cc=160cc
このように原液を○倍に希釈したいときの原液量と、加える水の量の計算は簡単にできると思います。
まとめ
原液を希釈する計算は簡単なので、あまり深く考えないようにしましょう。
また、めんつゆなどを作るときは、説明どおりに希釈するのも良いですが、作る方のなかには自分で希釈倍数を調整して、自分好みの味にして食べる方も多いようです。