プロジェクターは会議や講義、研修資料などの表示に使われるイメージがあります。
最近は自宅でも映画館並みの迫力ある映像を楽しめるため、ビジネス用だけではなく、家庭用でも人気が高まっています。
家庭用プロジェクターを購入するとき、ルーメンとansiルーメンの2つの明るさ単位があるので、どちらを選べば良いか迷う人もいると思います。
そこで今回は、この2つの単位の違いと、どこを比較すると良いのか、同じ単位に変換して比較することができるのかについて説明します。
プロジェクターでのルーメンとansiルーメンの違いは?
(ルーメンとはなに?)
①明るさの単位
・・・ルーメン(lm)はLEDの明るさの単位で、数値が高いほど発する光は明るくなります。
②W(ワット)に代わり、ルーメンがほとんど。
・・・ルーメンは過去に使用されていた白熱電球などの消費電力(W:ワット)に代わり、使用されるようになりました。
現在では照明関係のほとんどは、ルーメン表示になりましたが、このルーメンには世界的に統一された基準がないので、商品に表示されている数値はメーカーが発表する公表値となっています。
メーカーが独自に設定した数値ということです。
③メーカーによって明るさが違う?
このため、例えばA社の2000ルーメンよりB社の1800ルーメンの方がなんとなく明るいような気がするという問題が生じています。
LEDの性能にもよりますが、同じ数値でも発光する光の色温度によって明るさの感じ方は変わってきます。
(ansiルーメンとはなに?)
多くのメーカーの表示するルーメン値は、実際の明るさで数値が同じでも違いがあるとの苦情が多くありました。
これはメーカーごとに異なる測光方法を使用していたためで、消費者にとっては商品の明るさを正確に比較することが難しい状況でした。
①anaiルーメンは統一された数値
・・・このような問題を解決するために、アメリカ国家規格協会(ANSI)は明るさを計測する測光方法と計測条件を統一した基準を策定しました。
ansiルーメンはこの標準に従って測定された数値です。
②メーカー間で明るさの比較ができる
・・・ansiルーメンは同じ基準で測光するため、メーカー間でも極端な違いはなく、正確に商品の明るさを比較することができるのです。
(ルーメンとansiルーメンの違いは?)
①メーカー独自か世界統一基準か
ルーメンとansiルーメンは明るさの単位ですが、メーカーごとに異なる数値と世界共通の基準に基づく数値との違いがあります。
概して、ansiルーメンのほうが正確な明るさの数値だと思われます。
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ルーメンとansiルーメンは、どこを比較すると良いのか?
(ルーメンとansiルーメンは混合で販売されている)
ansiルーメンの方が標準化されているにも関わらず、現在でも多くの商品はルーメン表示しており、混在したまま販売されているのが現状です。
表示されている数値を比較すると、例えば同じ明るさを示す数値であっても、2000ルーメンと200ansiルーメンというように極端な差があります。
①高い方の数値を表示するメーカーがある。
.・・・200ansiルーメンより2000ルーメンと表示した商品の方が、イメージ的に明るいと思う人が多く、メーカーもルーメン表示の方が数値を高く表示できるので、あえてansiルーメンで表示しないメーカーもいるようです。
(ルーメンの計測方法は?)
プロジェクターでスクリーンを映したときには、当然中心部は明るくて周りは中心部分よりは暗くなります。
ルーメンは基準が無いので、メーカーによっては商品の中の明るい部分だけの数値を表示して、暗い部分を無視していることもあるのです。
数値が高いからといって、スクリーン全体が明るいとは限りません。
不正ではないにしろ、良いとこ取りということです。
(ansiルーメンの計測方法は?)
プロジェクターの明るさの基準だけに使用されている単位です。
アメリカ国家規格協会が定めた規格により、9分割されたスクリーンの各中心部の明るさを対象として計測しています。
9分割された明るさの平均を計測しているので、スクリーン全体の平均の明るさと言えます。
(数値の比較は難しい)
結果的にルーメンは平均値ではなく、計測する基準が異なるので単純比較はできません。
一番明るい数値と平均数値を比較しても、実際の明るさの比較は難しいということです。
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ルーメンとansiルーメンは、変換して同一単位で比較できるのか?
(変換して比較することはできません)
ansiルーメンは、9分割したスクリーンの中心部分の明るさの平均値です。
しかしルーメンは基準がはっきりせず、各メーカーの表示している明るさがどの位置なのかもわかりません。
同じ部分、同じ条件での単位ではないので、ルーメン表示しているメーカーで同じ2000ルーメンと表示していても、全体の明るさが違うことはあり得るのです。
このように基準が異なる単位のため、ルーメンをansiルーメンに変換することはできないのです。
(どのように比較すると良いのか)
結論として、ルーメンとansiルーメンを比較することはできません。
ただし、おおまかなイメージですが、ルーメンの1/10がansiルーメンと同じ程度と言う方もいますが、あくまでも一つの参考程度と考えてくださいね。
(どの程度の明るさが良い?)
ルーメンもansiルーメンも数値が高いほど明るいのは同じですが、選ぶ明るさは部屋の大きさや明るさにもよります。
100インチ程度のスクリーンだとして
・暗所の場合・・・2000ルーメン以上、200ansiルーメン以上
・明るい所の場合・・・10000ルーメン以上、1000ansiルーメン以上
ただし、明るさの感覚は個人差があるので、あくまで参考としてくださいね。
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まとめ
プロジェクターのルーメンとansiルーメンは、単位内容が異なるので簡単に変換して比較検討することはできません。
明るさを比較するときは、ルーメン同士やansiルーメン同士のように、同じ単位のものを比較することをおすすめします。