家族葬とは、近親者だけで行う小規模な葬儀のことです。
参列者が少ないので接待の手間がかからないことや、ゆったりと身内で故人を偲ぶことができるので、近頃では家族葬で葬儀を行うことが増えています。
一般的に家族葬では参列者を限定しているので、弔電や供花などを辞退することで、参列者の手間を省くことがあります。
また、家族葬で弔電や供花を辞退する場合、故人が会社勤めであれば、会社や関係者への配慮も必要です。
今回は、家族葬の場合に会社関係者への弔電や供花を辞退する際のマナーや文例、注意点、会社への配慮について解説します。
家族葬が増えた理由と家族葬の内容は?
(家族葬が増えた理由は?)
以前は、不特定多数の参列者を迎えるために大きな会場やお寺を用意することや、会社や町内会などが主体となって葬儀を行うのが主流でした。
しかし、不特定多数または大人数の場合、香典も多く集まりますが、会場費用、通夜振る舞い、飲食代、参列者へのお礼、世話役へのお礼などの費用もかかります。
そして、参列者が多くても香典以上の葬儀代がかかり、赤字になることが多い傾向がありました。
そこで、現在では葬儀内容も変化し、小規模の会場や少人数での葬儀も増え、遺族側にしても儀式的な大人数の葬儀から近親者で行う、少人数の葬儀が増えてきたというわけです。
(家族葬の内容)
①一般の葬儀よりも費用は少ない
・・・少人数のため、飲食費やお返し、接待費などの費用を抑えることができます。
また、会場も小規模で行うので、会場費も安く済みます。
②身内で行うので、気を配らなくて済む
・・・身内や近親者のみで葬儀を行うので、多人数の参列者に気を配る必要がなく、遺族の精神的負担が軽減されます。
③故人とゆっくり別れができる
・・・多人数への挨拶や応対が必要ないので、落ち着いて故人とお別れができます。
④宗教的儀礼に従わなくてもよい
・・・一般的な葬儀と同じ内容で葬儀を行うこともできますが、家族や近親者だけで行うので葬儀の自由度が高くなります。
例えば、故人の好きだった音楽を流すことや、思い出の品を飾り付けること、僧侶を呼ばないで、食事会のみで葬儀を行うこともできます。
⑤香典、弔電、供花を辞退する場合がある
・・・儀式的な義理の会葬を必要としないため、参列者以外の会葬、香典、弔電、供花などを辞退することが多いです。
家族葬で弔電や供花を辞退する際の、マナーと文例、注意点は?
家族葬では、弔電や供花を辞退することがあります。
この場合、以下のマナーや文例に従うことが重要です。
(家族葬で弔電、供花辞退のマナー)
①弔電の辞退マナー
・・・直接電話や手紙でお断りすることが好ましいです。
辞退の理由を丁寧に説明しましょう。
例えば、家族葬においては、親しい方々とのみ行い、他の方からの弔電はお断りする旨を伝えることが適切です。
辞退の際には、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
(文例)
拝啓
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、○○(故人名)が、○月○日に永眠いたしました。
故人の遺志により、弔電・供花のご厚意は辞退させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
敬具
②供花の辞退マナー
・・・直接電話や手紙でお断りすることが望ましいです。
供花を辞退する理由を丁寧に説明しましょう。
例えば、家族葬では、特定の供花のみを用意し、他の供花はお断りする旨を伝えることが適切です。
辞退の際には、配慮と感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
(文例)
拝啓
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、○○(故人名)が、○月○日に永眠いたしました。
故人の遺志により、供花のご厚意は辞退させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
敬具
③注意点
・・・弔電や供花を辞退する場合は、早めに辞退の意向を伝えましょう。
葬儀の日程が決まり次第、速やかに伝えるのがマナーです。
適切なタイミングで連絡をすることで、お相手に不快な思いをさせずに済みます。
辞退の際には、丁寧かつ感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
家族葬は故人との最後の別れであり、お悔やみの気持ちを大切にすることが求められます。
以上のマナーや文例、注意点を守ることで、家族葬での弔電や供花の辞退がスムーズに行えます。
家族葬で弔電や供花を辞退する際の、会社への配慮とは?
(現職の場合:会社への配慮)
家族葬で弔電や供花を辞退する際の、会社への配慮としては、以下の点が挙げられます。
①会社関係者への連絡を迅速に行う
・・・家族葬で弔電や供花を辞退する場合は、葬儀の日程が決まり次第、速やかに会社関係者に連絡しましょう。
連絡が遅れると、会社関係者が参列や弔電の準備をすることができず、不便をかけることになります。
②会社関係者への説明を丁寧に行う
・・・弔電や供花を辞退する理由を明確に伝えることで、会社に対して配慮の意思を示すことができます。
例えば、「家族葬では、直接の家族のみで静かにお別れすることが希望されているため、弔電や供花を辞退させていただきます」と伝えることができます。
また、会社関係者が弔電や供花を送るかどうかを自由に選択できるように、辞退の意向をあくまでも「お願い」として伝えましょう。
③会社関係者への謝意を伝える
・・・弔電や供花を辞退する場合でも、会社関係者への謝意を伝えましょう。
具体的には、以下の文例を参考にするとよいでしょう。
(辞退文例)
拝啓
ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、○○(故人名)が、○月○日に永眠いたしました。
つきましては、葬儀は家族葬にて執り行うことといたしました。
故人の遺志により、弔電・供花のご厚意は辞退させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
なお、葬儀は、○月○日(○曜日)午後○時より、○○斎場で執り行います。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご厚情のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
また、葬儀の後に、お礼状を送るとよいでしょう。
④代替の方法を提案する
・・・弔電や供花を辞退した際には、代替の方法を提案することも大切です。
例えば、会社に代わってお悔やみの言葉を伝える方法や、故人への思いを書いた手紙を送る方法などを提案することができます。
まとめ
家族葬で弔電や供花を辞退する際には、会社への配慮も重要です。
また、辞退しても香典や弔電、供花などが届くことはよくあることです。
その場合は、ありがたく受け取り、相手にはなるべく早い時期にお礼を伝えましょう。