スピーチは大勢の前で話す寸話のことを言いますが、一般的に「朝礼」「披露宴」「自己紹介」「お礼」「お祝いの席」「送別会」「会議」などの中で行われます。
そしてスピーチは、短いものであれば1分間や90秒程度、ちょっと長ければ10分間程度のものがあります。
スピーチの長さについては、話す場所や内容などを考えて、自分で今日は2分か3分間にしよう、または5分間や7分間でお願いしますと時間を指定されて依頼される場合もあります。
そこで今回は、1分間から10分間までの時間に合わせたスピーチでの、適正な文字数について解説をいたします。
1分間のスピーチで適正な文字数は?
(スピーチの原稿を作りましょう)
スピーチに慣れた人ならば、ペラペラと淀みなく話すことができるでしょうが、多くの人は前もって何を話すのかを決めておかないと、なかなか話ができないことがあります。
そのようなときは、事前に話す内容について原稿を書いて、それを読み上げる練習をしましょう。
(スピーチでの適正な文字数の目安は?)
スピーチには短時間から長時間のものがありますが、聞きやすく話しやすい適正な文字数というものがあります。
結論をいうと「1分間に300文字を目安」がおすすめです。
これは、スピーチのプロであるアナウンサーが、報道ニュースなどで話すペースが、1分間で約350文字なので、それよりもゆっくりしてはっきりした言葉で話すのが良いからです。
アナウンサーなどプロの場合は、すらすらと話すことができますが、一般の人が原稿を見ながら話しても350文字はスピーチに慣れていない人だと、結構早いスピードだと感じるでしょう。
スピーチする人自身が早いペースでスピーチしているなと感じるときは、聞いている人からみると早口で聞きづらいことが多いです。
(1分間から5分間までの適正文字数は?)
1分間の適正文字数が300文字とすると、各文字数の目安は次のようになります。
①1分間:300文字
②90秒:450文字
③2分間:600文字
④3分間:900文字
⑤5分間:1,500文字
5分以下の場合は、大体このくらいの文字数をゆっくり話すことで、ほぼ時間通りのスピーチができます。
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7分間から10分間のスピーチでは?
(7分から10分間は1分間300文字が目安ではない)
5分間のスピーチでは、1,500文字程度を話すことで時間がすぎ終了します。
ところが、スピーチ時間が7分から10分間程度になると、2,100~3,000文字になりますので、原稿を書くのも大変です。
スピーチに慣れていない人がこの文字数の原稿を書いた場合、ほとんどが何を話したかったのかもわからなくなることや、文章がまとまりなく散漫になるでしょう。
すると、当然聞く方もスピーチに飽きて、真剣に聞く人はいなくなってしまいます。
アンケートを取っても、スピーチを聞いている人が、長いと感じるのは5分位からという結果が多いようです。
(長いスピーチは話す時間以外で調整)
長いスピーチの場合は、話す時間が指定されていることが多いですよね。
でも10分間スピーチで3,000文字を目安とすると、慣れない人はあがってしまい話すスピードが早口になることや、必要以上にゆっくり話してしまうことは、よくあることです。
そうすると、スピーチ時間が余ることや時間が足りなくなることになります。
そのようにならないためには、原稿を読むだけではなく、次の時間調整を考えましょう。
①原稿の文字を少なくする
・・・例えば10分間の文字数3,000文字を少なくして、1,500文字程度にして話す時間は5分程度にするなど、ある程度時間調整ができるようにします。
②残りの5分は、資料配布・スライド・パワーポイントで調整
・・・資料を配布しての説明やスライド、パワーポイントを使った時間調整を考えましょう。
③スピーチ時間をスライド枚数で調整
・・・例えばスライド1枚に、使用する時間を40秒~1分とすると、残り5分を調整するには
5枚~7枚くらいのスライドを用意して、その場で5枚、6枚と決めて時間を調整します。
④スピーチの練習をしておく
・・・当たり前ですが、前もってスピーチの練習をして、時間配分を確認しておきましょう。
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朝礼や披露宴のスピーチをする場合
職場などでの朝礼や仕事を離れた披露宴でのスピーチでは、どの程度の時間と文字数が良いのか考えましょう
(朝礼の場合)
朝礼は朝一番の連絡事項や、伝達事項を伝えることが多く、伝えることが無い場合は個人的にエピソードなどを話すこともあります。
仕事を始める前の準備としてのスピーチなので、必要事項・重要事項を伝えるのが目的です。
そのため長い時間は必要なく、話しに集中してもらうには、3分以内に終了させるのが良いです。
3分以内ですから、文字にすると900文字以下ですね。
(披露宴の場合)
披露宴でスピーチをする場合は、友人代表や来賓挨拶を依頼される場合だと思います。
その披露宴で長いスピーチを聞きたいという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
スピーチ時間としては、長くても3分を超えて5分以内というところが、聞く方としても集中でき飽きない時間と言われています。
文字数としても、1,200文字以下を落ち着いてゆっくり話すと、聞きやすいし疲れないと思います。
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まとめ
スピーチは慣れていないと、心臓がドキドキしてあがるのは当たり前です。
原稿を使って練習を繰りかえし、自分のペースを掴めるようにするしかありません。
場数を踏むことでスキルが身に付き、努力が実を結びますよ。