日本では神棚を家で祀っている人は数多くいますが、神社で神主さんが唱える大祓詞(おおはらえのことば)や祝詞(のりと)を奏上して、毎日お参りしている家はどの位いるのでしょうか。
せっかく神棚があっても、お正月や宝くじを買ったときくらいしか、お参りしていないようであれば勿体ないですよね。
本来の神棚をお参りする作法は、一般の神社と同じように二礼二拍手一礼を行いますが、そのなかで祝詞を奏上しても良いことになっています。
今回は、祝詞と大祓詞の意味や仏教の般若心経との違いについて解説します。
祝詞と大祓詞の意味は?神棚で奏上するのはどの祝詞?
(祝詞(のりと)の種類)
神道において神事を行う際に、神職(神主)が神様に対して祭祀を行う意義や目的を奏上する言葉です。
その言葉の内容は、祭祀や場所などによって異なりますが、代表的な祝詞には、次のものがあります。
①神社拝司(じんじゃはいし)
・・・神社を参拝するときの祝詞で、初心者向けといわれています。
②神棚拝司(かみだなはいし)
・・・自宅の神棚をお参りするときの祝詞で、産土神・お祀りする神社の神様に向けて唱えます。
③大祓詞(おおはらえのことば)
・・・年に2回ある大祓の行事(6月末・12月末)で奏上される祝詞です。
④祓詞(はらえことば)
・・・神事を行う前に唱える祝詞で一番最初に奏上される祝詞です。
(大祓詞(おおはらえのことば)とは)
元々は「平安時代に毎年6月と12月の晦日に、百官男女を始め天下万民が知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを祓うために、中臣氏が京の朱雀門で行った大祓の行事で奏上されていたもの」で、中臣祓詞とも言われています。
「高天原に神留まり座す~天津神国津神八百万の神等共に聞し食󠄁せと白す(神社本庁例文)」という言葉でできている現在も奏上されている祝詞の中で、一番長い祝詞です。大きく前段・後段に分けられます。
①前段
・・・豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに:日本国)が神々によって平定され、どのように成り立ったかを語ります。
その国民が犯してしまう罪や穢れを天つ罪、国つ罪として、神の儀式に倣った祓い方を述べられます。
祓い方には、神聖であり完全な祓いの祝詞を唱えることがあります。
②後段
・・・祓いの祝詞を唱えると、天空で神様がその詞を聞き、どのように罪や穢れを浄化するのかが語られます。
その浄化を様々な喩えで表現した後、四柱の祓戸神によって消滅する様子が語られます。
③最後
・・・最後は「祓え給え清め給え(はらえたまえきよえたまえ)」と申し上げることをお聞き届けくださり、お力をお授けくださいますようにと慎んで申し上げます。と結びます。
自宅の神棚で祝詞を奏上する場合は、神棚拝司という大祓詞よりもかなり短い祝詞があります。
(神棚拝司)
参考:北海道神社庁神棚拝司
神棚に祀っている天照大御神と土地神などに、神々の尊い教えのとおりに素直で正しい心により、人道を踏み外すことなく、勤めに励むことができますように、家が栄え家族も健康で世の中のため尽くすことができますように、恐れかしこんで申し上げます。という意味です。
毎日のお参りなどの時に奏上する祝詞としては、神棚拝司でよろしいでしょう。
神拝祝詞 神道大祓全集 般若心経 龍神祝詞 清祓詞 聖不動経 通常祝詞 不動尊劍の文
神棚で神棚拝司や大祓詞を奏上するときは?
自宅で神棚のお参りのときの祝詞を奏上するときの作法は次のとおりです。
神棚へ向かう前に、手と口を水ですすいで清めてくださいね。
(神様拝司の場合)
①二礼
②神棚拝司を奏上
③二礼二拍手一礼
(大祓詞の場合)
・・・毎回でなくても、年末などに家族そろってお参りするときなどに奏上してもよいですね。大祓詞を唱えると、自分に積もっている罪や穢れを祓い清めることにつながります。
①二礼
②大祓詞を奏上
③二礼二拍手一礼
祝詞と般若心経との違いは?
(般若心経は仏教)
神社で多く聞く祝詞と似たようなものに、お寺でよく聞くお経に、「般若心経」があります。
これらの違いは何でしょうか。
②般若心経は仏教の大乗仏教の経典
として唱えられているので、内容や唱える目的は全く異なります。
祝詞を唱える対象は神様ですが、般若心経は先祖を供養することや周りの人にお釈迦様の説いた教えを伝えるという意味があります。
祝詞が神様に申し上げることや穢れを祓うことを目的とするならば、般若心経は「空」の思想概念であり、全ての物事は変化を続けているが物事の本質は存在する、その時の価値観で一つのことに執着することや与えられた価値観に捉われる必要はないし意味はない。それぞれが変化しても物事の本質にしっかり目を向けなさいという教えを伝えるのが目的です。
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(まとめ)
神社では祝詞、お寺ではお経というように、それぞれ唱える言葉は異なります。
神棚をお参りするときには、祝詞のうち神棚拝司をしっかりと奏上しましょう。