芥川賞・直木賞は、日本文学における最も権威ある文学賞の一つです。
毎年上半期と下半期に発表されており、芥川賞は新人作家、直木賞は新進作家や中堅作家の登竜門として知られています。
芥川賞・直木賞の発表は、文学ファンや批評家、作家たちから大きな注目を集め、受賞作品からは多くのベストセラー作品として生まれています。
今回は、芥川賞をピックアップし、直木賞との違い、芥川賞を選ぶのは誰?発表日や発表時間、発表場所はどこかなど基本的な情報を解説します。
また、芥川賞発表後のメディア中継や、雑誌の取扱いについても解説します。
芥川賞とは?対象者は?直木賞との違いは?
芥川賞と直木賞は、日本文学界で非常に権威のある文学賞です。以下にそれぞれの賞について詳しく説明します。
(芥川賞とは)
①芥川賞
・・・芥川賞(あくたがわしょう)は、正式には「芥川龍之介賞」と言いますが、日本文学界で最も著名な短編小説賞の一つです。
毎年、日本の純文学作品の中から、最も優れた短編あるいは中編小説(概ね原稿用紙100枚~200枚程度)に贈られます。
この賞は、文学雑誌「文藝春秋社」の創立者である菊池寛が、1935年に友人であった芥川龍之介の名前を冠して創設されました。
芥川賞の受賞者には、多くの有名な作家が名を連ねており、彼らの作品は日本文学の重要な一部とされています。
②対象者
・・・芥川賞の対象となるのは、新進作家または無名作家で、新聞または雑誌などに公開された短編小説作品です。
対象作品は、文藝春秋社内の日本文学振興会によって選考され、その中から最も優れた作品が選ばれます。
(直木賞とは)
①直木賞
・・・直木賞(なおきしょう)もまた、日本文学の重要な文学賞で、大衆小説部門の文学賞です。芥川賞と同様に、毎年、日本の大衆小説作品の中から優れた作品に贈られます。
直木賞は、1935年に小説家で評論家の直木三十五の名前を冠して創設されました。
直木賞の受賞作品も日本文学の中で高い評価を受けており、優れた作品を発掘し、文学界に貢献しています。
②対象者
・・・直木賞の対象となるのは、新進作家または中堅作家で、新聞または雑誌、単行本などに公開された短編・長編小説作品です。
(芥川賞と直木賞の違い)
①文学ジャンルの違い
・・・ 芥川賞と直木賞の主な違いは、対象となる文学ジャンルです。
芥川賞は純文学の短編小説に焦点を当てており、対象となる作品は短編小説のみです。
一方、直木賞は小説全般を対象としており、長編小説や連作短編小説など、短編小説以外の小説作品も対象となります。
②対象者の違い
・・・芥川賞は、新人または無名作家であり、直木賞は新進又は中堅作家です。
芥川賞を選ぶのは誰?発表日や発表時間、場所はどこで発表?
(日本文学振興会選考委員が選考)
芥川賞は、公益財団法人日本文学振興会が主催する純文学の短編・中編小説を対象とした文学賞です。
①選考委員は9名
・・・選考は、公益財団法人日本文学振興会の選考委員9名(2023現在:小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一)によって行われます。
選考委員は、文学作品の研究や批評に長年携わってきた専門家たちで構成されており、受賞作品を選ぶ際には、文学的な価値、ストーリーの面白さ、読者に与える感動などを総合的に判断します。
②発表日
・・・選考会は年2回。
・上半期は7月(前年12月から5月までに刊行された雑誌・書籍が対象)
・下半期は1月(6月から11月までに刊行された雑誌・書籍が対象)
2023年度第169回芥川賞・直木賞は2023年(令和5年)7月19日、第170回芥川賞・直木賞選考会は2024年(令和6年)1月17(水)に行われます。
③発表時間
・・・選考会は16時過ぎから行われ、受賞発表は18時~18時半になるようです。
④場所
・・・選考会は、料亭「新喜楽」で行われ、受賞者が決定次第発表されます。
発表後、帝国ホテルで受賞者の記者会見が行われます。
受賞者には、正賞として「懐中時計」、副賞として「100万円」が授与されます。
芥川賞の発表後の中継や雑誌の扱いは?
(受賞後の扱い)
①受賞式中継
・・・芥川賞決定の発表及び受賞者記者会見の生中継は、ニコニコ動画で配信されます。
また、テレビなどのメディアなどでも臨時ニュースとしてテロップで流されます。
発表後のニュース番組でも、トップニュースとして取り上げられることも多くなりました。
⑥受賞作の掲載
また、直木賞の受賞作は「オール読物」に一部が掲載されます。(いずれも上半期は9月号、下半期は3月号)。
受賞発表号には選考委員による選評も掲載されるので、選考過程をある程度知ることができます。
まとめ
芥川賞発表後のメディア中継や、雑誌の取扱いについては、多くの文学ファンが注目するところです。
芥川賞受賞作品が掲載される雑誌や、受賞者のインタビューが掲載される雑誌など、多くの文学雑誌があります。
これらの雑誌は、芥川賞受賞者にとっては、その後の作家活動においても大きな役割を果たすことになります。