
年齢やケガ、特定の病気などによって「安全な運転が難しい」と判断された場合、免許の更新拒否や取り消しといった処分を受けることがあります。
「自分や家族の持病は大丈夫かな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実は、一定の病気であっても、医師の診断書を提出することで更新を延長したり、再取得が認められたりするケースがあります。
そこで今回は、免許の更新制限がかかる具体的な病気の種類や、診断書の必要性、万が一取り消されてしまったあとに再取得する方法を分かりやすく解説します。
***目次***
免許の更新拒否や保留の対象となる主な病気

安全運転に支障をきたす恐れがある病気として、主に以下の9つが指定されています。
具体的な判断基準や詳細については、[警察庁のホームページ]をご確認ください。
参考:警察庁ホームページ
1.認知症
記憶力や判断力が低下し、運転自体を正しく認識できなくなる恐れがあります。
高齢層に多く見られますが、安全運転が可能かどうかは個別に判断されます。
2.アルコール・薬物などの中毒
麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、または重度のアルコール中毒など。
心身の正常な機能を失い、重大な事故を招く危険性が極めて高いため制限されます。
3.幻覚を伴う精神病(統合失調症など)
政令で定められた精神病のうち、幻覚や妄想といった症状があり、安全な運転が難しいと判断されるケース。
4.てんかん
運転中に発作が起きると危険なため原則制限されます。
ただし、医師の治療により「今後発作発作の危険がない等」と認められた場合は、運転が許可されることもあります。
5.再発性の失神
脳への血流が一時的に滞ることで、突然意識を失ってしまう病気です。
再発の恐れがある場合は制限の対象となります。
6.低血糖症
血糖値が急激に下がり、意識を失う恐れがある状態です。
ただし、お薬などで適切に血糖値をコントロールできている場合は、対象から除外されることがあります。
7.そううつ病(躁うつ病)
気分が著しく高揚したり、逆に深く落ち込んだりすることで、安全運転に必要な集中力や判断力が乱れるケースが該当します。
適切に治療を続け、症状が安定していれば認められる場合もあります。
8.睡眠障害(重度の眠気があるもの)
十分な睡眠をとる、適切な治療を受けるなど、安全運転に配慮した対策が必要です。
9.運転に必要な認知能力・操作能力を欠く恐れがある病気
交通ルールを急に忘れてしまう、異常なスピードを出してしまう(または極端な低速走行を続ける)など、運転行動そのものに支障が出ている場合です。
免許更新時の「質問票」への回答は義務
平成26年の道路交通法改正により、免許更新の際には自分の健康状態について公安委員会へ正確に申告することが義務付けられました。
もし持病を隠して虚偽の申告をした場合は、「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」という重い罰則が科されることがあります。
手続きの際は、必ずありのままの体調を正しく申告するようにしましょう。
免許の「取り消し・停止・保留」はどう決まる?

もし安全運転に支障がある病気(欠格事由)に該当してしまった場合、免許の「取り消し」「停止」「保留」といった処分を受けることがあります。
・免許の保留(6ヶ月以内に回復する見込みがある場合)
医師の治療などにより、安全運転ができる状態まで回復する見込みがある場合は、一時的に免許の効力が「保留」。
・免許の取り消し(回復に6ヶ月以上かかる、または見込みがない場合)
症状の改善に回復の目処が立たない場合は、一度免許が「取り消し」。
免許を失効・取り消しされたあとの再取得方法

免許の更新期限が切れてしまった場合の再取得手続きは、「失効してからの期間」や「特別な事情の有無」で決まります。
1. 特に事情がない場合(うっかり失効など)
・失効から6ヶ月以内
「特定失効者に対する講習」を受け、適性試験(視力検査など)に合格すれば、学科・技能試験なしで再取得できます。
・失効から7ヶ月〜1年以内
普通免許や大型免許に限り、仮免許の学科・技能試験が免除されます(仮免許からの再スタートとなります)。
2. 病気や海外赴任など「やむを得ない事情」がある場合
・事情がなくなってから1ヶ月以内(かつ失効後3年以内)
事情が終わってから1ヶ月以内に手続きを行えば、期間が空いていても「特定失効者に対する講習」と適性試験のみで再取得が可能です。
・失効から3年以上が経過した場合
残念ながら免除措置はなくなり、通常通り最初から免許試験(適性・学科・技能)を受け直す必要があります。
ポイント:病気や入院が理由の場合は「診断書」が必要
病気や入院などを証明するために、再取得の手続き時には、入退院の年月日が明記された医師の「診断書」が必ず必要になります。
免許更新や再取得のとき、病気の診断書は必ず必要?

病気や入院などで免許を切らしてしまった場合、再取得の手続きには医師の「診断書」が必須となります。
① 退院後、すぐに再取得できないケースもある
退院して診断書があっても、安全運転に支障があると判断されれば、すぐに更新・再取得ができない場合があります。
② てんかんの場合の具体的な条件
「過去2年間に運転に支障が出る発作が起きておらず、今後も悪化する恐れがない」という内容の診断書が必要になります。
③ すべての病気に共通する「安全運転ができる証明」
どの病気であっても「現在の症状なら運転に支障がない」という医師のお墨付き(診断書)がなければ、再取得の手続きはできません。
運転に不安があるなら「自主返納」という選択も
もし安全な運転が難しいと判断した場合は、無理をせず「自主返納」を考えるのも一つの方法です。
免許を返納した後に発行できる「運転経歴証明書」は、免許証と同様に身分証明書として使えるため、手放した後の生活でも困ることはありません。
(まとめ)
免許の更新は、自動的にできるわけではありません。
身体及び精神に異常がなく、安全運転ができることが必要です。
病気を隠して運転することは大きなリスクを伴います。
まずは体調の回復を最優先にし、医師や免許センターと相談しながら、正しく安全な手続きを進めていきましょう。