新年を迎える喜びを味わう一大イベント、お正月。
「おせち」とは、日本のお正月に食べられる伝統的な料理です。
シンボル的な料理の一つである昆布巻きは、その本格的な味わいと簡単な作り方で、新しい年を祝う食卓に華を添えてくれます。
今回は、おせち昆布巻きの意味や由来と作り方、日持ちする方法とリメイクについて解説します。
ぜひ参考にして、お家で本格的な昆布巻きを作ってくださいね。
おせち昆布巻きの意味や由来は?
おせち昆布巻きは、おせち料理の定番のひとつです。昆布に鮭やニシンなどの魚介類を巻いた、シンプルながらも奥深い味わいの料理です。
おせち昆布巻きの意味や由来には、以下のようなものがあります。
(由来)
①「よろこぶ」の語呂合わせ
・・・昆布は「喜ぶ(よろこぶ)」の語呂合わせで、縁起物として知られています。
また、昆布を「養老昆布」と書くことから、不老長寿の願いも込められています。
そのため、お祝いの席であるおせち料理に昆布巻きが使われるようになりました。
②「子孫繁栄」の願い
・・・昆布巻きによく使われる具材のニシンは、「二親(にしん)」の語呂合わせから、子宝を願う意味があるとされています。
また、数の子は、数の子の数だけ子供が増えるという言い伝えから、子孫繁栄の願いが込められていると考えられています。
また、昆布は「子生」とも書くことができ、子孫繁栄の願いを込めておせち料理に使われるようになったとも言われています。
(意味)
①「結び」の意味
・・・昆布巻きは、昆布で具材を巻くという形状から、「結び」の象徴とされています。
また、巻き物は、縁起の良い「結び」を表す食べ物として古くから親しまれてきました。
昆布巻きもそのひとつで、家族の結びつきや円満を願う意味が込められています。
このように、おせち昆布巻きには、さまざまな意味や由来があります。
そのため、おせち料理に欠かせない縁起物として、大切に受け継がれてきました。
これらの意味や由来を知っておくと、おせち昆布巻きをより美味しく、そして奥深く味わうことができるでしょう。
(昆布の栄養は?)
昆布:まこんぶ(素干し)の場合100g当り 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年参照
①カロリー:170kcal
②タンパク質:5.8g
③脂質:1.3g
④炭水化物:64.3g
⑤ナトリウム:2600mg
⑥カリウム:6100mg
・・・ナトリウムと共に浸透圧を維持し、血圧上昇を抑制します。また筋肉の動きも良くします。
食物の中では、ダントツの栄養価があります。
⑦カルシウム:780mg
・・・骨量の維持に必要で、健康な骨や歯の形成に欠かせない栄養素です。
また血圧を下げる効果や、肌や髪の健康を維持する効果も期待されています。
⑧マグネシウム530mg
・・・体内の酵素の正常な働き、血液循環を正常に保ちます。神経の興奮を抑え、筋収縮にも関与します。
⑨鉄:3.2mg
⑩ビタミンB1:0.26mg
⑪ビタミンB2:0.31mg
⑫ビタミンC:29mg
⑬食物繊維総量:32.1g
・・・排便をスムーズにし、体内の有害物質を排出させます。
⑭葉酸:240μg
・・・赤血球や細胞の新生に必要で、胎児の正常な発育に不可欠な栄養です。
腸内環境を整える働きがあり、便秘の解消や、生活習慣病の予防に効果的です。
このように、昆布は、さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。
この昆布と魚のニシンを凝縮させた身欠きニシンを包んだ昆布巻きは、栄養の宝庫とも言えるでしょう。
おせち昆布巻きの簡単なのに本格的な作り方は?
(昆布巻きの作り方)
・材料:昆布適量、身欠きニシン2本、かんぴょう適量、米のとぎ汁適量、水200cc
・調味料:醤油50cc、酒大さじ2杯、みりん大さじ1杯、砂糖大さじ3杯
①身欠きニシンを1晩漬ける
・・・米のとぎ汁に身欠きニシンを一昼夜漬けておきます。
②昆布を水で戻す
・・・昆布を水で戻し、かんぴょうも水でサッと洗い、水気を絞ります。
③昆布に身欠きニシンを巻く
・・・一昼夜漬けた身欠きニシンを昆布で巻きます。
④楊枝とかんぴょうで結ぶ
・・・巻いた昆布の巻き終わりを楊枝で止め、かんぴょうで結びます。
⑤圧力鍋で煮る
・・・圧力鍋に昆布巻きを入れ、出汁に酒を加え、今日で10分煮ます。
⑥調味料を加える
・・・さらに調味料を加え、弱火で約5分煮ます。
⑦火を止め、しばらく置いて出来上がりです。
昆布巻きは、身欠きニシンを巻くのが多いですが、ニシンの代わりに鮭や豚肉、ベーコンや鳥のひき肉などお好みの具を巻くのも自由です。
おせち昆布巻きの日持ちする方法とリメイクは?
おせちの昆布巻きを日持ちさせる方法と、リメイクアイデアについてご紹介します。
(日持ちする方法)
①冷蔵庫で保存
・・・昆布巻きを作ったら、しっかりと冷ましてからラップやキッチンペーパー、密閉容器で包み、冷蔵庫で保存します。
冷蔵庫での保存が一般的で、1週間程度は美味しさを保つことができます。
②冷凍保存
・・・昆布巻きは冷凍保存も可能です。
食品保存用の袋やラップで包み、冷凍庫で保存します。
解凍する際には、冷蔵庫でゆっくりと解凍するか、電子レンジを使って解凍します。
(リメイクアイデア)
①昆布巻きの刺し身風
・・・昆布巻きを薄切りにし、醤油やポン酢でいただくと、新しい一皿として楽しめます。
上に刺し身の具材やネギをトッピングすると、刺し身風の料理になります。
②昆布巻き寿司
・・・昆布巻きを細巻きに切り、寿司の具材と一緒に巻いて、昆布巻き寿司にアレンジしてみてください。
③昆布巻きのサラダ
・・・昆布巻きを細かく切り、サラダにトッピングすると、彩り豊かでヘルシーなサラダが完成します。
ドレッシングで味付けしてお召し上がりください。
④昆布巻きのスープ
・・・昆布巻きをだしに加え、具材と一緒にスープにすると、栄養たっぷりで温かい一品になります。
⑤昆布巻きの炊き込みご飯
昆布巻きを細かく刻んで、炊飯器に入れて、ご飯と一緒に炊くだけで、簡単に昆布巻きの炊き込みご飯を作ることができます。
⑥昆布巻きの天ぷら
・・・昆布巻きを天ぷらにしてもおいしく食べられます。
⑦昆布巻きのチャーハン
・・・昆布巻きを細かく刻んで、チャーハンの具材に加えて、炒めるだけで簡単に昆布巻きのチャーハンを作ることができます。
⑧昆布巻きのちらし寿司
・・・昆布巻きを細かく刻んで、ちらし寿司の具材に加えて、混ぜるだけで簡単に昆布巻きのちらし寿司を作ることができます。
これらのアイデアを参考に、残った昆布巻きをアレンジして楽しんでください。
アレンジ次第で、新しい料理が生まれ、飽きずに楽しめます。
まとめ
昆布は縁起の良いおせち料理の中に含まれる食材ですが、さまざまな栄養素がバランスよく含まれている、健康に良い食品です。
日常的に昆布を取り入れることで、健康維持に役立てることができます。