口内炎はよくあるトラブルですが、他にも口腔内には舌癌、口腔ヘルペス、口腔がん、口腔粘膜炎など、口腔内にはさまざまな疾患があります。
それぞれの症状や原因は異なりますが、治療法について知っておくことは、健康維持のために欠かせません。
今回は、口内炎をはじめ、口腔内の様々な疾患について、その違いや特徴などを解説します。
健康な口腔環境を維持するために、ぜひ参考にしてください。
口内炎の種類とそれぞれの違いとは?
口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や原因が異なります。
以下に主な口内炎の種類とその違いを説明します。
(アフタ性口内炎)
①特徴
・最も一般的な口内炎です。
・小さな白い潰瘍(2~10mm)が口の中にでき、周囲が赤く腫れます。
・痛みを伴い、特に食事や会話中に不快感があります。
・通常1~2週間程度で自然に治りますが、繰り返しできることもあります。
②原因
・ストレスや疲労、栄養不足。
・口腔内の軽い傷や刺激(例えば、歯ブラシによる傷)。
・免疫力の低下。
(ヘルペス性口内炎)
①特徴
・口の中や唇の周囲に小さな水疱ができます。
・水泡が潰れて、痛みのある潰瘍になること痛みが伴います。
・初感染の場合は、発熱やリンパ節の腫れを伴うことがあります。
・通常1~2週間程度で自然に治りますが、繰り返しできることもあります。
②原因
・単純ヘルペスウイルスによる感染よって怒ります。
・免疫力が低下しているときに再発しやすいです。
(カンジダ性口内炎)
①特徴
・白いチーズ状の斑点が口の中や舌に現れます。
・斑点を拭き取ると赤く痛みを伴うことがあります。
・傷みは強くないですが、口臭が強くなることがあります。
・完治まで時間がかかります。
②原因
・カンジダ菌(真菌)の過剰繁殖。
・抗生物質の長期使用や免疫力の低下、糖尿病などがリスク要因となります。
(外傷性口内炎)
①特徴
・口の中の物理的な損傷(例えば、噛み傷、熱い食べ物や飲み物によるやけど、鋭利な歯など)によって発生します。
・その損傷部分が炎症を起こし、痛みを伴う潰瘍になります。
②原因
・口の中の傷や刺激が原因と言われています。
(薬剤性口内炎)
①特徴
・特定の薬剤(抗生物質、化学療法薬、抗てんかん薬など)の副作用として発生します。
・潰瘍だけでなく、口の中の乾燥や味覚異常を伴うことがあります。
・アフタ性口内炎によく似た症状が現れます。
・薬の服用をやめることで改善することが多いです。
②原因
・薬剤の使用。
これらの種類はそれぞれ原因や症状が異なるため、適切な診断と治療が必要です。
口内炎が長引く場合や頻繁に再発する場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。
舌癌、口内ヘルペス、口腔がんの症状と特徴とは?
(舌癌の症状と特徴)
舌癌は舌に発生するがんで、初期症状が口内炎と似ているため見逃されやすいですが、以下のような特徴があります:
①持続する痛み
・初期には痛みがないことが多いですが、進行するにつれて痛みが増します。
・食事や会話時に痛みが強くなることがあります。
②潰瘍やしこり
・舌の表面に治りにくい潰瘍やしこりができることが多い。
・潰瘍の周囲が硬く、境界が不明瞭なことがあります。
③出血
・触れると出血しやすい潰瘍があることがあります。
④舌の動きの制限
・腫瘍が大きくなると舌の動きが制限され、話しづらくなったり、飲み込みづらくなったりします。
⑤リンパ節の腫れ
・舌のがんが進行すると、首のリンパ節が腫れることがあります。
(口内ヘルペスの症状と特徴)
口内ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされ、以下のような症状があります。
①痛みと水疱
・口唇や口の中に小さな水疱が現れ、非常に痛みを伴います。
・水疱は破れて潰瘍になることがあります。
②かゆみや灼熱感
・水疱が出る前に、かゆみや灼熱感が感じられることがあります。
③発熱と全身倦怠感:
・初感染の場合、発熱やリンパ節の腫れ、全身の倦怠感を伴うことがあります。
④再発
・ストレス、疲労、日光曝露、免疫力低下などで再発することがあります。
(口腔がんの症状と特徴)
口腔がんは口腔内(舌、頬粘膜、歯茎、口蓋など)に発生するがんで、以下のような特徴があります。
①持続する潰瘍やしこり
・口腔内に治りにくい潰瘍やしこりが現れます。
・潰瘍の周囲が硬く、境界が不明瞭なことが多い。
②口腔内の痛み
・持続的な痛みがあり、特に飲食や会話時に痛みが強くなります。
③出血
・触れると出血しやすい潰瘍があることがあります。
④白斑や赤斑
・口腔内に白い斑点(白板症)や赤い斑点(紅斑症)が現れることがあります。
これらは前癌状態であることが多いです。
⑤口臭
・口腔内の異常によって口臭が強くなることがあります。
⑥嚥下や咀嚼の困難
・腫瘍が大きくなると、飲み込むのが難しくなったり、食べ物を噛むのが困難になります。
⑦耳の痛み
・進行した場合、耳に痛みを感じることがあります。
これらの症状は、どれも早期発見と治療が重要です。
特に、持続する潰瘍やしこりがある場合は、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。
口腔粘膜炎の意外な原因と症状、予防法は?
口腔粘膜炎とは、口腔内の粘膜に炎症が起こる病気です。
口内炎の他にも、様々な種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。
(原因)
口腔粘膜炎の意外な原因として、以下のようなものが挙げられます。
①義歯
・・・義歯が合っていない場合、口腔粘膜に擦れて炎症を起こすことがあります。
②入れ歯安定剤
・・・入れ歯安定剤に含まれる成分によっては、口腔粘膜に刺激を与えて炎症を起こすことがあります。
③ストレス
・・・ストレスによって免疫力が低下すると、口腔粘膜炎になりやすくなります。
④栄養不足
・・・ビタミンB群やビタミンCなどが不足すると、口腔粘膜炎になりやすくなります。
⑤睡眠不足
・・・睡眠不足によって免疫力が低下すると、口腔粘膜炎になりやすくなります。
⑥喫煙
・・・喫煙は口腔粘膜を刺激し、炎症を起こしやすくなります。
⑦過度な飲酒
・・・過度な飲酒は口腔粘膜を刺激し、炎症を起こしやすくなります。
⑧薬剤の副作用
・・・抗生物質、化学療法薬、免疫抑制剤など、一部の薬剤が口腔粘膜に刺激を与えることがあります。
(症状)
口腔粘膜炎の症状は、原因や種類によって異なりますが、以下のようなものが挙げられます。
①口腔内の痛み
・・・食事や会話時に痛みが生じることがあります。
②赤みと腫れ
・・・粘膜が赤く腫れ、触れると痛みを感じることがあります。
③潰瘍
・・・痛みを伴う潰瘍や白い斑点が現れることがあります。
④出血
・・・粘膜が非常に脆くなり、軽い刺激で出血することがあります。
⑤口臭
・・・炎症による細菌の増殖で口臭が強くなることがあります。
(予防法)
口腔粘膜炎を予防するには、以下のようなことに注意することが大切です。
①口腔内の清潔を保つ
・・・毎日、歯磨きとフロスを行い、口腔内の汚れをしっかりと落としましょう。
②義歯を定期的に調整する
・・・義歯が合っていない場合は、口腔粘膜に擦れて炎症を起こすことがあります。
定期的に歯科医院で調整してもらいましょう。
③入れ歯安定剤を適切に使用する
・・・入れ歯安定剤は、使用前に必ず歯科医に相談しましょう。
④ストレスを溜めない
・・・ストレスは免疫力を低下させ、口腔粘膜炎になりやすくなります。
適度に運動したり、趣味を楽しんだりして、ストレスを解消しましょう。
⑤栄養バランスの良い食事を心がける
・・・ビタミンB群やビタミンCなどが不足すると、口腔粘膜炎になりやすくなります。
栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
⑥十分な睡眠をとる
・・・睡眠不足は免疫力を低下させ、口腔粘膜炎になりやすくなります。
毎日、7~8時間程度の睡眠をとりましょう。
⑦喫煙を控える
・・・喫煙は口腔粘膜を刺激し、炎症を起こしやすくなります。禁煙しましょう。
⑧過度な飲酒を控える
・・・過度な飲酒は口腔粘膜を刺激し、炎症を起こしやすくなります。適度な量のお酒を楽しむようにしましょう。
⑨薬剤の調整
・・・副作用が疑われる薬剤の使用については、医師と相談し、必要に応じて薬の調整を行います。
まとめ
これらの病気は、いずれも早期発見・早期治療が重要です。
上記のような症状がみられた場合は、すぐに歯科医院や口腔外科を受診することをおすすめします。