肌荒れ、めまい、頭痛、しびれなど、身体の不調は時には栄養失調の兆候となることがあります。
特に高齢者や成長中の子供たちは、栄養バランスが健康に直結する重要な時期にいるので、体調不良や体力の低下などに注意する必要があります。
今回は、栄養失調の原因と症状、チェック方法、対策法について解説します。
栄養失調の原因と症状は?
(栄養失調とは?)
栄養失調は、身体が必要な栄養素を適切な量で摂取できない状態を指します。
これは様々な原因によって引き起こされ、異なる症状が現れることがあります。
(栄養失調の原因は?)
①不適切な食事
・・・栄養バランスの偏りになる偏食や食事量不足、食事内容の単調さや拒食症などの摂食障害。
②吸収障害
・・・消化器官の病気(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、肝硬変など)や腸の病気、手術による吸収機能の低下。
③過度の制限食
・・・特定の食品群を制限しすぎることによる栄養不足、極端なダイエット食など。
④慢性的な疾患
発熱、慢性炎症、がんなどによる栄養需要の増加。
⑤経済的な制約
・・・生活資金の不足により十分な栄養を摂ることが難しい状況。
⑥加齢による栄養不足
・・・加齢による食事量の低下や、偏食による栄養不足、栄養の吸収力の低下。
⑦子供の偏食
・・・ファーストフードやインスタント食品の食べ過ぎによる通常の食事量の不足。
(栄養失調の症状)
①体重の変化
・・・急激な体重減少や筋肉の衰えなど。
②疲労感
・・・持続的な疲れや活力の欠如、うつ病、眠気、関節のしびれなど。
③めまいや頭痛
・・・栄養素不足による脳の機能低下など。
④お腹の不調
・・・消化器官の不調や便秘、下痢、お腹の張りなど。
⑤皮膚の変化
・・・タンパク質やビタミン不足による肌荒れ、かゆみ、湿疹、乾燥など。
⑥爪や髪の変化
・・・タンパク質やビタミン、カルシウムなどのふそくにおる爪の割れや髪の抜け毛
⑦免疫機能の低下
・・・頻繁な感染症や風邪など。
⑧舌の変化
・・・舌の先が痛いとか、異常な症状がでることがある。
⑨成長の遅れ(子供の場合)
・・・身体の発育や発達の遅れなど。
これらの症状が見られる場合は、医師の診断とアドバイスを受けることが重要です。
栄養失調は、早期に対処することで健康を改善できる場合があります。
栄養失調のチェック方法は?
栄養失調をチェックするためには、以下の方法やアプローチを考慮することが重要です。
ただし、これらは一般的な指針であり、具体的な症状や状態によっては、医師や栄養士の指導を受けることが重要です。
(栄養失調のチェック方法)
①食事履歴の詳細な記録
・・・1週間などの期間で、摂取した食品や飲み物の種類、量、食事の時間などを詳細に記録します。
②栄養素バランスの評価
・・・主要な栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)が適切な割合で摂取されているかを確認します。
③体重のモニタリング
・・・定期的に体重を測定し、急激な体重の変化がないかを確認します。
④身体の症状の観察
・・・疲労感、めまい、頭痛、皮膚の異常、爪や髪の変化などの症状を注意深く観察します。
⑤血液検査
・・・血液中の栄養素の濃度を測定することで、不足している栄養素を特定することができます。
⑥身体の機能評価
・・・特に高齢者においては、身体の機能や筋力、運動能力の評価が重要です。
⑦医師や栄養士の相談
・・・専門家の診断や意見を仰ぎ、適切な検査や栄養指導を受けることが大切です。
⑧食事環境や生活習慣の評価
食事の雰囲気や食べる環境、生活習慣が栄養状態に影響を与える可能性があるため、これらを評価します。
これらのアプローチを組み合わせて、総合的に栄養状態を評価することが重要です。
特に身体の異常や症状が見られる場合は、早めに医療機関の診断を受けることが必要です。
子供から高齢者までの栄養失調対策法は?
栄養失調の対策法は年齢によって異なりますが、基本的な原則は健康な食事習慣を促進し、バランスのとれた栄養素を摂取することです。
以下に、子供から高齢者までの栄養失調対策法をいくつか紹介します。
(子供向けの栄養失調対策)
①バランスの取れた食事
・・・主食、主菜、副菜を組み合わせたバランスの取れた食事を心掛け、偏食はやめます。
特に成長期には、たんぱく質、カルシウム、鉄分などの重要な栄養素に注意が必要です。
②カラフルな食材の摂取
・・・色とりどりの野菜や果物を摂ることで、様々な栄養素をバランスよく摂取できます。
③間食の工夫
・・・ヘルシーな間食を取り入れ、空腹感を解消します。
ナッツ、フルーツ、ヨーグルトなどが良い選択肢です。
④水分補給
・・・適切な水分摂取を促進し、デヒドレーションを防ぎます。
(大人向けの栄養失調対策)
①バランスの取れた食事
・・・主食、主菜、副菜をバランスよく摂ることで、必要な栄養素を確保します。
②食物繊維と水分
・・・食物繊維を豊富に含む野菜や果物を摂り、十分な水分を摂取します。
③適切なタンパク質摂取
・・・適切なタンパク質を摂ることで、筋肉の維持や修復に役立ちます。
④栄養補助食品
・・・特定の栄養素が不足している場合、医師や栄養士の指導のもとでサプリメントを検討することがあります。
(高齢者向けの栄養失調対策)
①カルシウムとビタミンDの摂取
・・・骨密度の低下を防ぐために、カルシウムとビタミンDを十分に摂ることが重要です。
②たんぱく質の摂取
・・・適切な量のたんぱく質を摂ることで、筋肉の減少を防ぎます。
③ビタミンB12の確保
・・・高齢者はビタミンB12の吸収が難しくなることがあるため、適切な摂取が必要です。
④食事の調整
・・・噛む力や食欲の変化に合わせて食事を調整し、栄養摂取を効果的に行います。
⑤規則正しい食事と適度な運動
・・・規則正しい食事と適度な運動は、健康な老後を支えます。
以上の対策は一般的なものであり、個々の状態や健康状態によっては医師や栄養士のアドバイスを受けることが重要です。
まとめ
食事の量を増やすことで、栄養素の摂取量を増やすことができます。
また、栄養価の高い食品を摂取することで、効率よく栄養素を摂取することができます。
定期的に栄養チェックをして、栄養のバランスが崩れていないかを確認しましょう。