日常の忙しさやストレスからくる肩こりや頭痛は、多くの人々にとって悩みの種です。
そんな中、日本でも古くから伝わる漢方薬「葛根湯」が注目を集めています。
葛根湯を飲むことで、肩凝りや頭痛が解消されたという方が増えているということです。
でも普段葛根湯を飲んでいない方からみれば、本当に効果があるのか疑問ですよね。
そこで今回は、葛根湯の持つ効果、即効性、肩凝りや頭痛になぜ効くのかについて解説します。
また、葛根湯の飲み方や飲むタイミングについても、併せて解説します。
葛根湯の持つ不思議な力！どんな効果があるの？
（葛根湯とは？）
中国が出典ですが、発汗作用や鎮痛作用があると言われ、古くから日本でも漢方を代表とする薬として使用されています。
（構成生薬と効果）
葛根湯の構成生薬には、以下のものがあります。
①葛根（かっこん）
･･･葛の根を乾燥させたもので、発汗、解熱、鎮痛作用があるとされています。
②麻黄（まおう）
･･･鼻詰まり効果がある成分プソイドエフェドリンや、気管支喘息に効果のある成分エフェドリンが含まれています。
③桂皮（けいひ）
･･･体の冷えを取り除き、胃腸の働きや血の巡りを良くする成分が含まれていると言われています。
④甘草（かんぞう）
･･･緩和作用、止渇作用、のどの痛み、咳を鎮める効果があると言われ、各種の生薬を緩和・調和する目的で、多数の漢方薬に配合されています。
⑤芍薬（しゃくやく）
･･･消炎、鎮痛、抗菌、止血、浄血、抗痙攣作用があります。
⑥生姜（しょうが）
･･･発散作用、健胃作用、鎮吐作用、大棗との組み合わせで他の生薬の副作用を緩和する働きがあるとされています。
⑦大棗（たいそう）
･･･強壮、利尿、緩和作用の薬として、多くの漢方薬に配合されています。
葛根湯の成分は、体内の気の流れを調整し、邪気を払う効果があるとされています。
また、漢方の考え方に基づいて、体のバランスを整えることによって健康を保つことを目指しています。
葛根湯の即効性は？肩凝りや頭痛になぜ効く？
（即効性があると感じることがある）
葛根湯の即効性や効果については、個人差や具体的な症状によって異なる場合がありますが、一般的には比較的早い段階で効果を感じることがあるとされています。
ただし、すぐに症状が消失するわけではなく、長期的な使用が推奨されることもあります。
（肩凝りや頭痛に効果があるメカニズム）
葛根湯が肩こりや頭痛に効果を発揮するメカニズムはいくつかありますが、主な理由は以下の通りです。
①血行促進と筋肉の緊張緩和
･･･葛根湯に含まれる成分が血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があるとされています。
これにより、肩こりや頭痛の原因である筋肉のこわばりや血流の悪化を改善する可能性があります。
②風邪や寒さからくる症状の緩和
･･･葛根湯は、寒さや風邪の症状にも効果があるとされています。
これにより、体内のエネルギーの流れを調整し、体調不良が肩こりや頭痛に影響を及ぼすのを防ぐ可能性があります。
③風邪の初期症状に効果がある
･･･葛根湯は、風邪の初期症状に効果的な漢方薬です。
葛根湯には、葛根、麻黄、芍薬、生姜、大棗、桂枝、甘草の7種類の生薬が含まれています。
これらの生薬には、体温を上げる、発汗を促す、痛みを和らげる、筋肉をほぐすなどの作用があります。
そのため、葛根湯を飲むと、風邪の初期症状である発熱、頭痛、悪寒、汗、鼻水、のどの痛み、筋肉痛、関節痛などの症状が緩和されます。
これにより、肩こりや頭痛などの症状が軽減される可能性があります。
ただし、葛根湯がすべての人に効果的であるわけではなく、個人の体質や症状によって効果が異なることがあります。
漢方薬は専門家の指導のもとで使用することが重要です。
自己判断や過剰な摂取は避けるようにし、医師や薬剤師に相談して適切な使用方法を確認することをおすすめします。
葛根湯の飲み方、飲むタイミングは？
葛根湯の飲み方や飲むタイミングについては、一般的なガイドラインがありますが、個人の状態や医師の指示に従うことが重要です。
以下に一般的な情報を示しますが、必ず専門家のアドバイスに従ってください。
（葛根湯の飲み方）
一般的に、葛根湯は煎じて飲む形で使用されることが多いですが、錠剤や顆粒剤としても市販されています。
煎じる際には、以下の手順を参考にしてください。
①原材料の用意
･･･葛根湯を作るための生薬や漢方薬剤を用意します。
専門家の指示に従って正しい種類と量を確認してください。
②煎じる
･･･生薬を適切な分量と水で煮詰めます。
一般的には、水を加えて弱火で煮詰め、液体の量を減らして抽出します。
③こし取り
･･･煮詰めた液体をこして、不要な固体を取り除きます。
残った液体が葛根湯です。
④飲む
･･･抽出した葛根湯を適切な温度に冷ましてから、指示された量を飲みます。
一般的には、1日に数回に分けて毎日摂取することが推奨される場合があります。
（飲むタイミング）
葛根湯の飲むタイミングは、症状や体調によって異なる場合がありますが、一般的なアドバイスは以下の通りです。
①食前・空腹時
･･･葛根湯を食事前や空腹時に摂ることで、吸収が促進される場合があります。
②症状の悪化時
･･･特に肩こりや頭痛の症状が悪化したと感じるときに摂取することで、即効性を発揮し緩和されることがあります。
③医師の指示に従う
･･･重要なのは、専門家のアドバイスに従うことです。
（風邪の初期症状がある場合）
葛根湯は、風邪の初期症状に効果的な漢方薬です。
葛根湯の飲み方と飲むタイミングは以下の通りです。
①服用量
･･･1日3回、食前または食間に、1包を服用します。
②飲むタイミング
･･･風邪の初期症状が出たときに飲み始めると、効果が早く現れます。
③飲み方
･･･水またはお湯で服用してください。
葛根湯は、副作用が少ない漢方薬ですが、一部の人に下痢や吐き気などの副作用が出ることがあります。
また、妊娠中や授乳中の人は、葛根湯を服用する前に医師に相談してください。
（自己判断しないこと）
医師や薬剤師から指示があれば、それに従って飲むタイミングを決めてください。
葛根湯の使用に際しては、自己判断せずに必ず医師や薬剤師に相談することが大切です。
特に既存の病気や薬との併用に注意が必要です。
まとめ
葛根湯は、一般的には生薬（生の植物素材）を煎じて作られますが、現代では錠剤や顆粒剤などの形でも市販されています。
ただし、漢方薬は個人の体質や症状によって効果が異なる場合があるため、専門の医師や薬剤師に相談して使用することが推奨されます。
