友人や家族、知人など、プライベートでメールのやり取りをしている時は良いですが、ビジネスシーンで仕事上のメールを送る場合は、マナーに沿った文章を送るのは常識です。
また、ビジネスでの社外メールを初めて相手に出すときに、基本マナーを守らないような文章だと相手に対して悪い印象を与えてしまいます。
そのようにならないために、ビジネスメールの書き出しや内容の基本パターンは、相手にとって失礼のない文章にすることが大事です。
今回は、ビジネスメールの書き出しや、初めての社外メールや役職者へ出す場合の注意点を解説します。
ビジネスメールの書き出し例、注意点は?
(メールの書き出しは手紙だと前文?)
メールも手紙の一種と考えると、メールの書き出しは手紙だと「前文」にあたります。
手紙の前文とは、「新緑の候」、「青葉のみぎり」などの時候の挨拶や、「拝啓」などの頭語のことを言います。
①メールの場合は前文を省略しても構いません。
・・・手紙の場合は前文として、時候の挨拶や拝啓などを書くことが一般的ですが、メールは手紙と異なり伝えたい内容を簡潔に使えることが目的です。
そのため、前文を省略してもマナー違反にはなりません。
(社内メールの書き出しは?)
社内メールの場合は、前文を省略する代わりに日常的に使用している挨拶を文章化して使います。
①お疲れ様です。
・・・一般的な挨拶です。担当者同士の場合によく使われます。
②お世話になっております。
・・・他の部局や目上の人にする挨拶です。
③おはようございます。
・・・朝にメールを出すときに使います。
④先日はお世話になりました。
・・・お礼や連絡、打ち合わせのときに使うことがあります。
これらのような短い挨拶の文章で構いません。
(社外メールの書き出しは?)
社外メールの場合は、少し丁寧な表現にしましょう。
①いつも、お世話になっております。
・・・一般的な挨拶文です。社外メールでも良く使われます。
②いつもご愛願賜り、誠にありがとうございます。
・・・お客様に対する挨拶文です。
③いつもお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。
・・・取引先や協力会社に対する挨拶文です。
④日頃は大変お世話になっております。
・・・お得意様へ対する挨拶文です。
⑤日頃からお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
・・・お得意様へ対するより丁寧な挨拶文です。
⑥平素より大変お世話になっております。
・・・お得意様へ対する挨拶文です。
⑦平素よりお引き立ていただきありがとうございます。
・・・お得意様へ対するより丁寧な挨拶文です。
このように、社内と社外メールでは書き出し方を少し変えて送りましょう。
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初めてメールを出すときの注意点は?
(自己紹介を先にする)
相手に初めてメールを送る場合は、前項で紹介したような挨拶文の前に、自己紹介をしましょう。
自己紹介の例としては、次のものがあります。
①初めてメールを送らせて頂きます。〇〇会社〇〇と申します。
・・・担当者同士であればこの文章でも良いでしょう。
②初めてご連絡させていただきます。〇〇会社〇〇と申します。
・・・協力会社や立場が対等の場合に使用します。
③突然のメールで大変失礼いたします。〇〇会社〇〇担当 〇〇といいます。
・・・取引先や目上の人に対しては、丁寧な表現の方が良いです。
(自己紹介と挨拶)
前段の自己紹介の後に挨拶文をつなげます。
①「初めてメールを送らせて頂きます。〇〇会社〇〇と申します。いつもお世話になっております。」
・・・このように自己紹介を先にすることで、送る相手も誰からメールが来たのかがわかり、初めてメールで会話する相手だと理解してもらえます。
この書き出しと挨拶文の後に、伝えたい内容の文章を続けましょう。
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役職者が相手の社内、社外メールの注意点は?
メールを送る場合に、ちょっと迷うのが役職者に対する呼び方です。
(社内メールの注意点)
①役職者に対して「様」や「殿」などの敬称をつけない
・・・社内メールの場合には、敬称を付けないのが一般的で、「〇〇部〇〇課長」としても問題はありません。
例を示すと「経理部山崎課長 総務課の下山です。先日の会議で・・・」という文章になります。
②役職者に「様」「殿」と付けることもある
・・・ただし独自のルールにより、社内メールでも〇〇部長様、〇〇部長殿と「様」「殿」をつけることにしている会社もあるので、自分の会社が役職者に対して「様」「殿」などを付けているのかどうかを確認する必要があります。
結果としては、自分の会社のルールに従うようにしてくださいね。
(社外メールの注意点)
社外メールの場合、相手の役職者に対して
①敬称を付けるのが基本
・・・「○○会社○○部長○○ 様」=「会社名+役職名(肩書)+氏名+敬称」
また社外メールを送るときに、自社の役職者については次のことに注意しましょう。
②自社の役職者は呼び捨て
・・・自分の会社の上司については役職者であっても、呼び捨てにするのが一般的です。
③自社の役職者は「役職+名前」で表す
・・・社外メールで自分の会社の役職者を呼ぶときは、「部長の山下」や「課長の鈴木」というようにします。
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まとめ
新入社員などで、社内・社外メールなどを初めて送るときは、緊張すると思います。
でも基本マナーとしての書き出しパターンは決まっているので、それほど難しくはありません。
相手が役職者であっても、基本マナーを守れば失礼なお文章にはならないので、安心してメールを送ってくださいね。