下肢が不自由な者が外出するときなど、車椅子を使用することが多いと思います。
車椅子には自走するもの、介助者に押してもらっているものがありますが、その他に電動車椅子に乗っている方も見かけることがありますよね。
その電動車椅子は歩道上を走っていますが、一般の自動車や原動機付自転車のように、運転免許はいるのでしょうか?
そしてどんな人が、電動車椅子を使用することができるのでしょうか?
また簡易電動車椅子というものがありますが、一般的な電動車椅子との違いは何でしょうか?
今回は、電動車椅子について免許はいるのか、操作能力の判定とは、簡易電動との違いについてわかりやすく解説します。
- 電動車椅子とは?目的と種類は?
- 電動車椅子には免許が必要なのか?
- 電動車椅子購入には補助金が出る場合がある
- 電動車椅子の判定には使用条件と操作能力が必要
- 電動車椅子と簡易電動タイプとの違いは?
- まとめ
電動車椅子とは?目的と種類は?
(電動車椅子とは?)
電動車椅子とは、電気(バッテリー)による電動機の力によって動く車椅子のことで、一般的には大小4個の車輪が付いています。
原動機により動くので、利用者(身体障害者や要介護者)にとって大変便利であり、ジョイスティックなどで簡単に操作することができます。
(電動車椅子の目的は?)
一般の車椅子と異なり、電動機で走行するので、使用者の身体への負担が少なくなります。
また。多少の坂道や段差を乗り越えることもできます。
(電動車椅子の種類は?)
電動車椅子を大きく分けると、次の2種類があります。
①自操タイプ
・・・使用者がジョイスティック(レバー)やハンドルなどを操作して、車椅子を動かします。
②介助タイプ
・・・使用者が車椅子を操作しないで介助者が操作を行ない、介助の負担を軽減させる電動車椅子です。
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電動車椅子には免許が必要なのか?
(電動車椅子に免許はいるのか?)
①電動車椅子は歩行者なので免許はいらない
・・・道路交通法上では、電動車椅子は歩行者として分類されます。
そのため原動機が付いていても、歩行者として取り扱われるので、運転免許はいりません。
②通行区域は歩行者と同じ
・・・歩道がある場合は歩道、歩道が無い道路では路側帯があれば右側の路側帯、どちらも無ければ道路の右側を通行します。一般の歩行者と一緒ですね。
③走行速度は6km/h以下
・・・6km/hは大人が速足で歩く程度の速度であり、これ以下の速度で走行します。
電動車椅子購入には補助金が出る場合がある
(補装具費支給制度)
①購入や修理に補助金支給
・・・「障害者総合支援法」による「補装具費支給制度」は、障害者が日常生活や就労、就学のために必要な機能を補完・代替する補装具を、購入や修理する場合に補助金を支給する制度です。
②補装具費支給制度の申請
・・・補助金の支給申請は各市町村に事前申請をします。
③支給制度の判定
・・・支給する目的は、重度の歩行困難者の自立、社会参加の促進です。
そのため、身体障害者更生相談所や医師の意見書などにより、電動車椅子が必要とする判定されなければなりません。
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電動車椅子の判定には使用条件と操作能力が必要
補装具費支給制度には、電動車椅子の使用条件と操作能力の判定が必要です。
(対象者)
①学齢児以上の障害者
・・・少なくても小学校高学年以上を対象とするのが望ましいとされています。
②重度の下肢機能障害者
・・・電動車椅子によらなければ、歩行機能を代替できないもの。
③呼吸器機能障害、心臓機能障害
・・・上記の障害により歩行に著しい制限を受ける方であり、医学的所見から適応可能なもの
(使用条件)
①電動車椅子の安全走行に支障ない
・・・日常生活で、視力、聴力、視野などに障害が無い方、または障害があっても電動車椅子の安全走行に問題の無い方。
②必要最小限の交通規則を遵守できる
・・・歩行者として、最小限の交通規則を理解しており、遵守することができる方。
(操作能力)
次の全ての操作を円滑に行える障害者。
① 基本操作
(ア) 操作ノブ等の操作
(イ) メインスイッチ・速度切替
(ウ) 発進・停止
② 移動操作
(ア) 速度(低速・高速等)調節
(イ) 直進(直線・蒲鉾・片傾斜道路)走行
(ウ) S字・クランク走行
(エ) 坂道走行
(オ) 溝・段差乗越え走行
(カ) 旋回
(キ) 非常時の対応
(ク) その他移動に必要な操作
アシスト式手動兼用型タイプについては、②の(エ)以外は不要です。
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電動車椅子と簡易電動タイプとの違いは?
電動車椅子購入を検討している方の中には、一般の電動車椅子と簡易型電動車椅子のどちらが良いのか迷っていることも多いと思います。
そこで、電動椅子と簡易型電動椅子の違いを解説します。
(構造)
①電動車椅子
・・・最初から電動機(モーター)で車輪が動き、大小4個の車輪が付いています。
②簡易型
・・・手動の車椅子のフレームはそのまま活用して、左右の後輪を電動機、減速装置、クラッチなどを組み込んだ車輪に交換した車椅子です。
(バッテリー)
電動車椅子と簡易型とも、ほとんど取り付けや取り外しができます。
(折りたたみ)
①電動車椅子:折りたたみできない。
②簡易型:折りたたみはできる。
(操作・操縦)
①電動車椅子
・・・ジョイスティックやハンドル。
②簡易型
・・・電動で走行しているときはジョイスティック、電動走行と手動走行ができるので、バッテリーが無くなっても手動で自走できます。
(走行安定性)
①電動車椅子
・・・重量が重たいので、一般の走行や悪路に対しても安定感があります。
②簡易型
・・・電動車椅子と比較すると、一般走行や悪路では安定性が落ちます。
(段差・登坂性能)
①電動車椅子:段差・登坂性能は高い。
②簡易型:電動車椅子よりは性能が低い。
(走行距離)
①電動車椅子:長距離向き
②簡易型:短距離向き
比較するとそれぞれの長所・短所がありますが、総合的に自宅近辺の平坦部や室内では簡易型が
良く、長時間・長距離に適しているのは電動車椅子ではないかと思います。
まとめ
電動車椅子は免許を必要としませんが、道路上を走行するので、交通規則はしっかり守るようにしてください。
歩道上を走る上で他の歩行者がいる場合は、特に安全運転が必要です。
また電動車椅子と簡易型の違いを理解して、実際の生活でどちらを選ぶのかは、自分の生活をしっかり考えて選定してくださいね。