お茶出しは、来客時や会議など、ビジネスやプライベートにおいて、欠かせないマナーのひとつです。
お茶を出す順番や出し方、お辞儀の仕方など、基本的なマナーを押さえておけば、相手に好印象を与えることができます。
また、大人数や身内へのお茶出しなど、シーンに合わせて応用的なマナーを知っておくと、よりスマートな振る舞いができるでしょう。
今回は、お茶出しマナーの基本と順番、来客時の会議室でのお茶出し、片手でお茶を出すときの出し方と注意点について、わかりやすく解説します。
お茶出しマナーの基本と順番のポイントは?
(お茶出しマナーの基本)
お茶出しマナーの基本は、以下のとおりです。
①おもてなしの心を忘れない
・・・お茶出しは、おもてなしの第一歩です。相手に気持ちよく過ごしてもらうために、心を込めてお茶を出しましょう。
②上座と下座を意識する
・・・お茶を出す順番は、上座から下座の順にします。
上座は、部屋の一番奥に座っている人や、年齢や役職が上の人です。
③お茶の温度を確かめる
・・・お茶は、熱すぎず冷めすぎない温度で出すようにしましょう。
熱すぎるお茶は、相手が口を火傷する恐れがあります。
冷めすぎたお茶は、おいしく感じてもらえません。
春、夏は少しぬるめ、秋、冬は少し熱めのお茶を出すと良いでしょう。
④湯呑みと茶たくは別々に運ぶ
・・・お茶を運ぶときは必ずお盆を用意して、湯呑みと茶たくは別々に載せます。
始めから茶たくに湯呑みを載せて運ぶとバランスが悪く、お茶がこぼれたり、来客にかかってしまう恐れがあります。
さらに、清潔な布巾を用意してお盆に載せて運びましょう。
⑤お盆の上で湯呑みと茶たくをセットする
・・・お茶のセットは、お盆の上でこぼさないように注意してセットします。
⑥ペットボトルで出す際は紙コップを添える
・・・紙コップを差し出す際には、両手で持ち、お客様に選んでもらいましょう。
(お茶出しの順番は?)
順番のポイントは、以下のとおりです。
①お客様→自社社員
・・・お茶出しは、お客様や来客者へのおもてなしのひとつです。
お茶を出す際には、相手の気持ちに配慮し、丁寧な言葉遣いや動作を心がけましょう。
②上座→下座
・・・日本には、上座と下座の概念があります。
来客時や会議など、複数人が集まる場面では、上座に座っているお客様を最優先して、お茶をお出ししましょう。
お茶を出す順番は、お客様→自社社員、上座→下座です。
お客様が複数人いる場合、入口から一番遠い上座に座っている方から、順番にお出しします。
これらのポイントを押さえて、スマートなお茶出しを心がけましょう。
③丁重な言葉遣いをする
・・・お茶を出す際には、必ず「失礼いたします」とお辞儀をします。
また、お茶を出す際には「どうぞ」と声をかけましょう。
来客時の会議室でのお茶出しのアイデアと工夫とは?
(アイデアと工夫)
来客時の会議室でのお茶出しのアイデアと工夫は、以下のとおりです。
①お茶の種類を豊富に用意する
・・・お茶の種類を豊富に用意しておけば、来客者の好みに合わせて選んでもらえます。
緑茶や煎茶のほか、ほうじ茶やウーロン茶、コーヒーや紅茶など、さまざまな種類を用意しておくとよいでしょう。
また、お茶の種類や菓子類に、季節感を取り入れるのもおすすめです。
たとえば、夏場には冷たい水出し茶やアイスコーヒー、冬場にはホットティーやホットコーヒーなどを用意すると、季節を感じていただけるでしょう。
また、季節のフルーツやゼリーなどを添えると、より華やかになります。
②お茶菓子も用意する
・・・お茶菓子があると、来客者がお茶を飲みながらゆっくりと会議や商談を楽しむことができます。
クッキーやケーキ、フルーツなど、軽いお菓子があるとよいでしょう。
また、季節に合わせたお茶やお茶菓子を用意すると、よりおもてなしの心が伝わります。夏場には冷たいお茶やアイスクリーム、冬場には温かいお茶やケーキなどを用意するとよいでしょう。
おしぼりやお菓子を同時に出す場合は、左にお菓子、中央右寄りにお茶、右におしぼりの位置に置きます。
お菓子、おしぼり、お茶の順番で出します。
③お茶出しのタイミングを工夫する
・・・お茶出しのタイミングも重要です。
会議や商談の最初に出すことで、来客者を歓迎する気持ちを表すことができます。
また、会議や商談の合間にも、お茶やお茶菓子を提供することで、来客者のリフレッシュを促すことができます。
④会議が大人数の場合
・・・会議室の広さやレイアウトに合わせて、お茶出しの方法やタイミングを工夫することも大切です。
会議室が狭い場合は、複数人で分担して、スムーズにお茶出しをするようにしましょう。
片手でお茶を出す時の出し方と注意点は?
片手でお茶を出す際には、簡便でありながらも上品な印象を与えるために、いくつかの出し方と注意点があります。
以下に、片手でお茶を出す際の基本的な手順と注意点をご紹介します。
(片手でのお茶出しの基本手順)
①湯呑みの持ち方
・・・湯呑みは右手で持ち、親指と人差し指で軽くつまむようにします。中指は湯呑みの底部で支えます。
②湯呑みの受け渡し
・・・相手の右側から回り込んで、片手で茶托に乗せた湯呑みを差し出します。
茶巾の使い方:
茶巾(ちゃきん)は左手で持ち、湯呑みの底を拭くようにします。
茶巾は湯呑みを受け取る手のひらに添わせて持ちます。
③お辞儀
お辞儀をしながら、一言「片手で失礼します」と声をかけます。
(片手でのお茶出しの注意点)
①手の清潔さ
・・・特に片手でお茶を出す際は、手が清潔であることが重要です。
手を洗っておくか、清潔な手袋を使用すると良いでしょう。
②優雅な動作:
・・・ゆっくりと優雅な動作でお茶を出すことで、上品な雰囲気を演出できます。
急いで動くのではなく、静かに丁寧に行いましょう。
③相手の視線を避けながら
・・・お茶を受け渡す際、相手の視線を避けながら行うことが一般的です。
相手が受け取るまで注意深く動きましょう。
④微笑みと心遣い
・・・お茶を出すときには微笑みを添え、相手に対する心遣いを感じさせることが大切です。
これらのポイントに気を付けることで、片手でお茶を出す際に上品で気品ある雰囲気を醸し出すことができます。
まとめ
来客時の会議室でのお茶出しは、相手へのおもてなしの心を表現する大切な機会です。
基本的なマナーを押さえたうえで、色々なアイデアや工夫を取り入れることで、より印象に残るおもてなしをすることができます。