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樹洞の中を覗いてみると・・・
野幌森林公園の中には数多くの樹洞(じゅどう:洞窟状の空間)があります。
その中には、エゾフクロウが巣作りに利用しているものや、お休み場所にしているものもあります。
樹洞を遠くから見るたびに、あの中はどうなっているのだろう?と疑問には思っていました。
エゾフクロウの樹洞は、遊歩道から外れているものが多く、また樹洞も高い位置にあるので、ほとんど中を見ることができません。
ところが、いつものとおり公園の中を散策していた時ですが、以前にエゾフクロウが居たという有名な樹木の姿が見えないのに気づきました。
あれっと樹木が無い?と近くへ行ってみると、なんとその樹木が倒れていました。
また、偶然遊歩道のそばの見やすい位置に倒れていたので、念願の樹洞の中も見るころができました。
エゾフクロウが住んでいた樹木の樹洞を大公開(大げさですけど)です。
- エゾフクロウがアライグマに襲撃された樹洞が倒れた!
- 樹洞の中身はどうなっているの?
- 住みやすい樹洞はアライグマもお気に入り?
- 夏の花、アケボノソウのある場所!
- アケボノソウとはどんな花?
- 野幌森林公園のアケボノソウの場所
エゾフクロウがアライグマに襲撃された樹洞が倒れた!
(エゾフクロウが居た有名な樹木)
場所は、瑞穂園地から開拓の村へ向かう「瑞穂線」の途中の高台にあった樹木です。
この樹木の樹洞は、遊歩道から見ることができ、エゾフクロウが巣にしていたので有名でした。
しかし、いつしかアライグマの襲撃を受けたのが原因で、エゾフクロウの姿を見ることができなくなりました。
でも、ひょっとしたらエゾフクロウが戻ってきているのでは?と近くを通ったときは、思わず見上げて確認してしまう樹洞でした。
ところがある冬に、遊歩道を歩いていると、なんと樹洞のある樹木がゴロリッと倒れていたというわけです。びっくりですよ。
樹洞の中身はどうなっているの?
(樹洞の中を見る絶好のチャンス!)
これで、エゾフクロウのいた有名な樹木も無くなってしまった。とボーッと眺めていましたが、よく見ると樹洞が丸見え状態なのに気が付きました。
倒れてしまったのは残念ですが、倒れて転がってきた場所が遊歩道のすぐそばだったので、偶然にも樹洞の観察をすることができました。
倒れたのが冬だったので、他の樹木や葉っぱが邪魔にならないので良かったです。
(上から覗くとこんな感じです)
樹洞の中はどうなっているのだろう?と、近寄って撮った写真が今回の写真です。
なんと、中身はほとんど樹皮だけのような空っぽの状態でした。
まるで煙突のような樹洞ですが、ここで育った雛鳥は、時期が来るとうまく樹洞を上って巣立ちをしたようですね。
(下から覗くと向こうに日差しが見えます)
下の方から覗いてみると上の方が明るく見えます。
すべすべではないですが、このような状態は初めて見ました。
住みやすい樹洞はアライグマもお気に入り?
(野幌森林公園にはアライグマがいる!)
野幌森林公園には、飼いきれなくなったアライグマを捨てたことや、飼い主の元を逃げ出したアライグマが繁殖して、現在も多くのアライグマが住んでいます。
夜に私の家の庭にも表れたことがあり、びっくりしました。
このアライグマは狸のような姿をしていますが、気性は正反対で気は荒く、人にはまったく懐きません。アニメの可愛いイメージとは程遠く、畑の作物などを荒らすという害獣です。
(エゾフクロウとアライグマは競合する!)
アライグマも大きな樹洞が大好きで、かなり高い樹洞であっても上手く木を登ってねぐらにします。
空っぽの大きな樹洞がお好みと言う、エゾフクロウと巣争いで競合してしまいます。
でも10~15kgの体重がある雑食性のアライグマには、全長約50㎝のフクロウは負けてしまいます。
そのため、フクロウが居そうな樹洞でも、実際にはアライグマが住んでいることもあります。
しかし、同じ樹洞を利用しているからといって、アライグマがエゾフクロウを追い出したとは限りません。
エゾリスが巣を放棄したあとに、偶然アライグマが住むこともあるからです。
上の写真は、エゾユズリハコースの同じ樹洞に、エゾフクロウとアライグマが居たという写真です。
元々エゾフクロウが巣にしていた場所を、アライグマが横取りしたものです。
でもアライグマはどこかへ行ってしまいました。
夏の花、アケボノソウのある場所!
北海道では、暑い夏も落ち着きを見せ、ちょっと涼しくなってきましたね。
野幌森林公園では、9月初旬頃にアケボノソウが咲いてきます。
以前は、所々でみられたのですが、近頃は咲いている場所が減ってきたような気がしますね。
そこで、今回は例年のようにアケボノソウが咲いている場所と写真をお伝えしますので、自然観察の時に参考にしてください。
ただし、毎年咲いているとはかぎりませんので、ご了解ください。
アケボノソウとはどんな花?
アケボノソウ(曙草)は、リンドウ科センブリ属の2年草で、花が咲くときは茎の高さが70㎝~1m程度になり、直立して枝分かれした先に花が数個ずつ咲きます。
多くは数本から群生状態で育っています。
(基本的なのは、花冠5個タイプ)
基本的には、5個の白色の花冠になり、各花冠には黄緑色の2個の紋様と、黒っぽい斑点が多数現れます。
でも花冠はそれだけじゃありません。
十文字のものや5個以上あるものもあります。
数が多い花冠を見たときは、何かラッキーと思って1日が楽しくなりますよ。
ふれあい交流館の周辺では、夏の間に展覧している写真集がありますが、その中にもアケボノソウの写真も紹介されています。
(花冠が少ない十字タイプもあります)
何故か、5個タイプの中には、4個(十文字)タイプも混ざっています。
花自体は小さい花ですが、夏が過ぎたときに見かける代表的な花です。
十文字タイプも意外とあります
野幌森林公園のアケボノソウの場所
(瑞穂連絡線のアケボノソウ)
大沢口から中央線を通って瑞穂連絡線へ入り、百年記念塔へ向かう道と瑞穂の池へ向かう交差点のそばです。
この交差点を百年記念塔へ向かって約100mの右手にある場所です。
お散歩するほとんどの人が、見かける有名な場所で、いつも前の道路がジメジメしています。
瑞穂連絡線の交差点:百年記念塔へ向かう道です
2021年のときは、この場所ではなくて、50mくらい手前に1本だけ咲いていました。
小さな蕾から、次から次へと花が咲いてきます。
ここら辺のアケボノソウは、どちらかというと茎の高さは低いですね。
(中央線のアケボノソウ)
中央線を南に基線方向へ約1.5km行くと、右側に古くなった鉄扉があります。
そこからさらに基線方向へ向かう途中の左側の側溝の中です。
以前は目立っていたので、多くの人が写真を撮っていましたが、現在は前ほど目立たなくなりました。
中央線の鉄扉:昔はこの奥に建物がありました。
下の写真は、よく見かけたときのもので、側溝の横に咲いていたものです。
遊歩道沿いですが、写真を撮るために周りの草を踏んだ跡があります。
以前はすぐ場所がわかりましたが、2021年のときはちょっとわかりにくくなっていました。
(モミジコースのアケボノソウ)
モミジコースの中で、中央線と平行する路線の途中の場所になります。
エゾマツコースとモミジコースの交差点からモミジコースを約250m南へ行くと、東3号作業道と交差します。
さらに中央線と平行するモミジコースを南へ行くと、左側にアケボノソウの群生があります。
モミジコース自体は、遊歩道の中でも狭い路線なので、通行には注意してくださいね。
モミジコースの中央線と並行している遊歩道
そこそこの群生です
(瑞穂線のアケボノソウ)
瑞穂の池から瑞穂口へ向かう途中の左側にあります。
瑞穂口へ向かう途中の左側にベンチのお休みどころがありますが、そこから少し瑞穂の池のほうに戻った場所ですね。
少し開けた場所で、水溜りがあったりするジメッとした場所です。
以前は株数もかなりあったのですが、現在は少なくなりました。
ここのアケボノソウは、他の場所よりも花冠が多いものがあります。
(珍しい6枚タイプ)
上の写真の6枚タイプは、バランスが取れた素敵な花冠です。
これが一番、好きなタイプかな。
超珍しい7枚タイプ
上の7枚タイプは、この場所で見つけた花です。
さすがに8枚タイプはみかけませんね。
インターネットで写真を検索しても、7枚タイプはありますが、8枚タイプは無いようです。
(遊歩道の他の場所)
その他にも散策していると、アケボノソウを見かけることがありますが、群生しているものは毎年見ることができますが、単独で咲いている場合は、いつも間にか無くなってしまうものもあります。
1本咲きを偶然見つけると、とてもうれしい気分になります。