厚労省が公表している2021年(令和3年)における離婚率は1.50(人口千対)であり、人口千人当たり1.50人が離婚していることになります。
離婚率は、1970年代にピークを迎えた後、徐々に減少していますが、近年は横ばいとなっています。
離婚の原因は、夫婦間の不仲、経済的な問題、DVなど、さまざまです。
離婚したいと思うのが夫や妻のどちらか、または双方とも考えている場合、どっちかが一方的に離婚を考えている場合など色々のパターンがありますね。
今回は、離婚したい夫の心理と行動、離婚したくない妻が注意すべきこと、離婚を回避するための対応策などについて解説します。
離婚したい夫の悩みと離婚へ向かう心理とは?
(夫の悩みと心理とは?)
離婚したい夫が抱える悩みや離婚へ向かう心理は、個人によって異なりますが、一般的な要素には以下のものがあります。
(結婚生活の不満)
夫は結婚生活において不満や不適応感を抱いていることがあります。
①妻との性格の不一致
・・・妻が夫の意見にすぐ反対する。共通の趣味や話題が無い。意見を言っても平行線で感情的になりヒステリーを起こすなどがあります。
②子供の教育を命令してくる
・・・夫婦で共に教育するのではなく、妻が夫に一方的に教育をするよう命令してくる。妻が子供の教育に興味がないことがあります。
③このままでは幸せになれない
・・・ちょっとしたことで喧嘩になってしまい、現状から逃げ出したくなってしまいます。
(価値観の違い)
①金銭感覚の違い
・・・妻の金遣いが荒い。自己中心的に物を購入する。夫の趣味には理解がなく、自分の趣味にはお金をかけるなどに不満を持ってしまいます。
②妻の行動でストレス
・・・妻の不平・不満や行動により、ストレスが溜まってしまいます。
(マイナス感情の蓄積)
①悪口を言う
・・・子供の前で親や親族の悪口を言う。給料や学歴、出世、成績などについて嫌みを言われることで、気分が暗くなってしまいます。
②夫の家と妻の家を比較する
・・・妻が夫の実家と自分の実家を比較して、悪口を言うことや、子供の前で夫の実家の悪口を言う。親族から物を貰っても感謝の言葉がないのが失礼だと思ってしまいます。
③劣等感をもってしまう
・・・自分の家庭と他の家庭を比較して、他の家庭が幸せそうで劣等感を持ってしまいます。
(コミュニケーション不足)
①家に帰ると疲れる
・・・仕事から疲れて帰っても、過剰な小言や悪口、または会話が無いなど余計に疲れてしまいます。
②スキンシップが少ない
・・・日常的に妻と一緒の時間が少ない。食事をするのも一人ですることが多いので寂しいことがあります。
(妻・または夫が不倫)
①妻の不倫
・・・妻が不倫をしている。そのため、怒りや無力感、失望、寂しさなどのマイナス感情が積み重なってきます。
②夫(自分の不倫)
・・・一時的なものではなく、妻に愛情が無くなり、他の女性に愛情を感じ相手も本気な場合は、現在の結婚生活を続けることは難しいことかもしれません。
(家事・料理をしない)
①食事に不満・部屋がゴミ屋敷
・・・食事がインスタントやレトルトが多い。料理ができない。
家の片づけができない。部屋がゴミ屋敷状態になっているのが嫌になってしまいます。
(自己実現や幸福追求)
①離婚としたいと思うようになる
・・・夫は自己実現や幸福追求のために、離婚を選択する場合もあります。
結婚生活において自分自身の成長や満足感を得ることができないと感じ、離婚を選ぶことで新たな人生の道を模索することがあります。
(子供の幸福を考える)
①子供だけは幸せにしてあげたい
・・・離婚を望む夫の中には、子供の幸福を考慮している場合もあります。
夫は自身の結婚生活が子供にネガティブな影響を与えると感じ、離婚を選ぶことで子供たちにより良い環境を提供しようとする場合があります。
離婚したくない妻が注意すべき、離婚したい夫の行動は?
離婚したくない妻が注意すべき、離婚したい夫の行動にはいくつかの要素があります。
以下に一部を挙げますが、個々の状況によって異なる可能性があるため、一般的な行動としてご参考ください。
(離婚したい夫の行動とは?)
①コミュニケーションの欠如
・・・離婚を望む夫は、コミュニケーションを避けたり回避したりすることがあります。
また、自分の部屋に一人でいることも多くなり、家族と一緒にいることも少なくなります。
②帰宅が遅い、お酒の回数が多い
・・・帰宅が遅くなることや、お酒を飲んで帰るのが増えることが多くなります。
これは、家に帰りたくないとか、妻と顔を合わせたくない、話したくないという理由があります。
③無関心または距離を置く態度
・・・離婚を考える夫は、感情的に無関心になったり、パートナーから距離を置いたりすることがあります。
妻が挨拶や質問をしても、返事をしないとか、話しをしても上の空ということが多くなります。
④衝動的な行動が増える
・・・離婚を望む夫は、感情的に動じやすく、衝動的な行動に出ることがあります。
短気になり、少しのことでもキレることが増え、感情的になることが多くなります。
そのため、暴れることや暴力をふるうようになる場合もあります。
⑤子供への関与の減少
・・・離婚を考える夫は、子供へのスキンシップが減少し、可愛がることが減ります。
⑥妻の実家に行かない
・・・離婚を考え始めると、妻の実家に対して関心が無くなり、取り繕う気も無くなります。
回避するための説得方法や、話し合いなどの解決策は?
(説得方法や解決策は?)
離婚を回避するための説得方法や、話し合いなどの解決策は、夫婦の状況によって大きく異なります。
離婚の理由が全て妻が悪いということだけではありませんが、話し合いをするには相手の言い分を反論しないで、全て言わせるようにしたほうが、話し合いを進める上で、参考になると思います。
一般的に離婚防止に効果的な方法としては、以下のようなことが挙げられます。
①コミュニケーションを確保する
・・・離婚を回避するためには、夫婦間でオープンかつ率直なコミュニケーションを行うことが重要です。
互いの感情や懸念を共有し、相手の意見や要求を理解する努力をすることが求められます。
②共感と理解を示す
・・・離婚を望む夫の感情や悩みに対して、妻は共感し理解を示すことが重要です。
夫が抱える問題や不満を真剣に受け止め、その解決に向けて協力する姿勢を示すことで、夫の心を開く可能性が高まります。
夫の気持ちを理解しようとするのも大切です。
③夫の視点を尊重する
・・・離婚を考える夫の視点や意見を尊重することも重要です。
夫が抱える悩みや希望に対して真剣に向き合い、妥協や解決策を模索することで、お互いにとって受け入れ可能な解決策を見つけることができます。
また、妻に対する不満を全て話してもらい、改善できるものは改善するように伝えます。
④夫婦カウンセリングを受ける
・・・夫婦カウンセリングは、離婚を回避するための効果的な手段です。
専門家の助言や指導のもと、夫婦間のコミュニケーション改善や問題解決のスキルを習得することができます。
⑤妥協する
・・・離婚を回避するためには、お互いが妥協する必要があります。
双方が譲り合い、相手の意見や要求に対して柔軟な姿勢を示すことで、解決策を見つけることができます。
⑥子供の幸福を最優先に考える
・・・離婚を考える際には、子供の幸福を最優先に考えることが重要です。
夫婦は子供のために協力し、共同育児を継続することを目指すことで、離婚を回避し家族の絆を保つことができます。
まとめ
離婚は、夫婦にとって大きな人生の転機です。
離婚を考えている場合は、弁護士に相談して、離婚手続きや子どもの親権などについて、専門的なアドバイスを受けることをお勧めします。