ロコモティブとは、運動器の機能低下によって起こる障害の総称です。
加齢に伴って発症するリスクが高くなりますが、早期に予防することで発症を遅らせたり、症状を軽減したりすることができます。
厚生労働省も国民の健康増進を目指す項目として、ロコモティブの予防を掲げています。
今回は、ロコモティブとは何か、原因と症状は、また自分が該当するかを確認するチェックリストや予防方法をご紹介します。
併せて、ロコモティブの予防に役経つ健康メニューについてもご紹介します。
- ロコモティブとは?原因と症状は?
- ロコモティブのチェックリストと厚生労働省が推奨する予防方法は?
- (厚生労働省が推奨するロコモティブの予防方法は?)
- ロコモティブ予防に役立つ健康的な食事メニューは?
- まとめ
ロコモティブとは?原因と症状は?
(ロコモティブとは?)
ロコモティブとは、正式にはロコモティシンドロームと言い、主に高齢者に見られる身体機能の低下による健康リスクを指します。
一般的な老化ではなく、身体機能の低下によって生活の質が低下することを表現しています。
具体的には、骨粗鬆症、筋力低下、バランス障害、動作能力低下などが挙げられます。
(ロコモティブの原因は?)
ロコモティブの原因は、主に以下の要因によって引き起こされます。
①加齢
・・・高齢者に多く見られるロコモティブの主な原因の一つです。
年齢とともに筋肉や骨の量や質が低下し、関節の柔軟性が減少します。
②筋力低下
・・・適切な運動を行わないことにより筋肉量が減少し、筋力が低下します。
筋力が弱まると、日常生活での動作が難しくなります。
③骨密度の低下
・・・加齢により骨密度が減少するため、骨折や関節の変形のリスクが高まります。
④関節の変形
・・・関節の柔軟性が低下し、関節の変形が生じることで動きが制限されることがあります。
⑤神経の損傷
・・・神経がダメージを受けることによって、筋肉の制御や感覚が低下し、歩行やバランスに影響を及ぼします。
⑥運動不足
・・・日常的に運動を行わないことにより、筋肉や骨の健康を保つための刺激が不足し、ロコモティブのリスクが高まります。
⑦不健康な生活習慣
・・・喫煙や過度の飲酒、不健康な食生活などの生活習慣がロコモティブを促進する要因となります。
これらの原因が相互に影響し合い、ロコモティブの発症や進行に関与します。
予防や早期の対策を行うことで、ロコモティブの進行を遅らせることができる場合もあります。
(ロコモティブの症状は?)
症状が進行すると、日常生活の制約や健康リスクが高まる可能性があります。
①歩行困難
・・・足腰の筋力低下や関節の変形によって歩行が難しくなり、足を引きずったり、不安定になったりすることがあります。
②バランスの悪化
・・・筋力や神経の低下により、バランスを取りづらくなり、転倒しやすくなることがあります。
③筋力低下
・・・特に下半身の筋力が低下することが多く、階段の昇り降りや立ち上がりなどが難しくなることがあります。
④関節痛
・・・関節の変形や炎症により、関節が痛んだり腫れたりすることがあります。
⑤腰痛
・・・腰部の筋力低下や関節の問題によって、腰痛が発生することがあります。
⑥姿勢の変化
・・・背骨や関節の変形により、姿勢が変わることがあります。
⑦活動範囲の制約
・・・身体の不具合によって日常生活の動作が制約されることがあります。
ロコモティブのチェックリストと厚生労働省が推奨する予防方法は?
(ロコモ度テスト)
ロコモチャレンジ!増進競技会の「ロコモ度テスト」で、自分がロコモかどうか調べてみましょう。
ロコモ度テストには次のものがあるので、チェックしてみましょう。
①立ち上がりテスト
・・・下肢筋力を測ります。椅子(台)は40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の高さで、両足または片足で椅子からの立ち上がりテストで判定します。
②2ステップテスト
・・・歩幅を測ります。両足のつま先をそろえ、大股で2歩歩き、歩幅の距離やバランス能力で判定します。
③ロコモ25
・・・この1カ月間の身体状態や生活状況からロコモ度を判定します。
テストの詳細については、下記サイトを参照してください。
公式:
ロコモかどうかCheckしよう | ロコモONLINE | 日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
(厚生労働省が推奨するロコモティブの予防方法は?)
(予防方法は?)
①適度な運動
・・・日常的な運動を取り入れることが大切です。
有酸素運動、筋力トレーニング、バランスを鍛える運動などが効果的です。
②健康的な食生活
・・・バランスの良い食事を心掛け、栄養豊富な食材を摂取することで、骨や筋肉の健康をサポートします。
③禁煙
・・・喫煙は骨や血管に悪影響を及ぼすため、禁煙を心掛けることが重要です。
④適切な飲酒
・・・過度の飲酒は健康に悪影響を及ぼす場合があるため、適度な飲酒を心掛けます。
⑤定期的な健康チェック
・・・健康専門の医療機関での健康チェックや相談を行うことで、早期発見・対策が可能となります。
ロコモティブ予防に役立つ健康的な食事メニューは?
(栄養バランスを考えた食事メニューを!)
ロコモティブ予防に役立つ健康的な食事メニューには、以下のような栄養バランスの取れた食品を含めることが重要です。
これらの食品は骨や筋肉の健康をサポートし、ロコモティブの予防に役立ちます。
①カルシウムを含む食品
・・・カルシウムは骨の健康に欠かせない栄養素です。
乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、大豆製品(豆腐、豆乳)、小魚(サバ、アジ)、緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー)などがカルシウムを豊富に含みます。
②タンパク質源
・・・筋肉の成長や修復に必要なタンパク質は重要な栄養素です。
肉、魚、大豆製品、ナッツ類、乳製品などから摂取できます。
③ビタミンDを含む食品
・・・ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康を促進します。
サーモン、マグロ、卵黄、キノコなどがビタミンDを含んでいます。
④フルーツと野菜
・・・抗酸化作用のあるビタミンやミネラルを含むフルーツと野菜は、細胞の健康をサポートし、ロコモティブの予防に寄与します。
⑤水分補給
・・・適切な水分補給は関節の潤滑に必要であり、脱水を防ぐために重要です。
また、食事の量を調整し、過度なカロリー摂取や肥満を避けることも重要です。
健康的な食事は日常的な生活習慣となり、ロコモティブ予防に効果的なサポートを提供します。
個々の健康状態やニーズに応じて、栄養士や医療専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
まとめ
ロコモティブの症状が進行すると、身体機能の低下による自立性の低下や転倒・骨折のリスクが増加することがあります。
ロコモティブの予防や早期の対策を行うことが重要であり、健康的な生活習慣や適切な運動を取り入れることで、健康な老後を迎えましょう。