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車いすフェンシングの歴史は?ルールを簡単に解説!

車いすフェンシングとは、下肢障がいなどの方が、ピストと呼ばれる固定された車いすに乗って行うフェンシングです。

フェンシングの道具は、一般のフェンシングと同じ剣や防具を使用しますが、車いすが固定されている分、上半身を激しく動かし相手をしとめる剣さばきなど、攻撃と防御のテクニックには目をみはるものがあります。

その車いすフェンシングの歴史とルールについて、簡単に説明します。

車いすフェンシングの歴史

(世界の歴史)

1948年:ドイツからイギリスに亡命したドイツ人医師「ルートヴィヒ・グットマン」が、ロンドンのストーク・マンデル病院で、入院患者のリハビリテーションのために行ったスポーツ大会が車いすフェンシングの始まりと言われています。

1960年:ストーク・マンデル病院のスポーツは既に国際競技会へ発展し、イタリアオリンピックと同じローマで行われました。

そして、この時の大会が第1回パラリンピックとして、認知されたのでした。

それからは、現代までパラリンピックの正式競技として行われています。

(日本の歴史)

1994年:日本では1964年に行われた東京パラリンピックに、日本人選手が出場した記録は残っていますが、それ以降はしばらくの間日本人選手は存在しなかったようです。

1994年:京都市障害者スポーツセンターで、車いすフェンシングを行うグループが生まれました。

1998年:その後、この活動していたグループが基となり、日本車いすフェンシング協会が設立されました。

2000年:シドニーパラリンピックに出場。

2004年:アテネパラリンピックに出場。

2008年:北京パラリンピックに出場。

2015年:2020年の東京パラリンピックを目指して、「日本車いすフェンシング協会」から、「NPO法人日本車いすフェンシング協会」として再スタートしました。

2021年:2020東京パラリンピックに出場。

車いすフェンシングの種目の特徴は?

車いすフェンシングの種目の特徴を、簡単に説明します。

(競技するときの剣と防具は?)

車いすフェンシングで使用する剣と防具は、国際フェンシング連盟の競技規則に準じ同じものを使用します。

(競技種目の特徴)

競技種目には男女共に、フルーレ、エペ、サーブルの三種目の個人戦団体戦があります。

①フルーレ

・剣:最大110㎝(剣身最大90㎝)、重さ500gを超えない。

・攻撃方法:突き

・有効面:胴体のみ(有効面となる胴体には、メタルジャケットを着用)

・攻撃権:有(攻撃権は、先に手を伸ばして攻撃を仕掛けた選手に与えられる優先権。攻撃権があるときに突きや斬りを決めるとポイントになります)

・参加種目:男女の個人戦団体戦

②エペ

・剣:最大110㎝(剣身最大90㎝)、重さ770gを超えない。

・攻撃方法:突き

・有効面:上半身(下半身を攻撃しても反応しないように、絶縁スカートを着用)

・攻撃権:無(うかつに手を出すとポイントを取られることがあります。お互いに攻撃して同時にランプが点いてポイントが入ることがあります)

・参加種目:男女の個人戦団体戦

サーブル

・剣:最大105㎝(剣身最大88㎝)、重さ500gを超えない。

・攻撃方法:突き、斬り

・有効面:上半身(突き以外に斬りがあるので、剣に付いたセンサーが振動を捉えて、相手を斬ったかどうかを感知して審査器が判定します)

・攻撃権:有(攻撃権は、先に手を伸ばして攻撃を仕掛けた選手に与えられる優先権。攻撃権があるときに突きや斬りを決めるとポイントになります)

・参加種目:男女の個人戦

(クラス分け)

車いすフェンシングは、下肢に障がいのある選手が行いますが、障がいの程度によって不公平な戦いになることがあります。

そのため、障がいの種類や程度により、2つのクラスに分けて競技を行います。

①カテゴリーA

・・・障がいの程度が比較的軽く、自力で歩けるほど障がいの軽い選手もいます。

体幹バランスは良好です。

②カテゴリーB

・・・障がいの程度が比較的重く、深く腰掛け脚が動かないようにベルトで固定します。

腕にも障がいがある選手は、テーピングで剣と腕を固定することもあります)

体幹バランスは悪く車いすに深く腰掛けるため、前後に深く身体を倒すことは難しいです。

車いすフェンシングのルールは?

車いすフェンシングの概要を簡単に説明します。

車いすを固定する)

ピストという器具で、車いすの両タイヤを固定します。

全ての車輪は、ピスト上にあること。

(ユニフォーム)

選手の安全のために、ユニフォームは安全基準に合格したもので行います。

(クッションの使用)

斎行10㎝までの高さのクッションを使用することができます。

(アン・ギャルドから始める)

競技はアン・ギャルド(構えの姿勢)で静止してから、合図によって開始します。

フルーレ、エペの場合は、アン・ギャルドは剣を持つ手を肘で曲げ、相手の剣とクロスさせますが、刃と刃は合わせません。

サーブルは剣をクロスさせません。

車いす間の距離)

対戦する種目に合わせて距離を調整して行い、選手が距離に異論があることは、審判が最終決定します。

(得点)

個人戦

・予選・・・5トゥシュ(突き)を先取、または3分間で多くのトゥシュを決めた選手の勝ち。

・決勝トーナメント・・・3分間×3セットを行ない、15トゥシュを先取するか、3セット終了時に多くのトゥシュを決めた選手の勝ち。

団体戦

・カテゴリーBの選手を1名以上含めた3名で1チーム。

・予選、決勝トーナメント・・・1名が3分間で5トゥシュ先取制の試合を3セットずつ行います。

3名で最高9セットの中で45トゥシュ先取するか、タイムアップ時で得点の多いチームが勝ちです。

まとめ

車いすフェンシングは固定された車いす上で、ほぼ相手との射程距離がゼロの状態で戦います。

瞬間的な攻撃、防御によりアッと言う瞬間で勝負が決まります。

その瞬間的な攻防のテクニック、スピードが車いすフェンシングの魅力ですね。