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車椅子フェンシングのクラス分けや種目の魅力とは?

車椅子フェンシングは、車椅子に座った状態で行われるフェンシングで、パラリンピックの正式種目でもあり、世界中で愛好されているスポーツです。

この競技は、車椅子を使いながらフェンシングの技術を駆使し、相手との剣術の勝負に挑むもので、障害を乗り越えて戦うアスリートたちの姿を間近で見ることができる貴重な競技でもあります。

観客の方から見ても、車椅子フェンシングは、障害をもつアスリートたちが持つ強い意志や技術力に感銘を受けることができます。

ただし、観戦する際には選手のクラス分けや種目についての知識が必要となります。

今回は、車椅子フェンシングを観戦するときの予備知識として、選手のクラス分け、種目、競技の魅力について解説します。

椅子フェンシングのクラス分け!障害の程度で分けられる

車椅子フェンシングは、身体障害のある人たちにとって、身体的制限を克服してスポーツを楽しむ機会を提供しています。

このスポーツは、車椅子を使いながらフェンシングの技術を駆使し、相手との剣術の勝負に挑むものです。

車椅子フェンシングには、クラス分けと種目が存在し、それぞれ独自の魅力を持っています。

(車椅子フェンシングは、二つのクラスに分かれる)

クラス分けは、選手の身体機能に基づいて行われるため、身体障害の程度によって、カテゴリーAとカテゴリーBに分けられます。

パラリンピックやその他の大会では、車椅子フェンシング選手を「カテゴリーA」と「カテゴリーB」に分けて競技が進められます。

①カテゴリーA

・・・軽度な障害を持つ選手が含まれます。

これらの選手は、身体を伸ばしての攻撃や後ろに倒して攻撃をかわすことが可能で、下肢の切断やまひなどの障害を持ちますが、腹筋があり体幹バランスが良好であるとされています。

②カテゴリーB

・・・重度な障害を持つ選手が含まれます。

これらの選手は、車椅子に深く腰を掛け、前後に深く身体を倒すことが困難であり、腹筋がなく体幹バランスが悪いことが特徴です。

また、四肢に障がいを持つ選手も含まれることがあります。

(クラス分けで公平に戦う)

車椅子フェンシングのクラス分けは、障害者スポーツの公平性と競技性の両立を図るために重要な役割を果たしています。

クラス分けによって、同じ程度の障害のある選手同士が戦うことができ、公平な試合が展開されます。

車椅子フェンシングの種目!フルーレ、エペ、サーブルとは?

車椅子フェンシングは、フルーレ、エペ、サーブルの3つの種目があります。

それぞれ攻撃方法や攻撃の有効面が異なりますが、そのルールは非常に複雑です。

そこで、以下に詳しく解説していきます。

(フルーレ)

①攻撃方法:突き技のみ有効

②攻撃の有効面:胴体のみ

③攻撃権:あり

パラリンピックでの実施:男女の個人戦団体戦

⑤使用する剣の規定

・・・剣の長さ:110㎝以下、剣身:90㎝以下、重さ:500g以下

(エペ)

①攻撃方法:突き技のみ有効

②攻撃の有効面:上半身全体

③攻撃権:なし

パラリンピックでの実施:男女の個人戦団体戦

⑤使用する剣の規定

・・・剣の長さ:110㎝以下、剣身:90㎝以下、重さ:770g以下

サーブル

①攻撃方法:突き・斬りが有効

②攻撃の有効面:上半身全体

③攻撃権:あり

パラリンピックでの実施:男女の個人戦

⑤使用する剣の規定

・・・剣の長さ:105㎝以下、剣身:88㎝以下、重さ:500g以下

(攻撃権)

フルーレとサーブルの2種目では、攻撃権(先に腕を伸ばして攻撃を仕掛けた方)がある状態で、突きや斬りを決めたときに初めてポイントになります。

攻撃権が無い場合は、ポイントは入りません。

攻撃権の無い選手は、攻撃権のある相手の剣を払って剣先を逸らせたり、間合いを切って逃げ切ることで攻撃権が相手に移ります。

車椅子フェンシングの魅力!激しい攻防戦が見どころ

(大会での試合方式は?)

競技には個人戦団体戦があり、予選プールが行われ、その結果により決勝トーナメントが組まれて順位を決めます。

個人戦

①予選プール

・・・5トゥシュ(突き)を先取、または3分間でより多くのトゥシュを決めた選手の勝ち。

②決勝トーナメント

・・・3分間を3セット行い、15トゥシュを先取、または3セット終了時により多くのトゥシュを決めた選手の勝ち。

団体戦

①予選、決勝トーナメント:ともに同じ方式

②チーム構成:カテゴリーBの選手を1名以上含めた3名

③勝敗

・・・1名が3分間で5トゥシュ先取制の試合を3セットずつ行い、3名で最高9セット中に45トゥシュ先取するか、タイムアップ時点で得点の多いチームの勝ち。

(魅力と激しい攻防戦)

①試合展開

・・・車椅子フェンシングは、障害者スポーツですが、その試合展開は健常者のフェンシングと何ら変わりはありません。

むしろ、車椅子を使用しているため、よりスピード感と迫力のある試合が展開されると言えます。

②判断力と素早い反応

・・・この競技では、瞬時の判断力と素早い反応が重要です。

選手たちは、相手の攻撃をかわしつつ、自身の攻撃を的確に行う必要があります。

車椅子上でのバランスと機動性を活かしながら、正確な剣の振りと身体の動きを組み合わせます。

③至近距離の攻防戦

・・・車椅子フェンシングの魅力は、至近距離で繰り広げられる激しい攻防戦にあります。

車椅子フェンシングでは、車椅子を固定して戦うため、絶えず相手と至近距離で突き合うことになります。

そのため、スピード感と迫力のある試合が展開されます。

まとめ

車椅子フェンシングの魅力は多岐にわたります。

競技者たちは自身の身体制約を乗り越えながら、戦略的な思考と優れた技術を駆使して勝利を目指します。

観客にとっても車椅子フェンシングは感動と興奮を与えるものであり、その独自の美学と競技の魅力に魅了されることでしょう。