バスケットボールには、障がい者が車椅子を使って行うバスケットボールがあり、日本では漫画「リアル」のヒットやパラリンピック出場などにより徐々に認知度が高まってきました。
実際に車椅子バスケを見ると、その攻防の迫力とテクニック、スピードなど、他のスポーツを圧倒するような魅力や見どころがあり、パラリンピックで最も人気のある競技の一つです。
今回は、その車椅子バスケは、一般のバスケとはルールが異なるところもあるので、基本的なルールをご紹介します。
ルールをしっかり知ることで、車椅子バスケの魅力や見どころが倍増し、さらに楽しく観戦できますよ。
【目次】
車椅子バスケの基本的なルールは?
一般のバスケと車椅子バスケは一部を除き、同じルールを採用しています。
使用するコートの大きさ
①使用コート・・・縦28m×横15m
②フリースローライン・・・エンドライン内側からフリースローラインの遠い縁まで5.8m
③スリーポイントライン・・・相手チームのバスケットの中心点から真下のポイントを中心として円周の外側まで半径6.75mの半円
④ゴール高さ・・・3.05m
競技の概要
①チーム人数・・・1チーム最大12名。コート上には5人出場
②コート上の持ち点・・・障がいの程度による持ち点が、5人合計が常に14点以内
③選手交代・・・回数制限なし
④試合時間・・・1試合10分間(ピリオド)を4回。第1と第2、第3と第4の間にそれぞれ2分間のインターバル、第2と第3ピリオドの間に10分若しくは15分のハーフタイムがあります。
第4ピリオドで決着がつかないと1回5分の延長ピリオドを決着がつくまで行います。
車椅子バスケとしての特性
クラス分けシステム
障がいの程度によって、各選手に持ち点が付きます。
最小1.0点から障がいの程度により0.5点きざみで、最大4.5点まであります。
車椅子バスケ独特のルール
①トラヴェリング・・・ボールを持って車椅子を3回漕ぐとファールです。2回漕いだら1回ドリブルをしなければなりません。
②ダブルドリブルはない・・・ダブルドリブルがないので、ドリブルとボールを持つことを繰り返し行うことができます。トラヴェリングだけに気を付けるようにします。
③ファール・・・選手同士が激しい接触をすることや、相手を押す・叩く・掴むことはファールです。
1選手が1試合に5回ファールをすると、退場処分になりその試合には出場できなくなります。
車椅子を転倒した場合は
車椅子が転倒したときは、自力で起きなければなりません。起きることができないときは審判が試合を中断しますので、スタッフなどが車椅子を起こすことになります。
ボールを持っている選手が転倒した場合は、相手チームのスローインになってしまいます。
車椅子バスケの魅力や見どころは?
車椅子バスケならではの魅力と見どころはおすすめですよ。
車椅子の絶妙な動きを観察
①車椅子操作テクニック・・・ターンなどの滑らかな車椅子操作技術、少ない動きでのゴールなど八の字車椅子ならではの動きは魅力的です。
②車椅子のスピード・・・緩急をつけた車椅子のスピードには目を見張ります。
1回こぐだけのダッシュスピードは、想像以上のスピード感があります。
③驚きのパスワーク・・・車椅子を斜めにしながらのパス回しやシュートには驚きを隠せません。
④持ち点による働き・・・持ち点の差によって選手の動きも違いますが、持ち点が高い(障がい度が低い)からといって持ち点が低い人の動きをかわせるものではありません。
ディフェンスで自陣をブロックすることや、味方のオフェンスのチャンスを作り出したりします。
⑤綿密な作戦・・・綿密な作戦に基づいたチームワーク、選手の特性に合わせた戦略を試合を通して楽しんでください。
まとめ
車椅子バスケのルールを知って観戦すると、一般のバスケでは見られないテクニックも堪能でき、とても似ているが異なる競技だということがわかります。