探してみよう!知りたい情報!

ちょっと気になることや知りたい情報を調べてみよう!

水中毒とは?症状・致死量・治療・対策は!

熱中症予防や健康のために、水をこまめに飲むことを勧められています。

一般的には、水分が不足しやすいスポーツの前後と中間、入浴の前後、就寝の前後、その他適度に水分を摂るのは重要です。

ところが、良いことだらけだと思って、あまりにも過剰に水を飲むのは危険なのをご存知でしょうか。

何事も限界というものがあり、間違った知識で水を大量に飲むことで、「水中毒」という最悪の場合死亡することもある症状を起こす可能性もあるのです。

今回は、水中毒とは何か?どんな症状があるのか、致死量、治療方法などの対策、予防と注意点について解説します。

水は身体に必要なものですが、適正に飲むことが求められるものです。

しっかりと飲む量を見極めて、飲むようにしましょう。

水中毒とは?どんな症状があるの?

(水中毒とは?)

水中毒は、過剰な水の摂取によって体内のナトリウム濃度が異常に低下する状態を指します。

一般的な水の摂取は健康に良いとされていますが、過度の水の摂取によって体内のナトリウム濃度が異常に低下し、様々な症状が現れる可能性があります。

(水中毒の症状)

水中毒の主な症状には次のようなものがあります。

しびれやけいれん:細胞の膨張によって神経細胞が圧迫され、手足のしびれやけいれんが生じることがあります。

①めまいや頭痛、しびれ、発汗

・・・脳の細胞も膨張するため、めまいや頭痛が起こることがあります。

意識障害、錯乱、けいれん、意識混濁

・・・重篤な水中毒では意識が混濁し、昏睡状態に陥ることがあります。

③吐き気と嘔吐、下痢

・・・体内のバランスが乱れることで、吐き気や嘔吐が現れることがあります。

④低血圧

・・・ナトリウム濃度の低下によって血圧が下がることがあります。

重度の水中毒では命にかかわることもありますので、症状が出現した場合は速やかに適切な医療機関を受診することが重要です。

また、過度な水分摂取を避け、適切な水分補給を心掛けることが予防に役立ちます。

多飲症・水中毒―ケアと治療の新機軸 単行本

精神科看護 2023年5月号(50-5): 多飲水・水中毒のケア―「厳しい目」が「柔らかい目」へ 単行本

水中毒の致死量、治療方法などの対策は?

水中毒の致死量は個人や環境によって異なりますが、一般的には健康な成人が短期間で大量の水を摂取すると、数リットルから数十リットル以上の摂取量が問題となる可能性があります。

特に、体内のナトリウム濃度を過度に希釈してしまうことで、致命的な状態が引き起こされます。

(身体のナトリウム濃度正常値)

①通常135〜145ミリモル/リットル (mEq/l)

身体のナトリウムイオンの正常値です。

これは血液中のナトリウムの濃度を示す値で、体内の水分と電解質のバランスを維持するために重要な役割を果たしています。

②1日に必要な水分は1.2~1.5リットル

・・・1日必要水分量は、体重60kgであれば、約2.1リットルで、食べ物や体内で作られる水分を除くと1.2~1.5リットル飲むのが理想です。

一般の健康な人の場合、1時間に1リットル程度の水分補給であれば、腎機能や代謝により排尿されます。

(水中毒の致死量は?)

腎機能不全や過剰な水分補給をしてしまうと、排尿されない水分が身体に残ります。

そのため、短期間で数リットルから数十リットル以上の水分補給をすると、血液中のナトリウムイオンを薄めてしまい、低ナトリウム血症として身体に悪影響を与えてしまいます。

ナトリウムイオンの濃度と症状は、以下のように現れることがあります。

①130mEq/l

・・・軽い倦怠感、血圧上昇

②120mEq/l

・・・頭痛、嘔吐、失禁、下痢、めまい、しびれ、発汗

③110mEq/l

・・・錯乱、けいれん、昏睡、意識混濁

④100mEq/l

・・・呼吸困難などで死亡

(水中毒の治療方法は?)

①症状を監視する。

・・・水中毒の症状が現れたら、早めに自覚症状を把握し、重篤な状態に陥る前に病院で診察を受け、対処することが重要です。

②ナトリウム補給。

・・・重度の水中毒では、ナトリウムの補給が必要です。

ただし、専門医の指示に基づいて行われるべきであり、自己判断は避けるべきです。

③抗利尿剤の使用

・・・抗利尿剤は尿の排出を促す薬であり、水中毒の治療に使用される場合があります。

これも専門医の指導のもとで行いましょう。

④症状の軽減

・・・めまいや吐き気などの症状がある場合は、病院で診察を受けましょう。

軽減するための措置が取られることがあります。

⑤緊急時の対応

・・・重篤な水中毒の場合、点滴などを行い、体内のバランスを正常化するための対応が行われることがあります。

完全図解 水分の摂りすぎが病気をつくる 単行本

水中毒脱出法: 当事者の立場から Kindle版

水中毒の予防と注意点は?

(予防と注意点は?)

①適切な水分補給は、飲料水として1日1.2~1.5リットル。

・・・1日必要量は体重60kgで約2.1リットル、飲料するのは1.2~1.5リットルで十分です。

通常の日常生活や運動中には、適切な水分補給を心掛けましょう。

ただし、大量の水を一度に摂取することは避けるようにし、こまめな水分補給を行います。

②スポーツドリンクの適切な使用

・・・長時間の運動や激しいスポーツを行う場合には、スポーツドリンクを適切に摂取することで電解質のバランスを保ち、水中毒を予防できます。

③健康状態の確認

・・・高齢者や持病を抱える人は、定期的に健康診断を受け、体調管理に注意しましょう。

特に腎臓や心臓の疾患がある場合は、水分摂取に注意が必要です。

④環境への適応、熱中症予防

・・・気温の上昇や湿度の高い状況では、適切な環境への適応を心掛けます。

特に暑い季節や高温の場所での活動時には、こまめな水分補給と適切な休憩が重要です。

熱中症予防にもなります。

⑤過度な飲酒の避ける

・・・アルコールは利尿作用を持つため、過度の飲酒によって水分の排出が増え、脱水症状を引き起こす可能性があります。適量の飲酒に留意しましょう。

認知症や特別なケアを必要とする人への配慮

・・・認知症や特別なケアを必要とする方は、適切な水分管理が必要です。

水を飲み過ぎるとか、水を飲み忘れないようにサポートすることが大切です。

水中毒の症状が現れた場合や心配な点がある場合は、速やかに医療機関を受診し、専門医の診断と指導を仰ぐことが重要です。

自己判断を避け、健康な生活を送るために適切な水分摂取と体調管理を心掛けましょう。

まとめ

水を飲むことは、血流改善や身体の水分不足の解消、便秘解消、代謝アップ、熱中症予防など様々なことに効果があります。

ただし、必要以上に水を飲み過ぎて「水中毒」にならないように気を付けましょう。