社会人や学生、そして就活生にとって、電話はビジネスコミュニケーションツールとして、重要なアイテムの一つです。
電話をかけたり、受けたり、切ったりする方法、そしてその際に気をつけるべきマナーや時間帯、役職に応じた適切な対応方法について知識を深めていくことは、成功に向けた一歩と言えるでしょう。
今回は、その電話の基本マナーについて、社会人や就活においての電話対応について解説します。
また、電話マナーでの失敗例も紹介しますので、相手に失礼のないよう気を付けましょう。
ビジネス電話マナー!社会人の対応と失礼のない言葉遣いは?
ビジネスの電話マナーは、ビジネスシーンでの電話コミュニケーションにおける、適切な態度と行動のルールです。
すなわち、相手に不快感を与えず、好印象を与えるためのマナーです。
以下に、ビジネスの電話マナーの一般的な原則と社会人の対応、失礼のない言葉遣いについて説明します。
(ビジネスの電話マナー:かけ方)
①電話の前に準備をする
・・・電話をかける前に、目的を明確にし、必要な情報や文書を用意します。
無駄な時間を省くためにも、事前に整理しておくことが重要です。
また、メモ用紙や筆記具、カレンダーなども手元に置いておきましょう。
②適切な挨拶
・・・電話をかけた際に、相手を尊重するために適切な挨拶をしましょう。
会社名、名前を正確に伝え、相手の名前を覚えて使うことも大切です。
・「○○会社の○○と申します。いつもお世話になっております」
などと挨拶を述べるのが定番ですね。
その後に
・「○○部の○○課長は、いらっしゃいますでしょうか?」
と相手に伝えます。
③はっきりと話す
・・・話す際には、はっきりとした声音で話し、ゆっくりと話すように心がけましょう。
語彙力と発音にも注意し、相手に伝わりやすくしましょう。
④聞き手に焦点を当てる
・・・相手の話に注意を払い、適切なタイミングで相づちを打ったり、質問をしたりしましょう。
相手を理解しようとする姿勢は、好印象を与えます。
⑤失礼のない言葉遣い
・・・失礼な言葉遣いや冗談は避け、尊重と礼儀正しい言葉遣いを心がけましょう。
敬語やタイトルの使用も、適切に行うことが大切です。
横柄な態度や、タメグチ、否定的な表現は避けましょう。
⑥相手が不在の場合
・・・相手が不在の場合は出勤日を確認し、まだ出社していないときは、出勤時間を確認します。
また、用件によっては、次のように伝言を残すのも良いです。
・「○○日には、出勤されていますでしょうか。」
・「出勤時間は、何時ごろの予定でしょうか。」
・「わかりました。こちらから改めてご連絡差し上げます。」
・「恐れ入りますが、お電話を頂きたい旨をお伝えいただけますでしょうか。」
⑦事後のフォローアップ
電話で取り決めたことについて、メールや手紙で確認や感謝の意を表すことが良い印象を与えます。
⑧時間帯に気をつける
・・・早朝や遅い夜に電話をかけることは控え、相手のスケジュールに配慮しましょう。
勤務時間が9:00~17:00の場合、9:30~11:30か13:30~16:30が無難です
朝の始業時間には朝礼やミーティングをしている会社が多く、終業時間も遠慮した方が良いでしょう。
(ビジネスの電話マナー:受け方)
①迅速な応答
・・・電話が鳴り始めたら、できるだけ早く受話器に手を伸ばしましょう。
電話が鳴ったら、3コール以内に出るのがマナーです。
長時間待たせることは相手に不快感を与えます。
3回以上鳴った場合は
・「お待たせしました。○○会社でございます。」
・「お待たせしました。○○会社○○でございます。」
と答えるのが基本です。
・「おはようございます」「大変お待たせしました」「お電話ありがとうございます」
と付け加えることも良いでしょう。
②正しい挨拶
・・・電話に出たら、明確な挨拶をしましょう。
自分の名前と会社名(もしあれば)を伝え、相手に自分が誰であるかを明確に示しましょう。
・「おはようございます。○○会社○○でございます。」
などがあります。
③素早い識別
・・・電話を受ける前に、電話の発信者情報を確認しましょう。
相手の名前や会社名が、ディスプレイ表示される場合、それに基づいて対応を調整しましょう。
④笑顔を声に込める
・・・電話では声だけが相手に伝わります。
そのため、笑顔で対応し、声に温かみを持たせることで、好印象を与えることができます。
⑤注意深い聞き手であること
・・・相手が話す内容に集中し、適切なタイミングで相づちを打ったり、要点を把握したりしましょう。
相手にとっても重要なコミュニケーションの一環です。
⑥適切な対応
・・・相手の要求や質問に対して、適切に答えることが大切です。
不明確な点があれば、尋ねることを躊躇しないでください。
⑦適度なフォローアップ
・・・電話の内容に対するフォローアップが必要な場合、適切なタイミングでフォローアップの行動をとりましょう。
これはプロフェッショナルな姿勢を示す一環です。
(ビジネスの電話マナー:切り方)
①挨拶と感謝の表明
・・・電話を終了する前に、相手に対して挨拶をし、感謝の意を示しましょう。
一般的なフレーズとしては、
・「失礼いたします」「ありがとうございました」「お世話になりました」
などがあります。
②要約と確認
・・・重要な情報や決定事項が含まれる場合、最後に要約しましょう。
相手との合意事項や次のステップについて確認し、誤解を防ぎます。
③敬意を払う
・・・相手に敬意を払うことを忘れずに。
礼儀正しい言葉遣いやトーンで話し、相手を尊重しましょう。
④スムーズな切り方
・・・一般的には、電話をかけた方が切るのが基本ですが、相手がお客様だとか、取引先のばあいは、相手が切るのを待ってから切りましょう。
相手の時間を尊重するためにも、長々としたお別れは避けましょう。
⑤フォローアップ
・・・必要なフォローアップがある場合、電話を切った後でそれに取り組むことを約束しましょう。
納期やスケジュールを相手に伝えることが重要です。
これらのポイントを守ることで、ビジネスの電話マナーを向上させ、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
ビジネスの成功において、適切なコミュニケーションは非常に重要です。
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就活電話マナー!面接や問い合わせの成功の秘訣とは?
就活では、面接や問い合わせの際に電話をかける機会が多くあります。
電話マナーをきちんと身につけておくことで、相手に好印象を与え、就活を有利に進めることができます。
(就活電話のマナー:成功の秘訣)
①事前の準備
・・・電話をかける前に、相手の名前や役職、会社情報、質問事項などを事前に確認しておきましょう。
②電話をかける時間帯
・・・電話をする時間帯は、始業直後や昼休み、終業直前、夜遅い時間は避けましょう。
③適切なタイミングを選ぶ
・・・面接の日程や、問い合わせのタイミングは慎重に選びましょう。
就活生として、面接の日程調整は、相手の都合に合わせることも重要です。
・日程に問題が無いとき・・・「はい、その日時で問題ありません」
・日程に都合が悪いとき・・・「申し訳ありません。その日は都合が悪く参加できません。誠に恐縮ですが、別の日時をお願いできないでしょうか?」
と丁重にお願いします。
④自己紹介をする
・・・電話をかけた際に、明確な挨拶と自分の名前と学校名など自己紹介をしましょう。
・「おはようございます。私は、○○大学○○と申します。人事の担当者の方はいらっしゃいますでしょうか。」
・「私は、○○大学の○○と申しますが、求人の担当者の方をお願いします」
⑤目的を明確に伝える
・・・電話の目的を明確に伝えましょう。
・「求人のことで、お尋ねしたいことがあるのですが、少々お時間をいただいてよろしいでしょうか?」
・「面接のことで、お尋ねしたいことがありますが、お時間の都合はどうでしょうか」
などがあります。
⑥聞き手に徹する
・・・相手が話す際に注意深く聞き、質問に対する答えをしっかりと考え、適切な反応を示しましょう。
⑦質問を用意する
・・・面接や問い合わせ時には、質問を用意しておきましょう。
・「五問ほど教えていただきたいことがあるのですが」
とどの程度の質問があるのかを、前もって伝えることも良いでしょう。
⑧簡潔な言葉遣い
・・・電話では簡潔かつ明瞭な言葉遣いを心がけましょう。
長文や複雑な表現は避け、要点を伝えることが大切です。
⑨ありがとうと挨拶で終える
・・・電話を終了する際には、相手に感謝の意を示し、礼儀正しい挨拶をしましょう。
将来のコンタクトを期待して、好印象を残すことが重要です。
「お忙しいところ、大変ありがとうございました。失礼いたします。」
などと伝えましょう。
⑩フォローアップ
電話の後、電話応対のフォローアップメールや手紙を送ることで、相手に対する熱意や興味を示しましょう。
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電話マナーに気を付けよう!かけ方・受け方・切り方の失敗例とは?
電話マナーは、ビジネスシーンや日常生活において欠かせないものです。
電話マナーがきちんとできていないと、相手に失礼な印象を与えてしまうこともあります。
失敗例には以下のものがあります。
(かけ方の失敗例)
①相手の名前を間違える
・・・電話をかける際、相手の名前を正確に確認せず、誤って呼びかけることは失礼です。
「佐藤」さんを「佐々木」さんなどと、間違ってはいけません。
②用件が不明確
・・・目的を伝えずに電話をかけ、相手に混乱を招くことがあります。
電話をかけた用件を明確に説明しましょう。
何のための要件なのかわからないと、相手も困ってしまいます。
③長すぎる待ち時間
・・・相手を電話中に待たせた際に、待ち時間が長すぎると、相手は不快に感じることがあります。
④会社名や名前を名乗らない
・・・会社名や名前を名乗らないで、いきなり会話を始めると、相手は困惑してしまいます。
(受け方の失敗例)
①無礼な態度
・・・電話を受けた際に無礼な態度をとることは、相手を不快にさせます。
丁寧な挨拶と対応が重要です。
②遮ること
・・・相手が話している最中に遮ることは、失礼であり、コミュニケーションの円滑さを妨げます。
③質問に対する無関心
・・・相手の質問や要望に対して無関心な態度をとることは、印象を悪化させます。
真摯に対応しましょう。
(切り方の失敗例)
①無礼な切り方
・・・電話を無礼な言葉やトーンで切ることは、相手を怒らせる可能性が大きいです。
②挨拶を忘れる
・・・電話を切る際に挨拶や感謝の意を忘れることは、礼儀正しいマナーとは言えません。
③急いで切る
・・・急いで電話を切ることは、相手に対する無関心を示すことにつながります。
適切な挨拶と終了を心がけましょう。
これらのような失敗をすると、個人はもちろん、会社や学校なども含めて不信感を持たれることがあります。
これらの失敗例を避けるために、電話をかける前に用意をし、相手とのコミュニケーションに注意を払いましょう。
礼儀正しい態度とコミュニケーションスキルを持って、電話の成功率を高めることが大切です。
まとめ
社会人や学生もビジネスや、就活などで、電話をかけることや受取ることはよくあることです。
その際、言葉遣いや対応によって、相手に不信感を与えることは避けなければなりません。
電話の基本マナーをしっかり守り、今後のキャリアの成功につなげましょう。