点字は、目の不自由な方や視覚障害者の方が、文字を読み取るために指先で触って感じることができる、特殊な文字のことです。
世界的に使われている点字は、1マス横2×縦3の6点を組み合わせるブライユ式点字です。
ブライユ式点字は、アルファベットやアクセント、数字、句読符号などを表し、視覚に頼らずに文字を理解することができます。
しかし、そのままでは日本語には対応できませんでした。
そこで、ブライユ式点字を基に日本語に対応できる点字を考案したのが、日本点字の父と呼ばれる石川倉次です。
今回は、日本点字の父石川倉次の点字エピソードについてご紹介します。
点字を作った人には日本人もいる!
(点字を作った人たち)
点字は視覚に障害がある人たちが読み書きするために発明された書記方法で、世界的に普及しています。
点字を作った人たちの中には、日本人もいるのをご存知でしょうか。以下に、点字を作った人たちと彼らが考案した点字の種類について紹介します。
①フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィ(イタリア)
・・・1670年、点と線を組み合わせてアルファベットを表す記号を考案しました。
彼の発明によって、点字の原型が生まれました。
②シャルル・バルビエ・ド・ラ・セール(フランス)
・・・1819年、12の点でアルファベットを表す点字を考案しました。
彼の点字は、視覚障害を持つ人たちが読書するための普及に重要な役割を果たしました。
③ルイ・ブライユ(フランス)
・・・1825年、12点文字の欠点を見抜き、6点式点字を考案しました。
現在も多くの国で使われています。
彼の貢献によって、点字は広く普及し、世界中の視覚障害を持つ人たちにとって、重要な読書方法となりました。
④石川倉次(日本)
・・・ブライユ式点字は、西洋の文字(アルファベット)や発音を表しており、日本語にそのまま使えません。
そこで、1890年にブライユ式点字を基に日本独自の6点式点字を考案し、東京盲唖学校で採用されました。
彼の発明によって、日本の視覚障害を持つ人たちにも点字が普及することになりました。
石川倉次が考案する前に、遠山邦太郎、伊藤文吉なども6点式点字を発表しましたが、いずれも欠点が指摘され、点字として採用されませんでした。
石川倉次の発明によって、視覚障害を持つ人たちの読書やコミュニケーションが大きく改善されたと言えます。
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石川倉次はどんな人?点字を作った理由は?
石川倉次は、明治時代に生まれ、日本の盲学教育や点字の発展に貢献した人物です。
石川倉次は、18歳で鶴舞小学校を首席で卒業し、同校の助教として働き始めました。
その後、楽善会訓盲唖院(現在の東京盲唖学校)で働くようになり、同校でブライユ式点字を日本語に翻案する研究を依頼されました。
これが日本独自の6点式点字の考案につながったのです。
(石川倉次の主な経歴)
①1859年
②1875年
・・・鶴舞小学校を首席で卒業しました。
卒業と同時に同校の助教として採用されました。
③1887年
・・・楽善会訓盲唖院(のちの東京盲唖学校)に赴任し、同じ頃にブライユ式点字を日本語でもわかりやすく表現できるように翻案する研究を依頼されました。
これがやがて日本独自の6点式点字の考案につながるのでした。
④1898年
・・・日本の点字を完成させました。
⑤1899年
・・・東京盲唖学校で採用されました。
⑥1901年
・・・石川倉次が考案した日本式点字(6点式)が、視覚障害者が使用する文字として公認されました。
(石川倉次が日本語の点字を作ろうとした理由)
千葉で教師をしていたときにカナ文字研究会で出会った楽善会訓盲唖院の校長小西新八から、同院への赴任依頼とブライユ式点字の6点式文字を日本語でも使えるように依頼されたためです。
石川倉次自体は、日本語は文字が多いので、6点式文字ではなく8点式文字を考案しようとしましたが、小西は視覚障害者でも簡単に使えるように6点式文字にこだわったそうです。
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世界の点字と日本の点字
(点字の使い方は国で異なる)
点字は、文字や記号などを表すための方法で、世界共通の考え方ですが、各国で使われる言葉の使い方が異なるので、点字の使い方も国によって異なります。
ブライユ式点字は英語圏主要国など世界中で使用されており、利用国数は100か国以上になります。
しかし、英語圏のなかでもバラバラで扱われていることがあるので、主要英語圏8か国で統一された点字への移行を進めています。
(日本の点字は統一されている)
日本では、石川倉次が考案した6点式点字を基に決まりを作り、日本中で統一した点字を使用しています。
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まとめ
点字で文字や記号などを表すという考え方は世界共通ですが、各国で言葉の使い方が異なるので、点字の使い方も世界共通とはなりません。