もやしは、その小さな姿からは想像できないほどの栄養パワーを秘めた野菜です。
低カロリーでありながら、豊富な栄養素を含んでおり、健康的な食事に取り入れるのにぴったりです。
今回は、もやしの栄養成分や効果・効能、キャベツ・キュウリとの栄養比較、美味しい食べ方や調理法について解説します。
もやしの栄養と効果・効能は?
(もやしの栄養と効果・効能は?)
ひょろひょろ伸びて体力の無い子供を「もやしっこ」と呼びますが、実際のもやしには健康に高価のある栄養成分が豊富に含まれています。
※ 100g当りの栄養成分:文科省食品成分データベース参照
①カロリー:生29g・ゆで27g
・・・生命活動に必要なエネルギーで、過剰摂取すると肥満や高血圧、糖尿病になることや、欠乏すると痩せすぎや疲れやすい体になる可能性があるので、バランスの良い摂取が必要です。
もやしは、ブロッコリー、カリフラワーと同等で低カロリーの食物であり、ダイエットに向いている野菜です。
②タンパク質:生3.7g・ゆで2.9g
・・・筋肉や臓器、皮膚、骨などの構成成分であり、酵素やホルモンなどの原料となります。
野菜の中ではタンパク質は多い方ですが、肉や魚介類よりかなり少なく、ご飯やうどん(ゆで)と同程度です。
③脂質:生1.5g・ゆで1.6g
・・・細胞膜や神経組織、核酸などの構成部分で、効率の良いエネルギー源です。
野菜の中ではとうもろこしやニンニクと並び多く含まれていますが、肉魚介類などよりかなり少ないので、ダイエット向きです。
④炭水化物:生2.3g・ゆで2.2g
・・・糖質と食物繊維の総称で、脳、赤血球、神経系、筋肉等はブドウ糖だけがエネルギー源です。
低カロリーで、タンパク質や炭水化物が少ないので、ダイエットにおすすめです。
⑤ナトリウム:生3mg・ゆで1mg
・・・細胞内外のバランスを調整します。普段の食事からでも摂っているので、不足することはありません。
⑥カリウム:生160mg・ゆで50mg
・・・筋肉の動きを良くしたり、ナトリウムによる血圧上昇を抑制します。
⑦カルシウム:生23mg・ゆで24mg
・・・健康な歯や骨を作り、血液凝固や筋肉の収縮にかかわります。
⑧マグネシウム:生23mg・ゆで19mg
・・・体内で酵素の働きを助け、血液循環を正常に保ちます。
⑨鉄:生0.5mg・ゆで0.4mg
・・・赤血球のヘモグロビンの成分で、酸素の運搬に重要です。
⑩ビタミンK:生57μg・ゆで49μg
・・・出血時に血を固めます。骨にカルシウムが沈着するのを防ぎます。
⑪ビタミンB1: 生0.09mg・ゆで0.01mg
・・・糖質がエネルギーに変わるときに必要な補酵素の役目をします。
⑫ビタミンB2:生0.07mg・ゆで1mg
・・・皮膚や粘膜の健康維持に関与します。皮膚や粘膜の炎症を防ぎます。
⑬ビタミンB6:生0.08mg・ゆで0.04mg
・・・免疫機能を正常に維持し、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。
⑭ビタミンC:生5mg・ゆで1mg
・・・鉄の吸収を高め、免疫力の向上や抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進します。
⑮食物繊維総量:生2.3g・ゆで2.2g
・・・もやしには食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果があります。
消化を促進し、便秘の予防や血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。
もやしVSキャベツ・きゅうり!栄養の比較は?
もやし、キャベツ、きゅうりはいずれも人気のある野菜ですが、栄養価には若干の違いがあります。
以下にもやし、キャベツ、きゅうりの栄養の比較をまとめました
(もやしとキャベツ・きゅうりの栄養比較)
もやし(生)を1.0倍として、キャベツ(生)・きゅうり(生)と比較しています。
①カロリー
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約0.7倍)、きゅうり(約0.4倍)
②タンパク質
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約0.4倍)、きゅうり(約0.3倍)
③脂質
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約0.1倍)、きゅうり(約0.1倍)
④炭水化物
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約2.3倍)、きゅうり(約1.3倍)
⑤ナトリウム
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約1.7倍)、きゅうり(約0.3倍)
⑥カリウム
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約1.3倍)、きゅうり(約1.3倍)
⑦カルシウム
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約1.9倍)、きゅうり(約1.1倍)
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約0.6倍)、きゅうり(約0.7倍)
⑨鉄
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約0.6倍)、きゅうり(約0.6倍)
⑩ビタミン類
・・・三種とも大きな違いはありません。
⑪食物繊維
・・・もやし(1.0倍)、キャベツ(約0.8倍)、きゅうり(約0.5倍)
主な栄養を比較してみると、カロリー、タンパク質、脂質、マグネシウム、鉄、食物繊維は、もやしが圧倒的に多いですね。
キャベツがもやしを上回るのは、炭水化物、ナトリウム、カリウム、カルシウム、きゅうりが上回るのは、炭水化物、カリウム、カルシウムという結果になりました。
ただし、違いがあるにしても、それぞれ低カロリーであり、様々な栄養が含まれています。
もやしの栄養が不足する分は、他の野菜を加え、バランスよく食事に摂り入れると良いでしょう。
もやしの美味しい食べ方と調理法は?
(美味しい食べ方と調理法は?)
もやしは、サラダなど生で食べるのが最も栄養価を摂取できます。
しかし、加熱することで、炒め物やスープなどバラエティに富んだ料理も作ることができます。
もやしを使用した調理法をいくつか、ご紹介します。
①生で食べる
・・・もやしはそのまま生で食べることができます。
洗って水気を切り、きゅうり、トマト、キャベツなど他の野菜と一緒にサラダや生春巻きの具材として利用すると、さわやかなクランチ感が楽しめます。
②炒める
・・・もやしを炒めると、シャキシャキとした食感が残り、香ばしさが引き立ちます。
醤油やオイスターソースなどの調味料と、ニンジン、ピーマン、キャベツなどと一緒に炒めると、美味しい炒めもやしの完成です。
③スープに入れる
・・・もやしは、きのこなどと一緒にスープに加えることで、さっぱりとした味わいをプラスしてくれます。
中華風のスープや鍋物、ラーメンにもやしを加えると、ヘルシーで風味豊かな一品に仕上がります。
④和え物やおひたし
・・・もやしを茹でて、和え物やおひたしにすることもできます。
ごま油やポン酢、ごまだれなどの和風の調味料と合わせると、さっぱりとした一品が完成します。
⑤鍋料理に加える
・・・もやしは鍋料理にもよく利用されます。
しゃぶしゃぶやすき焼き、キムチ鍋などにもやしを加えると、野菜の甘みとシャキシャキ感がアクセントとなります。
もやしは調理時間が短く、簡単に料理に取り入れることができます。
加熱しすぎるとシャキシャキ感が失われるため、できるだけ短時間で調理するのがポイントです。
自分の好みや料理のバリエーションに合わせて、さまざまな調理法でもやしを楽しんでください。
まとめ
もやしは、安価で手軽に手に入れることができる野菜で、健康的な食生活を送るための強い味方です。
ぜひ、毎日の食事に取り入れてみてください。