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テレビなどで天気予報を見ていると、広範囲の場所や一部の地区に注意報、警報、特別警報などの発表がされることがあります。
当然ですが注意報よりも警報の方が危険な感じがしますが、実際はどうなのでしょうか。
今回は、これらの注意報や警報には、どのような天候の種類があるか、また発表する基準はどうなっているのか、解除する条件にどのようなことが必要なのか、についても解説します。
注意報、警報、特別警報にはどのような種類があるの?
(注意報、警報、特別警報)
気象庁が使用する気象用語でよく聞く言葉ですが、次の種類があります。
①注意報
・・・気象注意報には、大雨、大雪、風雪、強風、雷、濃霧、乾燥、霜、雪崩、低温、着氷、着雪、融雪があります。
気象注意報以外では、高潮、波浪、洪水、浸水、地面現象の注意報があります。
②警報
・・・気象警報には、大雨、大雪、暴風、暴風雪があります。
気象予報以外では、高潮、波浪、洪水、浸水の警報があります。
③特別警報
・・・気象特別警報には、大雨、大雪、暴風、暴風雪があります。
気象警報以外では、高潮、波浪、地面現象があります。
参考として「地面現象」とはどういうものかというと、大雨や大雪による山崩れや地滑りなどの現象を言います。
山崩れや地滑りには、土石流やがけ崩れも含みます。
注意報、警報、特別警報の発表基準は?
(発表基準)
注意報、警報、特別警報は次のような状態のときに発表される予報です。
①注意報
・・・災害が起こる恐れがあるときに、注意を呼び掛けます。
②警報
・・・重大な災害が起こる恐れがあるときに、警戒を呼び掛けます。
③特別警報
・・・警報の発表基準をはるかに超える大雨などで、重大な災害が発生する恐れが著しく高まっているときに、警報を超え最大級の警戒を呼び掛けます。
数十年に一度の大雨、大雪、暴風などが予想される場合に発表されます。
「注意報や警報」についての基準値ですが、例えば大雪の場合、豪雪地帯と雪のあまり降らない地域や、標高、地形、平地と山地の違いなどがあり、基準が大きく異なるものがあります。
基準値を決めるときも各市町村等の防災機関と調整して決めているので、基本的に市町村によって基準値が異なることがあります。
そのため、自分の住んでいる市は警報が出ても、すぐ隣の市はでないということがあります。
(地域による違い)
地域による違いでは、大雪警報を例にすると
①札幌
・・・平地:6時間降雪30㎝あるいは12時間降雪40㎝、山間部:12時間降雪50㎝
②東京都23区西部
・・・12時間降雪10㎝
比較するとまったく数値が異なりますよね。
そのため、気象庁では各地区の警報・注意報の発表一覧表を公開しているので、それぞれの地区の発表基準を確認してください。
それぞれの地区で、基準は結構違うので驚くこともあります。
気象庁HP:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index.html
(特別警報)
「特別警報」についての基準値は「気象等に関する特別警報の指標(発表条件)」で確認することができます。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/sanko/shihyou.pdf
特別警報は、2013年から運用されましたが、特別警報の指標を満たす過去の災害でピックアップしたものをご紹介します。
主なものは20件ほどありますが、その中から3件を選んでいます。
①令和3年8月の大雨(2021年)
・・・西日本を中心とした大雨。
死者13名、負傷者14名、住家被害8,399棟など。
②令和2年7月豪雨(2020年)
死者84名、負傷者80名、住宅全壊1,620棟、半壊4,509棟、床上浸水1,652棟など。
③五六豪雪(1980~1981年)
・・・東北地方から北近畿地方までを襲った記録的豪雪。
山形市(積雪量113㎝)や敦賀市(積雪量196㎝)では歴代1位になりました。
死者133名、負傷者2,158名、住宅全壊165棟、住宅半壊301棟、床下浸水7,365棟など。
注意報、警報、特別警報を解除する条件は?
(注意報、警報)
①発表
・・・住民に伝わり防災活動や避難行動をとるまでにかかる時間を考慮し、基準に達すると予想されるときに発表されます。
②解除
・・・基準を下回り再び上がらないと判断することで解除になります。
解除になると注意報はなくなり、警報は完全に解除するか注意報に切り替わります。
(特別警報の場合)
①発表
・・・特別警報の基準に達すると予想されるときに発表されます。
②解除
・・・人命に関わる危険性が高いため、気象条件が基準値を下回って回復してきても、地域の防災状況や避難状況などにより、住民の安全性が確保されなければ解除は行いません。
今後の天候回復と各自治体の防災機関などと意見交換をして、客観的に防災上安全が確保された時点で一段階下の警報に切り替えるようにしています。
まとめ
注意報や警報は大雨や大雪などで、比較的発表されることが多いです。
特別警報は発表されることは少ないですが、発表されると間違いなく大きな被害が出ます。そのため、日頃から防災について家族で話しあい、防災グッズは常に用意しておきましょう。