「競技かるた」は単なるかるた遊びとは違い、「畳の上の格闘技」と言われるほどの体力を求められる激しい競技です。
初めて見た人などは、そのスポーツさながらの札の取り合いに驚く人も多いようです。
また「ちはらふる」というかるたを題材にした少女漫画や映画も大ヒットしましたが、精神力と体力を駆使して勝負を争う姿に感動して、競技かるたを始めた人も多いようです。
そして現在は、学校や子供会の活動やお正月の百人一首大会の参加者などを含むと、約100万人のかるた人口がいると言われています。
今回は、今からでも競技かるたを始めたいという初心者の高校生の方に、上達するにはどのような練習方法があるのか、また競技かるたの主なルールについて解説します。
競技かるたとは遊びのかるたとは違うの?
(競技かるたとは?)
遊びのかるたは、「犬も歩けば棒に当たる」というような格言などを使うことが多いですね。
競技かるたは、格言のような言葉ではなく「小倉百人一首」を使い、全日本かるた協会が定めているルールに則って行うものです。
(競技かるたの最高峰の大会は?)
競技かるたには、各地方大会や全国小学生・中学生の大会を始め様々な大会がありますが、その中から2つの大会をご紹介します。
①小倉百人一首競技かるた第○期名人位・第○期クイーン位決定戦
・・・競技かるたにおける最高峰の大会で、毎年1月上旬に行われます。
その時点での日本一の座を男性部門の名人位と女性部門のクイーン位戦が、それぞれ選手権者と挑戦者が争います。
戦いの地は、競技かるたの聖地と言われる「近江神宮・近江勧学院」です。
②全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会
・・・かるた甲子園、近江神宮大会、高校選手権などと呼ばれ、高校日本一を決める大会で、毎年7月下旬に近江神宮・近江勧学院で行われます。
少女漫画「ちはらふる」で、競技大会のモデルとなった大会です。
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競技かるたの高校生の初心者が行うことは?
(かるた部または、かるた会に入る)
初心者が競技かるたを始めるには一人では行えないので、学校の部活動か地域のかるた会に入会することが必要です。
①かるた部に入部する
・・・学校でかるた部があるのなら、入部することから始めると良いでしょう。
②地域のかるた会に入る
・・・地域の主なかるた会には、全日本かるた協会「かるた会について」を参考にしてください。
全日本かるた協会に所属している団体が確認できます。
その他にも、市役所などのHPを参照すると、地域のかるた会が紹介されていることがあります。
(競技かるたを始めるには?)
①百人一首の札を覚える
・・・百人一首は、読手が読む「上の句」に対応する「下の句」を、相手より先に取らなければなりません。
そのため当然百人一首の句を覚えていないと、札を取ることができません。
②札を覚えるにはアプリを使う
・・・百人一首の札をそのまま覚えても良いのですが、遊びながら覚えるにはアプリを使うと良いでしょう。
全日本かるた協会では、「はじめての百人一首」「競技かるたオンライン」を紹介しています。
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初心者が行うのはどんな練習方法?
(練習方法)
実際の練習方法は、かるた部やかるた会に入ると教えてもらえますが、上達するための自己練習としても次のことを行うと良いでしょう。
①決まり字を覚える
・・・競技かるたで上達するために必ず行う基本の練習です。
競技かるたで使う百人一首には、上の句のここまで聞けばどの句かを特定できるという最初の文字があり、この特定できる字(音)のことを決まり字と言います。
例えば「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」の7文字から始まる句に対応する下の句は、1枚ずつあります。
「むらさめの・・・」に対応する下の句は「きりたちのぼる・・・」の1枚しかないということです。
このように1文字で下の句がわかるように、1文字から6文字まで決まり字があります。
6文字では、「あさぼらけ ありあけのつきと・・・」と「あさぼらけ うぢのかはぎり・・・」の6文字目でやっと下の句が特定でき、それぞれ「よしののさとに・・・」と「あらはれわたる・・・」の下の句が特定できるということです。
②基礎体力をつける
・・・競技かるたは、札を見つめる前傾姿勢で正確に札を跳ね飛ばすことが必要です。
また勝ち進むためには1日に何試合も行う必要があるので、体力が無ければ試合になりません。
そのためには、ランニングやストレッチ、筋トレなどで基礎体力を付けましょう。
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競技かるたの主なルールは?
(競技かるたの主なルール)
①小倉百人一首を使用する。
・・・競技かるたは小倉百人一首を使用するのが基本です。
②対戦は1対1で行う。
・・・お互いが対面になるように座ります。
③裏返しにした100枚の中から無作為に50枚ずつ選び、自陣に25枚、相手に25枚取り分けます。
・・・残りの50枚は箱に戻します。
選んだ25枚ずつは、表向きに並べます。
④上の句を読手が読むので、対応した下の句の札を取り合います。
・・・勝つには相手より先に取ることです。
⑤相手の陣の札を取ったときは、自陣の任意の札を相手陣に送ります。
・・・相手の陣に送ることで相手が1枚増え、自陣からは1枚減るので、相手との差は2枚になります。
⑥お手付きは対戦相手から1枚送られる。
・・・お手付きすると、相手との差が2枚に増えてしまいます。
⑦自陣の札が無くなった時点で勝ちになります。
詳しいルールと試合の進め方は
全日本かるた協会のホームページ「試合の進め方」を参照してくださいね。
まとめ
競技かるたは上の句と対応する下の句を覚えてしまえば、競技のルール自体は簡単です。
精神力と体力は使いますが、勝敗もはっきりするので、やりごたえがある競技です。