大学生などの就職希望先として減少傾向に見られていた「公務員」人気が、再び増加してきたようです。
新型コロナの影響や不景気による企業の倒産の話が多くなり、民間企業と比較すると安定している職業であり、休日や福利厚生が充実しているという理由もあるそうです。
その公務員ですが一般的には学力試験があり、勉強してかなりの倍率をクリアしないと次の段階へ進みません。
また学力試験をクリアしたあとには面接があり、そこでも色々な質問をされ選考をされます。
今回は、公務員採用の面接に健康についての質問はあるのか?また内定を受けても健康診断の結果によって、採用が取り消されることがあるのか?について解説します。
公務員採用試験の流れは?
(公務員に採用されるまでの流れ)
一般的に公務員の採用試験は、大まかに示すと次のようになります。
ただし、地方公共団体によっては、採用の流れが異なることもあります。
①一次試験(学力試験)受験
・・・試験内容は、教養、専門、論文試験の3種類が多いようです
②一次試験合格
・・・合格者には二次試験の案内が送付されます。
③二次試験(面接)受験
・・・集団面接や集団討論、また個別の場合もあります。
④二次試験合格
・・・最終合格者が発表され、「採用候補者名簿」に記載されます。
採用候補者名簿には辞退する人なども含むので、募集人員より少し多めに記載します。
そのため、名簿に名前が記載されたからといって、確実に内定するわけではありません。
⑤個別面談で意思確認をする
・・・採用候補者に公務員になる意思確認をします。
⑥採用の内定者が決定します
・・・採用内定の通知が送付されます。
面接ではどんな質問がでる?健康についての質問は?
(面接で想定される質問は?)
面接は二次試験や個別面接で行われますが、どのような質問がでるかは、面接官の考えによるのではっきりわかりません。
ただし、基本的な質問については、常に答えられるようにしましょう。
言葉遣いははっきりと言い、わからないものについては時間をかけずに「わかりません」とはっきり答えてください。面接官と意見が対立するような言葉遣いや身だしなみには気を付けましょう。
①公務員を志望している理由は?
・・・民間でなくて公務員を選んだ理由を聞かれます。民間と公務員を比較して民間を悪く言うのは好ましくありません。
前もって、自治体の行っている業務や、公務員の仕事を調べておきます。
公務員は「全体の奉仕者」という立場で、平等に公務を行うことに共感を持ち、自分も福祉や街づくりに貢献したいという内容を述べましょう。
②あなたの長所と短所は?
・・・客観的に自分を分析した性格を把握しておき、短所を述べたあとには、必ず短所を補う長所があることを述べます。
③自己PRをしてください
・・・漠然とした回答は避けて、自分の経験の中で説明のできるPR項目を考えましょう。
まずPRする内容を伝え、その根拠となる経験を述べるようにしてください。
例えばスポーツが得意であれば、成績やスポーツを通じて学んだ礼儀や精神力の強さをアッピールし、それらを身に着けた経験を述べます。
④学生時代は何に努力したか?
・・・面接官はどのような学生生活を行なったか、協調性はあるのかを探ります。
勉強・奉仕活動・部活動などで努力したことを述べ、そのことでどのようなことを学んだのかが必要です。
⑤配属先の希望や希望外の場合どうするか?
・・・配属先はどこでも良いとか、希望外なら辞めるなどの回答はいけません。
希望外のところでも働きたいと述べ、経験を積むことで希望が叶ったときにその経験を生かしたいと述べます。どの職場でも嫌がらず一生懸命働き、全て自分のスキルアップに役立てることを考えましょう。
(健康状態を聞くこともある)
質問内容は面接官の考えによるものなので、健康状態を訪ねることもあると思います。
聞かれることを前提に回答内容を考えておきましょう。
①現在の健康状態はどうですか?
・・・健康な場合は健康だということを述べて、体調管理を行っているときは、どのようなことをしているかを述べます。
もし悪いところがあれば、病名や治療の有無を伝えます。
内定前には健康診断ではっきりするので、面接のときに隠していても意味がありません。
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健康診断はいつ受ける?必ず受けないとだめ?
(健康診断を受けるのはいつ?)
①一次試験合格か面接後に受ける
・・・一般的に一時試験合格後か面接を受けた後に、健康診断を受け診断書の提出を求められます。
この健康診断は、病院へ行くのが面倒だからと言ってパスすることはできません。
理由は、健康診断も採用時に行う試験項目の一つとされているからです。
※参照:人事院規則(採用時等の健康診断)第19条
※参照:労働安全衛生規則(雇入時の健康診断)第43条
②勤務できる体力があるかを調べる
・・・心身ともに公務員の業務を遂行する体力があるかを判断しますが、これは民間会社へ就職するときにも義務化されています。
万が一、心身に大きな欠陥があり業務を遂行できない人を勤務させ、何らかの感染や精神異常、素行不良より職員や国民に非常な迷惑をかけるわけにはいきません。
また、勤務することで病気がさらに進行し悪化することも考えられます。
健康診断は本人だけでなく、周囲の人々の健康と安全を守るために必要なものなのです。
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健康診断の結果で、採用取り消しはある?
(採用合格が取り消しになることはある)
①内定前の健康診断で、採用取り消しがないわけではない。
・・・結果は健康診断で取り消しになることがあるかというと、全くないとはいえません。
ただし、検査項目の数値が一部高いとか、メタボなどであったとしても、日常生活や業務遂行に対して問題がなければ取り消しになる可能性はかなり低いです。
②ただし合理的な理由がなければ、取り消しされない。
・・・病気だからといって、どんな病気でも取り消しになるということはありません。
車を運転する業務の人が、不定期に失神の発作を起こすという場合は、運転手として採用を取り消される可能性はありますが、車の運転をせず治療しながら事務の仕事をするというのは採用取り消しはできません。
③どんな病気が合格取り消しになる?
・・・病気が進行し、すぐにでも長期入院が必要とか、結核などの伝染病。
麻薬中毒など業務を遂行する上で、重大な支障がある場合。
(内定受けた後の健康診断結果での取り消しは?)
①内定後に健康診断結果で、内定取り消しになる可能性は低い。
・・・内定の結論を出したということは、健康面も含めての結果です。
それを健康診断の結果のみで取り消しすることは、難しいでしょう。
②病気に対応できる部署に配置する
・・・よほど業務を行うのに支障がある場合、取り消しになることも否定できませんが、安全面で危険がなければ、採用部署を替えるなどの調整を行うことで対応できます。
むしろ、身体の支障に対して採用を避けるということは行うべきではありません。
まとめ
公務員の不祥事や健康上の理由で、休職などの事例が増えています。
そのため、採用時における面接や健康診断により、公務員に対する適合性の判断に重要性が求められています。
ただし、何らかに支障するから不合格にするというのは、認められていることではありません。
健康診断をしっかり受けて、採用試験に臨みましょう。