一般的な骨折は、何らかの原因により骨が折れ、急激な痛みや腫れ、変形などの症状が現れることが多いため、ほとんどの場合すぐに気づいて病院へ行くと思います。
ところが、日常生活の中でいつの間にか痛みが出てきて、おかしいなと思ったら骨折していたという「いつの間にか骨折」が高齢者を中心として発症しているようです。
いつの間にか骨折という症状は、気が付いたら症状が悪化していることもあり、早めの治療が必要です。
今回は、いつの間にか骨折とは？また症状や治療法、予防法について説明します。
いつの間にか骨折とは？どんな症状？
（いつの間にか骨折とは？）
何も怪我をしていないのに、突然骨折していたことに気付くことを指します。
この症状は、骨粗鬆症で骨密度が低下して骨がスカスカの状態や高齢による筋肉の衰えなどによって引き起こされることがあります。
（いつの間にか骨折の症状は？）
いつの間にか骨折してしまう可能性のある場合や、注意すべき症状の一例は次のとおりです。
①運動後の痛みやしびれが持続する場合
･･･運動後に痛みやしびれがある場合は、単なる筋肉疲労ではなく、骨折の可能性があります。特に、骨粗鬆症やストレス骨折のリスクが高い人は、運動後の痛みに注意が必要です。
②疼痛や腫れがなくても、動きが制限される場合
･･･骨折によっては、疼痛や腫れがなくても、動きが制限されることがあります。
たとえば、脛骨骨折の場合、足首を動かすことができなくなることがあります。
③骨折した箇所の周りに痛みがある場合
･･･骨折している腰、背中、肋骨、足首、指、足などに痛みを感じます。
また、骨折した箇所だけでなく、周囲の筋肉や関節にも痛みがある場合は、骨折の可能性があります。
④骨折箇所に直接衝撃を受けていなくても、痛みがある場合
･･･骨折箇所に直接衝撃を受けたわけではないが、痛みがある場合は、骨折の可能性があります。たとえば、腕を突いたわけではないのに、肘や手首が痛い場合は、骨折の可能性があります。
⑤背中が曲がるとか身長が低下した場合
･･･背中が圧迫骨折している場合には、背中が曲がることがあります。
また、2㎝以上身長が低下した場合も、背骨が骨折している可能性もあるので注意しましょう。
骨粗鬆症の場合、骨折の痛みに個人差があり、痛みが弱いまま骨折に気が付かないで周囲が連鎖して骨折することもあります。
いつの間にか骨折の治療法は？病院へ行く？
（病院での治療先は？）
もし骨折の疑いがある場合は、早急に医師の診察を受けることが大切です。
適切な治療を受けることで、早期に回復することができます。
病院の行き先は、骨や関節、筋肉、末梢神経などを診察する整形外科を受診します。
（骨折の治療法は？）
一般的な骨折の場合は、以下のような治療法があります。
①マニュアル治療
･･･軽度の骨折や骨折の前段階では、マニュアル治療が行われます。
これには、骨折部位を固定するためのスリングやキャストなどの装具を使用することが含まれます。
②外科手術
･･･重度の骨折や複雑な骨折の場合、外科手術が必要になる場合があります。
これには、金属プレートやスクリュー、ボルトなどを使用して骨を固定する手術が含まれます。
③再生医療
･･･最近の研究では、再生医療を使用して骨折の治療を行うことが可能になってきています。
再生医療には、患者自身の細胞を使用して、骨再生を促進する治療法が含まれます。
④リハビリテーション
･･･手術後に筋肉や関節を鍛えるリハビリテーションを行います。
いつの間にか骨折の予防法は？
（いつの間にか骨折の予防法は？）
いつの間にか骨折の原因には、高齢による骨粗鬆症が多いと言われています。
高齢者の中には、骨粗鬆症に該当しない方もいますが、骨粗鬆症を予防することは骨密度の低下を防ぐことで、いつの間にか骨折も予防することになります。
「骨粗鬆症の予防＝いつの間にか骨折の予防」ということです。
（骨粗鬆症の予防法）
骨粗鬆症の治療法及び予防法については、以下の方法があります。
①薬物療法
･･･骨粗鬆症の治療には、骨密度を改善するために使用される薬物療法があります。
一般的な薬物には、ビスホスホネート、選択的エストロゲン受容体作動薬、副甲状腺ホルモン薬、カルシウムとビタミン類などがあります。
②運動療法
･･･骨粗鬆症の治療には、適度な運動が有効です。
運動によって、骨の成長を促進し、骨密度を向上させることができます。
スクワットやウォーキング、片足立ちなどでバランス感覚を養いましょう。
③栄養療法
･･･骨粗鬆症の治療には、カルシウムやビタミンDの補給が必要です。
カルシウムは骨を強化し、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進します。
④生活習慣の改善
･･･喫煙、過剰な飲酒、過度な飲用コーヒーなどは、骨粗鬆症のリスクを高めるため、生活習慣の改善が必要です。
⑤転倒予防
･･･骨粗鬆症の患者は、転倒することで骨折を起こすリスクが高くなります。
転倒予防のため、安全な生活空間の整備やバランスの良い運動が必要です。
⑥十分な睡眠
･･･睡眠不足は、骨折のリスクを高めることがあります。
十分な睡眠を確保することで、骨の健康を保つことができます。
⑦適切な身体の状態の維持
･･･肥満や低体重などは、骨折のリスクを高めることがあります。
適切な体重を維持することで、骨の健康を維持することができます。
まとめ
いつの間にか骨折の原因の一つ、骨粗鬆症については、加齢によるものだけではありません。
骨全体や筋肉、神経などに原因がある場合もあるので、医師の診断を受け適切な予防法、治療法の指示を受けましょう。
