毎年9月頃になると台風が日本を襲い、ひどい時は連日テレビや新聞などの情報メディアが被害状況を報道しているのをよく見かけます。
中には電柱や送電線が倒壊することで大規模な停電が起き、さらに浸水や家屋が被害を受けてしまうと家で生活することもままならず、各地で避難所生活を余儀なくされることもあります。
この台風などが原因で停電になったときに、注意しなければならないことがあるのです。
それは、停電が復旧したときに、家屋や会社、工場、倉庫などの建物が「通電火災」により火事になる恐れがあるということです。
そのため、各自治体によっては停電時や自宅から避難所へ行く際には、電気ブレーカーを落とすことを呼び掛けています。
今回は、台風などで停電したときの「通電火災」への注意事項、また災害時の太陽光発電の対応について解説します。
通電火災とは?原因はなに?
(通電火災とは?)
台風や地震などで自宅や会社が停電になった場合に、電気器具や配線の損壊状態がわからないとか、状態を確認する時間的余裕もないまま避難することもあると思います。
そのような不在のときに、停電が復旧し何らかの原因で出火することがあります。
ところが、不在なので初期消火をすることができず、火が大きくなって発生する火災のことをいいます。
(通電火災の原因)
家屋が被害を受けたときに、家具や電気器具が倒れたり何かの下敷きになっていると、起こそうと思ってもできないことがあります。
また、家屋自体が危険であれば、そのまま避難することが多いと思います。
①電気器具の周りから発火。
・・・停電が復旧したときに電気器具に通電しますが、周りに燃えやすいものがあった場合、着火してしまうことがあります。電気ストーブ、アイロンなど。
②電気器具が倒れたり壊れた。
・・・電気ストーブやヒーターなどが倒れたまま通電することで、それらの電気器具が発火する。
③配電線の損傷・断線。
・・・配電線のショートなどから火花が出て発火する。
④コンセントに水分が付着。
・・・浸水や雨漏りにより、コンセントに水分が付着してショートし発火する。
⑤ガスなどに引火。
・・・通電した時に発生した火花が、漏れていたガスに引火して爆発する。
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通電火災を防ぐには?ブレーカーはどうする?
(停電になったとき)
①電化製品のスイッチを切る。
・・・スイッチを切って、コンセントは抜きます。
②避難時はブレーカーを落とす。
・・・避難など自宅を離れるときは、必ずブレーカーを落とします。
倉庫や工場に電気器具があるときも、ブレーカーを落としてください。
③暖房器具は火を消す。
・・・石油ストーブなどは、火を消しているか必ず確認してください。
(通電再開のときに注意すること)
①電気器具の配電や断線などをチェック。
・・・安全性を十分チェックしてから通電を行ないます。
②ガス漏れに注意。
・・・ガス漏れがないか安全確認を行ってからスイッチを入れます。
③異常があったらブレーカーを落とす。
・・・煙の発生や異常が見えたら、ブレーカーを落とし消防へ連絡します。
(日常生活での備え)
①ブレーカーの位置を覚える。
・・・家族にブレーカーの位置を教えておく。
②暖房器具などのそばに可燃物を置かない。
・・・燃えやすいものは暖房器具から離します。
③使用しない電化製品はコンセントを抜く。
・・・必要以外のものは、コンセントを抜く習慣を身に着けます。
④家屋以外もチェックする。
・・・家屋以外の倉庫や物置などで電化製品を置いているときは、同じようにチェックします。
⑤通電火災の危険性を周知。
・・・隣近所や知人にも通電火災についての危険性を伝えます。
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台風で停電したとき、太陽光発電の対応は?
(太陽光発電とは?)
光が当たると電気が発生するシリコン半導体などを利用して、太陽の光エネルギーを太陽電池として直接電気に変換する発電です。
電力会社からの給電に頼らずに、自宅の屋根などにパネルを付けることで利用できるので、設置する家庭が増えてきましたが、比較的高価なので、コスパ的には低いと考える方もいます。
(停電になっても太陽光発電は使えるの?)
①通常運転では発電できない。
・・・太陽光発電システムの通常の連系運転はできません。
②通常運転から自立運転機能への切り替えが必要。
・・・台風などの災害で電力会社からの供給が止まっても、「自立運転機能」を使用することで、日中で太陽の出ている間は電気を使うことができます。
(自立運転機能とは?)
①停電時でも使えるが電力に制限がある。
・・・停電時で使えるのは一般的に1,500Wまでなので、全ての電化製品が使用できるのではありません。
冷蔵庫や電気ポット、炊飯器、電子レンジ、PC、テレビ、洗濯機など合計で1,500W以下のものは使用できますが、エアコンなど使用電力量が大きい場合は、他の電化製品と同時に使用できません。
②天候や夜間の影響を受ける。
・・・悪天候の影響により使用量が制限されることがあり、夜間はほとんど利用できません。
(災害時に太陽光発電で注意すること)
①自立運電機能は必要。
・・・一般の電力が停電の場合に、応急的に使用できます。
②太陽光発電の耐久性
・・・通常の使用では耐久性がありますが、台風などの災害時に家屋が損壊するようなダメージを受けた場合、太陽光発電のパネルや配線の破損も考えられ、その時は電気の供給はできなくなります。
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まとめ
台風などの災害時に停電になることは多いので、日頃から通電火災についての知識を家族で共有しておきましょう。
くれぐれもブレーカーを落としておくことを忘れないようにしましょう。
また太陽光発電を使用している方は、停電時の使用方法をしっかり確認しておきましょうね。