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桃の節句にハマグリを使う由来や理由は?他の貝ではダメ?

五節句の中でも、3月3日は「上巳の節句:じょうしのせっく」と言い、「桃の節句」「ひな祭り」とも呼ばれる日です。

この桃の節句は、女の子が健やかに成長することを願う行事として全国的に知られています。

毎年桃の節句になると、女の子のいる多くの家庭では、お雛様達を段々に並べ、桃の花や桜、橘などで飾り付けをします。

また白酒、雛あられ、菱餅、草餅、ハマグリのお吸い物など、桃の節句定番の縁起物をいただきます。

この縁起物のなかでハマグリがありますが、数多い貝の種類の中でなぜハマグリだけを使うのか気になる方も多いかと思います。

今回は、桃の節句にハマグリを使う由来や理由について、また他の貝ではだめなのかについて解説します。

桃の節句とひな人形の関係は?

(3月3日は桃の節句

桃の節句がどのように伝わって現在の形になったかには諸説あります。

①桃の花が咲く時期

・・・和暦の3月3日(現在の4月頃)が桃の花が咲く時期だったという理由が大きいようです。

②元は和暦の3月3日

・・・江戸時代までは、和暦の3月3日に行われていましたが、明治以降はグレゴリオ暦新暦)の3月3日に行うことが一般的になりましたが、そのまま桃の節句と呼ばれてきました。

平安時代にはお雛様を飾っていた

・・・平安時代の京都では貴族の子女により、小さな御殿をしつらえひな人形を飾ってきたという遊びがありました。

やがて、ひな人形は上巳の節句に厄除けやお守りとして、子供の成長を見守るものとして伝わりました。

昔は乳幼児の死亡率が非常に多く、親として子供を守るため必死に人形を飾り、厄除けとしたようですね。

桃の節句とハマグリの由来は?

(ハマグリを使う由来は?)

①昔から馴染みがある食べ物。

・・・ハマグリは日本各地で採ることができ、縄文時代から日本で食べられていた一般的な二枚貝です。

お吸い物やなべ物、焼きハマグリや土瓶蒸しなどで食べられる親しみのある貝です。

ただし、現在では干拓や埋立て、海岸の護岸工事などの影響で絶滅危惧種になり、瀬戸内海や有明海などの一部でしか採れなくなっている状態です。

平安時代には「貝合わせ」に使われた。

・・・平安時代の貴族が、対の絵を装飾した大型のハマグリを使った遊びです。

内側を装飾したハマグリを伏せてたくさん並べ、多くの中から元の一対を探す遊びです。

ハマグリの貝殻は一対になっているので、他の貝と合わせようとしても合いません。

対の貝であればピッタリ合うことから、生涯一人の相手と添い遂げるという願いが込められています。

③ハマグリは祝い事で食べる縁起物。

・・・ハマグリは仲の良い夫婦の象徴とされ、また古くから二枚貝はお姫様を現すという意味もあります。

そのため、縁起の良い食べ物として、祝い事でハマグリが食べられることは多く、桃の節句でも食べられていたようです。

桃の節句にハマグリを食べる理由は?

(お吸い物に合うハマグリ)

ハマグリを入れた料理は色々ありますが、その中でもお吸い物にする食べ方が、より一層ハマグリの醸し出すコクと深みを味わうことができるという方が多いですね。

そのため、古代から現代まで汁物として食べることが多かったようです。

(祝い事にはハマグリのお吸い物)

またピッタリ合うハマグリは、相性の良く仲の良い夫婦を現すなどの理由により、夫婦和合や貞操の象徴とされてきました。

ハマグリは女の子を現し、末永く女の子の幸せを祈るということから、桃の節句はもちろん、結婚式などの祝膳にも使われてきました。

ハマグリ以外の貝を使ってはだめなの?

(ハマグリ以外の二枚貝は?)

ハマグリが祝いのお吸い物として使われるのは、一対の貝であればピッタリと合わさるという理由からですが、そのような二枚貝はハマグリだけではありません。

現実には他の二枚貝も同じで、一対の貝であればピッタリ合います。

(なぜハマグリが使われたのか?)

ハマグリが使われていた理由には、主に次の理由があります。

①日本に馴染みのある貝。

・・・かつては、日本各地で採れた貝であるということが大きいと思います。

②遊び道具としてハマグリの大きさが丁度良かった。

・・・貝合わせのように貝に絵を描くにはある程度の大きさが必要ですが、ハマグリの大きさが丁度良かったようです。

③ハマグリの歴史は古い

・・・日本神話の中で、大国主命(おおくにぬしのみこと)が兄弟の罠で焼き殺されたのを、ハマグリを神格化した蛤貝比売(うむかひひめ)と「きさがいひめ」が蘇生させたという話があります。

これは、古代から二枚貝の中でもハマグリが、特別視され薬剤としても利用されてきたことを現すものとして知られています。

(ハマグリ以外の二枚貝でも使える)

ハマグリは古くから使われていますが、ハマグリ以外の二枚貝も同じ特徴を持っており、違うのは大きさぐらいでしょうか。

そのため、大きさが同じくらいであれば、あえてハマグリを使用しなくても問題はありません。また大きさが違っても、使う人がそれでも良いと思えば、良いことです。

実際に同じような二枚貝であれば、どれがハマグリなのかわからない人もいます。

まとめ

桃の節句にハマグリを使うのは定番なのですが、別の貝を使ってはいけないという厳密な決まりはありません。

アサリをハマグリの代用として食べることや、見た目が良いサザエを使うこともあります。

結果的には、縁起の良い物を揃えて、女の子の桃の節句を祝うということでしょう。