デジタル遺品とは、故人が亡くなった後に残されるデジタルデータのことです。
故人がパソコンやスマホなどを利用していた場合は、家族がデジタル遺品の整理を行い適切に整理する必要があります。
例えば、何らかの有料会員になっていて、解約しないまま放置していると、継続して料金を支払わなければなりません。
そのようにデジタル遺品は、遺族にとって大きな負担になる可能性もあるのです。
今回は、デジタル遺品とはどのようなものか、遺品整理の流れ、遺品整理を依頼する業者選びのポイントと値段の相場を解説します。
デジタル遺品とは、どのような遺品なの?
(デジタル遺品とは?)
故人がデジタル形式で所有していた情報やデータのことを指します。
具体的なデジタル遺品の例は以下のようなものがあります
①PC、スマホ、カメラなどの写真や動画。
・・・故人がスマートフォン、デジタルカメラ、タブレットなどで撮影した写真や動画。
②メールアカウントやメッセージ履歴。
・・・故人のメールアカウントやメッセージの履歴には、コミュニケーションや重要な情報が残っている場合があります。
③SNSのプロフィールや投稿。
・・・故人のFacebook、Instagram、Twitterなどのプロフィールや投稿が残っています。
④オンラインショップの購入履歴など。
・・・故人が利用していたオンラインショップで購入した商品履歴など。
⑤クラウドストレージの保存データ。
・・・故人が利用していたクラウドストレージに、重要なファイルやドキュメントなどが保管されている場合があります。
⑥ブログやウェブサイト
・・・故人が運営していたブログやウェブサイトは、故人の趣味や記録やアカウントが残されています。
⑦ネット銀行・証券。
・・・オンライン口座やアカウント、故人の情報など。
⑧有料サイトの利用料。
・・・音楽、動画、配信、書籍などの有料サイトの利用料など。
デジタル遺品は、故人が亡くなった後に遺族が困惑する原因となることがあります。
遺族はこれらのデジタル遺品について、故人の思い出や遺産としての重要性を持つだけでなく、適切な方法で保管・整理する必要があります。
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デジタル遺品整理!パスワード解除からリスト作成のコツは?
残された遺族がデジタル遺品のトラブルに巻き込まれないためには、本人が生前にデジタル遺品の整理を行い、遺族に負担をかけないようにすることが大切です。
デジタル遺品整理において、パスワード解除からリスト作成までのコツを以下にまとめました。
(パスワード解除)
①パスワード管理ツールの活用。
・・・故人が利用していたパスワード管理ツールを確認し、パスワードを一元管理することで解除の手間を軽減できます。
②パスワードのヒント。
・・・パスワードがわからない場合、パスワードのヒントや関連情報を探すことで、解除の手助けになる場合があります。
故人の関心や好みに基づいたヒントを考えてみてください。
③オンラインサービスのサポート。
・・・パスワードを忘れた場合、各オンラインサービスのサポートに連絡して、アカウントの復旧手続きを行うこともあります。
(リスト作成)
①遺品のリスト作成。
・・・故人のデバイス、アカウント、サービスなどの一覧を作成し、デジタル遺品の情報を管理します。
生前にIDやパスワードをリスト化して、家族と共有する方法もあります。
ただし、家族や信頼できる人以外には見せないようにします。
契約書の写しなどをデジタルではない文書にして残しておくのも有効です。
②優先順位の設定。
・・・デジタル遺品の重要度や、アクセスが必要な度合いに基づいて、リスト内の項目に優先順位を付けましょう。
③アカウント情報の記録。
・・・各アカウントのユーザー名、パスワード、関連メールアドレスなどを詳細に記録します。
安全な場所に保管し、適切なセキュリティ対策を取りましょう。
④ネット銀行。
・・・ネット銀行などの貯蓄は、相続の対象となるので、家族だからといって勝手にパスワード解除はできません。
相続する場合は、相続人全員の同意を得てから、解約手続きに進みます。
(専門家への相談)
①デジタル遺品整理業者の利用
・・・パスワードがわからない場合など、デジタル遺品の整理やパスワード解除を専門に行う業者に相談することで、効率的かつ安全に作業を進めることができます。
②法的アドバイスの受け取り
・・・故人のデジタル遺品に関連する法的な問題や権限については、弁護士や専門家の助言を仰ぐ必要もあるかもしれません。
デジタル遺品整理は複雑な作業であり、個々の状況によって異なるアプローチが必要となります。
故人の遺族や専門家のサポートを得ながら、慎重に進めるようにしてください。
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デジタル遺品の業者選びと値段の相場は?
デジタル遺品をどうしたらよいのかわからない場合や、時間が取れなくてデジタル遺品のデータの整理が難しいという方は、デジタル遺品の整理業者に依頼する方法もあります。
(整理業者選びのポイント)
①専門性と経験
・・・デジタル遺品整理に特化した業者を選ぶことが重要です。
実績があり、適切な技術や知識を持つ専門家がいるかどうか確認しましょう。
②サービス内容
・・・業者が提供する具体的なサービスを確認し、自分のニーズに合ったものかどうかを検討しましょう。
パスワード解除、データ整理、データのバックアップなど、必要な作業をカバーしているか確認してください。
③プライバシーとセキュリティ
・・・故人のデジタル遺産を適切に保護するため、業者がセキュリティ対策やプライバシーポリシーについてどのような対策を取っているか確認しましょう。
④口コミや評判
・・・過去の顧客の口コミや評判を調べることで、参考ではありますが業者の信頼性や実績を確認できます。
(デジタル遺品整理の値段の相場)
デジタル遺品整理を行っている業者は、通常の遺品整理をメインにして、デジタル遺品整理はオプションで行っている業者が多いようです。
デジタル遺品整理のみで依頼する場合は、業者と相談することをおすすめします。
ご紹介する値段の相場は、あくまでも参考なので、実際の値段は業者に確認してください。
①パソコン・スマホのパスワード解除。
・・・20,000円~50,000円。
②写真・文書データの取り出し。
・・・10,000円~。容量によって、金額も変わります。
③動画データ取り出し。
・・・13,000円~。容量によって金額も変わります。
④アドレス帳データの取り出し。
・・・5,000円~。
⑤パソコン・スマホの初期化
・・・パソコン20,000円~、スマホ10,000円~。
⑥パソコンアドレス帳の移動
・・・5,000円~。
⑦パソコンの廃棄。
・・・10,000円~。
⑧SNS退会、アカウント削除
・・・20,000円~。
⑨証券・FXなどの電子資産の確認
・・・20,000円~。
⑩ブログ等の閉鎖。
・・・10,000円~。
まとめ
デジタル遺品の整理は、決して簡単なことではありません。
しかし、デジタル遺品の整理を行うことで、遺族は故人との思い出を大切に保つことができます。
また、デジタル遺品の整理を行うことで、遺族は故人の個人情報や財産を守ることができます。